グリーンフィンガーズの紹介:2000年イギリス,アメリカ映画。実話を基に、グリーンフィンガーズ(天才庭師)の才能を持つ囚人の奮闘を描くコメディ・ドラマ。エッジフィールド更生刑務所に収容されたコリンは、無気力で何にも喜びを見いだせずにいた。そんなある日、彼は同房の老人ファーガスから花の種を渡される。コリンが何気なく蒔いた種は美しい花を咲かせた。それを知った刑務所長ハッジは、コリンと囚人数名に更生の一環として庭造りを命じる。はじめは嫌々だったコリン達だがあっという間に才能とやる気が開花し、刑務所内に見事な庭園を造り上げた。やがて彼ら囚人の庭師チームに、女王陛下も鑑賞するという名門フラワーショウ「ハンプトンコート・パレス」出場の話が舞い込む。
監督:ジョエル・ハーシュマン 演者:クライヴ・オーウェン(コリン・ブリッグス)、ヘレン・ミレン(ジョージナ・ウッドハウス)、デヴィッド・ケリー(ファーガス・ウィルクス)、ウォーレン・クラーク(ハッジ所長)、ダニー・ダイア(トニー)ほか
映画「グリーンフィンガーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グリーンフィンガーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グリーンフィンガーズの予告編 動画
映画「グリーンフィンガーズ」解説
この解説記事には映画「グリーンフィンガーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グリーンフィンガーズのネタバレあらすじ:スミレの花
イギリス、コッツウォルズ。人生の半分を刑務所で過ごしてきた囚人コリン・ブリッグスは、模範囚としてエッジフィールド更生刑務所に移されることになりました。所長のハッジは、エッジフィールドは開かれた刑務所だと説明します。ここには高い壁も監視カメラもありませんが、規律を乱せば元の窮屈な刑務所に送り返すと忠告しました。
コリンの同房者はファーガス・ウィルクスという名の老人です。彼は話し好きで何かとコリンの世話を焼きたがりましたが、コリンは迷惑だと突っぱねました。コリンは無気力で自主性に欠け、人生を諦めきっています。命じられるままトイレ掃除の仕事に就き、日々を淡々と過ごしていました。
そんなある日、起きるとファーガスがいません。彼はがんを始め様々な病気を患っており、所内の病室で化学療法を受けていました。それを知ったコリンはファーガスと会話するようになり、笑顔も見せ始めます。
その年のクリスマス、コリンはファーガスからスミレの種をプレゼントされました。気乗りしないコリンは、庭の適当なところに種を蒔きます。滅多に花の芽が出ない所内の土ですが、冬を越えるとスミレはささやかながら立派に花を咲かせました。それを見たファーガスは喜び、コリンは感動を覚えます。ファーガスは「逆境は君の友だ」と笑いました。ところがサッカーボールが飛んで来て、スミレを潰してしまいます。
サッカーチームの囚人ロウ、トニー、ジミーと乱闘騒ぎを繰り広げたコリン達は、ハッジから事情を聞かれました。ハッジは花が咲いたことに驚き、コリンの園芸の才能に気付きます。そこで5人に対し、新たにガーデニングの仕事に就くよう指示しました。
グリーンフィンガーズのネタバレあらすじ:新たな喜び
ロウ達は経験の無いガーデニングに全くやる気を出しませんでした。しかしファーガスから、良い庭を造ってハッジを喜ばせれば保釈の希望があると唆され、やっと仕事を始める気になります。予算は無いため、古い道具を修理するところから始めました。時には衝突もありますが、ファーガスが上手くまとめます。穏やかに見えるファーガスですが、彼は3人の妻を殺害した罪で死ぬまで刑務所にいる身でした。
やがて美しい庭園が完成し、ハッジも見事だと褒めたたえます。ハッジの妻スーザンは、高名なガーデニング・コンサルタントのジョージナ・ウッドハウスのサイン会に参加しました。そしてコリン達の庭を見て欲しいと言い、ウッドハウスの娘プリムローズと一緒に強引に刑務所へ案内しました。ウッドハウスは庭園を気に入り、特にコリンの才能を賞賛します。
エッジフィールドが囚人の民間労働を認めていると知ったウッドハウスは、自分が依頼を受けている屋敷の庭造りに参加しないかと持ちかけました。後日、屋敷の主人であるナイジェルとローレンスに挨拶したコリン達5人は、ウッドハウスの指示の下早速庭造りに取り掛かります。しかしその最中、ウッドハウスが蜂に刺されて入院してしまいました。彼女はコリン達を信用し、庭造りを任せることにします。作業を進める内に、コリンとプリムローズの距離はだんだんと縮まっていきました。
1週間後、退院したウッドハウスは庭の出来栄えに大変満足します。そして彼女は、名門フラワーショウ「ハンプトンコート・パレス」の出場者にコリン達を推薦しました。もちろん反対の声も多かったのですが、ウッドハウスは権限を駆使して強引に出場権利をもぎ取ります。知らせを受けたコリン達は大喜びで庭園の構想を練り始めました。
グリーンフィンガーズのネタバレあらすじ:暗雲
庭園のテーマはどうするか、どんな花を咲かせたいか、コリン達は意欲的に案を出し合います。庭の手入れをしながら、コリンはプリムローズにバラの花言葉について話しました。黄色のバラは恋の終わり、赤色のバラは情熱の象徴だと語ります。コリンは赤いバラをプリムローズに差し出し、彼女も笑顔で受け取りました。
全てが順調だと思われたある日、思いがけない事件が起こります。ナイジェル達の屋敷に強盗が入り、貴重な財産が盗まれてしまったのです。犯人はすぐに逮捕されましたが、彼は屋敷の見取り図を持っており、庭師から買ったと供述していました。この事件が原因で、コリン達はハンプトンコートの出場を辞退する羽目になってしまいます。
コリン達は、唯一屋敷内に入ったことのあるトニーを疑いました。彼は刑務所にボランティアで来ていた女性を妊娠させており、金を必要としていたことも事実です。トニーは必死に無実を訴えますが、コリン達は信じませんでした。トニーはそのまま刑務所を脱走してしまい、元々世間から厳しい目で見られていたエッジフィールドは批判の矢面に立たされます。
そんな折、コリンに保釈の話が持ち上がりました。釈放後の生活について問われたコリンは、ガーデニングを通して命を生み出す喜びを知ったと話します。「私は庭師 庭師になった」と力強く言い切った彼に、保釈許可が下りました。ファーガスとの別れ際、コリンは自分の罪について明かします。
コリンは18歳の時、酔って帰宅したところ婚約者と弟の浮気現場を目撃しました。カッとなったコリンは無我夢中で弟に襲い掛かり、気付くと彼を殺害していたのです。ファーガスは静かに聞き入り、一緒に連れて行ってくれとコリンに花を託しました。
グリーンフィンガーズのネタバレあらすじ:人生と引き換えに出来る夢
刑務所を出たコリンは、プリムローズが見つけておいてくれた部屋に住むことにします。惹かれ合う2人は恋人になり、結婚を意識し始めました。しかしプリムローズから結婚の意思を聞いたウッドハウスはパニックになります。コリンのことは気に入っているものの、娘の結婚相手として考えると、殺人という前科はあまりに受け入れがたいものでした。プリムローズはその言い分に失望し、怒りを覚えます。しかし実際に前科のあるコリンを庭師として雇ってくれるところはなく、花屋の配達係として働くことになりました。
そんなある日、コリンはトニーの嫌疑が晴れたことを新聞で知ります。屋敷で働いていた家政婦が恋人に見取り図を渡し、コリン達に濡れ衣を着せようとしていたのでした。急いで刑務所のロウとジミーに連絡を取るコリン。すると彼らから、来年のハンプトンコートに出場出来ること、ファーガスの体調が良くないことを聞かされました。
コリンは迷わず行動に出ました。花屋のガラスを割って侵入し、黄色のバラの花束を作って逃走。ウッドハウス邸の前に花束を置き、プリムローズへの手紙を添えました。プリムローズのことは愛しているけれど、人生を捨てでも叶えたい夢があると綴ります。コリンは追って来たパトカーに自ら乗り込み、エッジフィールド刑務所に戻りました。
ロウやジミーとも再会し、ハンプトンコートに向けて全力を出すことを約束します。ファーガスはコリンを見て驚きますが、「おかえり 天才庭師くん」と再会を喜びました。
グリーンフィンガーズの結末:ハンプトンコート・パレス・フラワーショウ
早速庭園のテーマを考えるコリン達でしたが、園芸に興味があるという内務大臣が岩石庭園を造ってはどうかと口を出して来ました。センスの欠片も無いその提案にコリン達は顔を顰めますが、エッジフィールドは今存続の危機に立たされており、内務大臣の機嫌を取るしかないとハッジが言います。
仕方なく岩石庭園を造り始めたコリン達。しかし庭園造りはトラブル続きでした。大量のネズミが苺を食べてしまったり、ランプのタイマーが故障して花が枯れてしまったり。コリンが苛立ちを覚える中、ついにファーガスが息を引き取ります。コリンは深い悲しみと、強い決意を抱いていました。
その夜、何者かによって岩石庭園が燃やされてしまいます。翌日、コリンは囚人達の前でかつてのファーガスの言葉を思い出しながら、逆境を味方につけたいとスピーチしました。彼の考えに賛同した多くの囚人達の協力のもと、コリン達は一から庭園を造り直します。
そしてついにハンプトンコート当日。様々な庭園に審査員達が目を光らせます。テレビカメラの前に立ったウッドハウスは、コリンとロウ、ジミーを紹介しました。彼らの庭園のコンセプトは「野生の庭」。華やかな花こそありませんが、偶然の中にある小さな喜びが表現されています。その庭園にはファーガスに似せた人形が設置されていました。
審査の後開かれたパーティーを遠目に見ていたロウとジミーは、実はランプを当て過ぎたのも、ネズミに苺を食べさせたのもわざとだったとコリンに白状します。ロウがわざとらしく、岩石庭園に火をつけた人物だけが分からないと言うと、コリンはニヤリと笑いました。そこに、ウッドハウスがプリムローズを連れて来ます。プリムローズは迷っている様子でしたが、今度はウッドハウスが娘の背を押しました。2人は変わらぬ愛を伝えます。
翌日表彰式が開かれ、見物客の中には妻子を連れたトニーもこっそり紛れ込んでいました。結局コリン達の庭園は何の賞も獲れずに終わります。ウッドハウスは「イカサマよ」と呟き、ハッジはコリン達3人を賞賛しました。
すると思いがけないことが起こります。女王陛下がコリン達の庭を気に入り、3人を宮殿に招待したのです。女王陛下はコリン達の庭が1番だったと絶賛していたそうです。コリン達は囚人服のまま、誇らしげに宮殿へ向かいます。
その後、彼らはチェルシーやハンプトンコートで次々入賞を果たし、ついには最高の栄誉であるチューダーローズ賞を獲得しました。彼らの活躍を伝えながら、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「グリーンフィンガーズ」のあらすじと結末でした。
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