花くれないにの紹介:1957年日本映画。大学を卒業し、初めての教師として青森の今石東高校に着任した朝田恵太郎が、この町を牛耳っている五本松体制を打破しようと、同僚教師や女子高の教師、そして生徒達を巻き込んで奮闘する、青春ドラマです。主演の高橋貞二はこの映画の数年後に自動車事故で亡くなりました。
監督:田畠恒男 出演者:高橋貞二(朝田恵太郎)、小山明子(若杉朝子)、笠智衆(若杉慎吾)、菅佐原英一(佐久間大造)、清川新吾(五本松武富)、柳永二郎(五本松重吉)、中村是好(押川教頭)、須賀不二夫(北向校長)、中川弘子(山小屋の阿津子)、夏川かほる(水沢節子)ほか
映画「花くれないに」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「花くれないに」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「花くれないに」解説
この解説記事には映画「花くれないに」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
花くれないにのネタバレあらすじ:起
朝田恵太郎は青森の今石東高校に着任するために、列車に乗っていました。列車の中で琴の先生の水沢に席を譲ったことで感謝され、下宿をさせてもらう事になりました。今石に着いた朝田は用務員の案内で、教頭に会いました。場所はPTA会長の五本松の家で、五本松は合同運動場を競輪場にしようという張本人で、教育委員会にも絶大な力を持ち、男女共学も禁止させ、町を牛耳っていました。その為教頭は常にペコペコしていました。その後、朝田は佐久間先生に会い、山小屋の酒屋で乾杯しました。山小屋には医者の若杉がいて酔っぱらっていました。帰りはリアカーに若杉を乗せ、山小屋の阿津子と一緒に病院まで送りました。病院で出迎えたのは娘の朝子でした。町一番の美人で南女子高の音楽教師だと阿津子が言いました。
花くれないにのネタバレあらすじ:承
朝、朝田は水沢の家の節子らと一緒に登校しました。途中で朝子に会い、あいさつをしました。その時節子が、朝子先生はドリーム先生だと教えてくれました。担任になった3年A組には、五本松の息子の武富が仕切る教室でした。大量のヘビで歓迎された朝田は、同僚教師から、この高校の昔からの習慣だと聞かされました。学校では学園祭の準備に追われていました。演劇で男が女役を演じるのは上手くいかないという生徒の要望で、南女子高の朝子に、演劇に女子を出してくれと頼みましたが断られました。教頭も、五本松を怒らせないようにと注意を受けました。学園祭終了後、武富らは夜、焚火をしながら酒を飲んで打ち上げをしていました。朝田が注意をすると、酔って絡んできたため武富を殴ってしまいました。職員会議では朝田の処遇が話されていました。学校に怒り心頭で五本松がやって来ましたが、報道陣がいたため『愛のムチ』は必要だと言って朝田を褒めました。
花くれないにのネタバレあらすじ:転
朝子と仲良くなった朝田は、琴の先生が朝子の父の初恋の人だと聞いて、二人をひきあわせました。都会からやってきた愚連隊が、節子の手提げ袋に財布を入れて、財布を盗まれたと節子をさらっていきました。これを見た男子学生が、節子に憧れる武富に報告すると、武富は愚連隊たちに襲い掛かり節子を助けようとしますが、警察沙汰になりました。武富は自分が財布を盗んだと言い張って罪をかぶり、父の五本松が東京の高校に転校させることで、事件をもみ消しました。朝田と朝子がデートをしていると、東高校の男子と、南高校の女子が集会をしていました。聞くと競輪場の反対と、合同運動場を作って男女共学にしてほしいと集結して訴えようという事でした。朝田と朝子は生徒達の行動を認めやらせました。五本松が政治家を呼んで大集会演説をしようとした時、両行の生徒達が大きなデモ行進をして阻止しました。
花くれないにの結末
この行動を手紙で読んだ武富が帰って来て、父の五本松を説得しました。しかし聞き入れず、武富は遺書を節子に渡し線路を歩いていました。朝田がすんでのところで助けましたが、薬も一緒に飲んでいて、若杉の病院に運ばれました。病院にやってきた五本松に若杉がお前のせいだと怒りをぶつけました。すると五本松はたった一人の息子だから助けてくれと頼み、二人は和解しました。佐久間先生は、生徒達のデモの責任を取れと教頭になじられたことにキレ、教頭を棒で殴りました。このことで辞表を提出し認められましたが、逆に教頭は、校長から、政治的活動に参加したことに対し責任をとれと辞表を出すように言われました。五本松に泣きついた教頭でしたが、五本松は今回の一件で、PTA会長の座を降り、町のすべての役職から手を引くと言いました。駅では北海道に向かう佐久間に、阿津子が付いて行くと言って一緒に列車に乗りました。教頭一家は、転勤先へと向かいました。陸中海岸では朝田と朝子、そして男子生徒と女子生徒が遠足を楽しんでいました。
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