華岡青洲の妻の紹介:1967年日本映画。有吉佐和子のベストセラー小説を新藤兼人が脚色。鬼才・増村保造が監督した文芸作で、1967年度のキネマ旬報ベストテンで5位に入選した。増村にとっては「大地の子守歌」「曽根崎心中」とならぶ代表作。
監督:増村保造 出演:市川雷蔵(華岡青洲)、若尾文子(華岡加恵)、高峰秀子(華岡於継)、内藤武敏(妹背左次兵衛)、伊藤雄之助(華岡直道)、浪花千栄子(加恵の乳母)、ほか
映画「華岡青洲の妻」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華岡青洲の妻」のあらすじと結末をネタバレ解説。動画やキャスト紹介、レビューや感想も掲載。ストーリーのラストまで簡単解説します。
華岡青洲の妻の予告編 動画
ネタバレ「華岡青洲の妻」あらすじ・結末
ここからは映画「華岡青洲の妻」のネタバレを含んでいます。あらすじの結末まで解説していますのでご注意ください。
華岡青洲の妻のネタバレあらすじ:起
市場村の妹背佐次兵衛の娘として生まれた加恵は、8歳のとき初めて於継を見ました。於継は一介の田舎医者である華岡直道の妻でしたが、幼いときから才色の誉れが高く、近隣でその名前を知らない人はありません。加恵も幼いながらもその顔を見たいと思い、乳母の民にねだって隣村の平山へ出かけたのです。その美しさは噂に違わず、思わず見惚れてしまうほどのものでした。やがて成長した加恵のもとに縁談の話がきます。それを申込みに来たのは驚いたことに憧れの女性である於継でした。妹背家は近郷の地士頭と大庄屋を代々勤めている禄高150石の名門で、パッとしない医家の華岡家では家柄があまりにも違います。
華岡青洲の妻のネタバレあらすじ:承
しかし、加恵は常々、女の鑑のような於継から嫁と呼ばれてみたいと思っていました。父親は反対でしたが、母親や乳母が彼を説得。おかげで加恵は晴れて華岡家へ嫁ぐことになります。花婿となるのは雲平という華岡家自慢の息子でしたが、最新の南蛮流を学ぶために京都へ出てもう半年の余になり、しばらくは夫なしで加恵は華岡家に仕えます。慎ましい生活を送っている華岡家では、医術のほかに副業として機織りもおこなっており、於勝、小陸といった雲平の妹たちに混じって、加恵も機織りに精を出します。
華岡青洲の妻のネタバレあらすじ:転
やがて京都から雲平が帰ってきます。しかし於継が彼を独占しようとするため、花嫁である加恵は寂しい思いをすることに。この頃から、優しそうに見えて実は冷徹な於継に対し、加恵は対抗意識を持つようになります。やがて雲平は通り名を青洲と改め、患者に負担なく手術をおこなえるよう、麻酔の研究に励みます。猫を使った実験である程度の成果を上げると、続いては人体実験へ。
華岡青洲の妻の結末
青洲の愛情を奪い合う於継と加恵は競ってその実験台になろうとしますが、母の老体を気遣う青洲は於継には偽の液体を与え、本物の麻酔液は加恵にだけ飲ませます。その結果、加恵は盲目になってしまいます。しかし、夫の研究に役立ったと思うと後悔などありません。やがて於継が死去。さらに麻酔の研究は進み、青洲は世界で初の麻酔を使った手術に成功します。華岡家はますます隆盛に向かい、弟子の数もどんどん増えます。本来なら晴れやかな気持ちになるべき加恵ですが、あえて人目に立たないように余生を過ごし、68歳で世を去るのです。
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