果しなき欲望の紹介:1958年日本映画。今村昌平の第3作目で、後の作品とは違った純粋なコメディ。ウェルメイドの秀作として一部の批評家に注目された。原作は後の『赤い殺意』と同じ藤原審爾。撮影は今村監督と長年コンビを組む姫田真佐久が担当。
監督:今村昌平 出演:長門裕之(悟)、中原早苗(リュウ子)、西村晃(中田)、殿山泰司(大沼)、小沢昭一(沢井)、加藤武(山本)、渡辺美佐子(志麻)、菅井一郎(大乃湯金造)、高品格(滝爺)、河上信夫(金山)、三崎千恵子(きよ)、柳澤愼一(菅井)、芦田伸介(刑事一)、秋津礼二(刑事二)、ほか
映画「果しなき欲望」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「果しなき欲望」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
果しなき欲望の予告編 動画
映画「果しなき欲望」解説
この解説記事には映画「果しなき欲望」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
果しなき欲望のネタバレあらすじ:起
広島行きの普通列車が姫野駅に入ってきます。乗車客の中に、いわくありげな人物が5人います。
彼らは薬剤師の中田(西村晃)、大阪でラーメン屋を営む大沼(殿山泰司)、愚連隊の山本(加藤武)、英語専門塾教師の沢井(小沢昭一)、それに紅一点の志麻(渡辺美佐子)です。
5人はこの町でモルヒネを掘り出すつもりです。それは終戦の日、どさくさに紛れて彼らが姫野の陸軍病院の防空壕に埋めたものです。軍医である橋本中尉が首謀者なのですが、彼はもう亡くなり、代わりにやってきたのが妹だという志麻でした。
果しなき欲望のネタバレあらすじ:承
埋める作業を行ったのは3人のはずで、誰かが秘密を嗅ぎつけてやってきた邪魔者のようです。ただ陸軍病院の建物は私立の診療所になっていて、その敷地も商店街に変わっています。
モルヒネは肉屋の真下にあり、掘り出すには近くの貸家から地下を掘っていかなければなりません。人手が必要ということで、その誰か判らない邪魔者も参加させることにします。
不動産屋を開くと偽り、近くの銭湯・大乃湯の主人である金造(菅井一郎)に掛け合って無事に貸家は借りられましたが、その息子・悟(長門裕之)を雇わされる羽目になり、それも一同の頭痛の種になります。
果しなき欲望のネタバレあらすじ:転
悟をなるべく営業に出させてトンネルを掘っていきますが、資金調達の休みの間に山本が逮捕され、人数が減ります。それでも一同は奮闘して掘り進めるのですが、驚いたことに商店街はその月末で取り壊される計画でした。
予定よりも仕事を進めなければなりませんが、ちょうどそこへ拘置所を脱走した山本が帰ってきて、手を貸します。ところが喧嘩の結果、沢井が彼を刺殺。トラブルにもめげず掘り進んでモルヒネのドラム缶を見つけますが、今度はそれが倒れて沢井も死にます。
果しなき欲望の結末
2人の犠牲を出して、ようやくモルヒネは見つかりました。3人で山分けしようとしたところ、志麻が大沼を毒殺。実は彼女が中田と組んで橋本元軍医も殺したのです。
しかも志麻は中田まで殺してしまい、モルヒネを独り占めしようとします。しかし死体を見た悟の通報により警察が彼女を追跡します。
嵐の夜に壊れた橋を渡ろうとした志麻は水面に落下し、濁流に飲まれます。こうして結局、欲に駆られた5人全員が虚しく死を迎えるのでした。
以上、映画「果しなき欲望」のあらすじと結末でした。
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