螢の光の紹介:1938年日本映画。女学校の卒業式を前に、それぞれの道を歩むことになる三枝と早苗。しかし仲のいいふたりが共通の男を愛したために、ふたりはお互いを悲恋に導くことになってしまいます。三枝に高峰三枝子。早苗に高杉早苗。のちにトップスターとなるふたりが可憐な女学生を演じています。
監督: 佐々木 康 出演者:桑野通子(河原来生)、髙杉早苗(森田早苗) 、高峰三枝子(石井三枝)、東山光子(田中毬子)、夏川大二郎(有賀恭爾)、坂本武、ほか
映画「螢の光(1938年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「螢の光(1938年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
螢の光の予告編 動画
映画「螢の光(1938年)」解説
この解説記事には映画「螢の光(1938年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
螢の光のネタバレあらすじ:起
卒業を間近に控えた女学校の仲良し7人組が、箱根へ一泊旅行に出かけることになりました。謝恩会をかねた旅行には担任の河原先生も加わっています。
河原先生は彼女たちの学年を最後に、学校をやめ実家へ帰ることになっています。先生は、両親にも言えない辛いことや悲しいことがあった時には、ぜひ訪ねてきてほしいと言って生徒たちを励まします。
生徒のひとり、石井三枝は音楽の道で身を立てることを志しています。長年、ピアノのレッスンに励んできた彼女は、音楽プロデューサーの目にとまり、そこから先、さらに前へ進み出ようとしています。
森田早苗は、卒業後に結婚を控えています。親が決めた結婚に彼女は少しも前向きではありません。早苗が嫁いでいく先のその人は脊椎カリエスという思い病気を患っています。京都のその人のもとへは看病で嫁ぐのが目的です。
螢の光のネタバレあらすじ:承
迎えた卒業式の日、早苗はワンピース姿で現れます。卒業生全員が揃って制服姿で臨むなか、身勝手な振る舞いだと諭して石井三枝は早苗を非難します。しかし早苗は、自らの結婚を「親のため」「夢も希望もない」「身売り」だと言って、三枝に思いを吐き出します。
三枝も河原先生も、早苗の言う「最後の晴れ姿」を認めてあげました。早苗には、さらに心に秘めた人との別れが待っていました。長年思いを秘めてきた社会人の青年、有賀から恋を打ち明けられた早苗は、結婚で恋を手放す辛さと苦しみで重く心が塞がれます。
京都へ向かう日のその前夜、家を飛び出た早苗は三枝の家へ向かいます。三枝は早苗をかくまい友情を誓いますが、三枝のマネジメントを有賀が担当し、三枝が有賀に恋を抱いていることが分かると、早苗はいたたまれずに三枝のもとをあとにします。
螢の光のネタバレあらすじ:転
頼る人の当てのない早苗は、実家に帰った河原先生を訪ねます。学校をやめてすっかり農婦に変身した先生は、早苗をかくまい、早苗を癒します。そこへ早苗の父親が現れます。
先生は、父親に早苗を会わせません。思慮深い先生は、早苗の苦しみを父親に訴えます。父親は先生の意見に頷きつつも、恩人への義理と娘を思う気持ちを交互に語って複雑です。襖越しに聞いていた早苗の胸中も複雑です。
早苗を思う有賀も早苗のもとに現れます。しかし有賀の来訪を知っても、早苗は有賀に会いません。有賀から遠ざかることで三枝が幸せになるのなら、と早苗は考えます。引き返す有賀のうしろ姿を早苗は物陰から見送ります。
螢の光の結末
失意に沈んだ有賀はその後、酒に溺れます。有賀の愛を求める三枝は、酒に溺れる有賀を見て落胆します。自暴自棄になった三枝は「天才少女の失踪」と新聞ネタになって世間を騒がせます。
やがて三枝は倒れます。それまで挫折を知らずにきた三枝は、日増しに衰弱します。三枝は療養先で早苗を待っています。しかし「早苗、早苗」と繰り返す三枝の声はか細く、次第に衰えていきます。
早苗と河原先生が到着すると、三枝は安らかに昇天します。卒業から1年にも満たない三枝の死でした。
以上、映画「螢の光」のあらすじと結末でした。
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