わが谷は緑なりきの紹介:1941年アメリカ映画。19世紀末のイギリス・ウェールズ地方の炭坑町を舞台にした作品で、男たちが皆炭鉱で働くモーガン一家の姿を、年老いた末弟の回想という形で描いたヒューマンドラマです。
監督:ジョン・フォード 出演者:ロディ・マクドウォール(ヒュー・モーガン)、ドナルド・クリスプ(ギルム・モーガン)、モーリン・オハラ(アンハード・モーガン)、ウォルター・ピジョン(グリュフィード牧師)、パトリック・ノウルズ(イヴォール・モーガン)ほか
映画「わが谷は緑なりき」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「わが谷は緑なりき」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「わが谷は緑なりき」解説
この解説記事には映画「わが谷は緑なりき」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
わが谷は緑なりきのネタバレあらすじ:起
初老を迎えたヒュー・モーガン(アーヴィング・パイケル)は、今まさに生まれ育った炭鉱町を離れようとしていました。町は寂れ、緑豊かだった谷もすっかり色あせて見えました。二度と故郷に戻らない決心を固めたヒューは、一家が揃って幸せに過ごしていた頃を思い出していました。
約50年前。モーガン一家の男たちは、当時まだ10歳だった末子のヒュー(ロディ・マクドウォール)を除いて全員が炭坑で働いていました。一家の大黒柱である父ギルム(ドナルド・クリスプ)や5人の兄は十分な収入があり、一家は平和に暮らしていました。やがて長男イヴォール(パトリック・ノウルズ)はブローウィン(アンナ・リー)と結婚して独立、新たに一家を構えました。
わが谷は緑なりきのネタバレあらすじ:承
しかし、平和だった鉱山町も、炭鉱の経営者が賃金を引き下げたことにより次第に暗雲が立ち込めてきました。モーガン家の息子たちは労働組合を組んで経営者に対抗しようとしますがギルムは反対し、息子たちはヒューと長女アンハード(モーリン・オハラ)を残して家を出ていきました。ある冬の日、遂に炭鉱夫たちはストライキを起こし、経営陣はギルムに説得役を依頼しますが断られます。しかしストライキ側はギルムが経営者側についたとして非難を浴びせます。一家の母ベス(サラ・オールグッド)は夫の弁護に回りますが、帰り道に誤って凍った川に落ち、助け出したヒューは足に重度の凍傷を負ってしまいます。
わが谷は緑なりきのネタバレあらすじ:転
ヒューは面倒を見てくれたグリュフィード牧師(ウォルター・ピジョン)に励まされ、次第に元気を取り戻していきます。グリュフィードはモーガン一家と交流を持つようになり、アンハードは次第にグリュフィードに想いを寄せるようになります。しかしアンハードの幸せを願うグリュフィードは、彼女に炭鉱主の息子との結婚を勧め、自ら身を引きます。やがてヒューは隣町の学校に通い始めますが、同級生らからいじめを受けてしまいます。そんなヒューを見かねた町の人々はヒューにボクシングを教え、やがてヒューは学校でも一目置かれる存在になっていきます。
わが谷は緑なりきの結末
ストライキが終わった後も依然として炭鉱夫の賃金は低く、モーガン家の息子たちは新天地を求めて町を去っていきました。そんなある日、長兄イヴォールが炭鉱で事故死してしまい、ヒューは進学を諦めて炭鉱で働き始めます。一方、炭鉱主の息子と結婚していたアンハードは離婚して町に戻ってきましたが、グリュフィードとの心無い噂を立てられ、グリュフィードは町を去る決意を固め、父の形見の懐中時計をヒューに渡します。しかしその時、父ギルムが炭鉱事故に巻き込まれ、ヒューやグリュフィードらは急いで駆け付けますが既に手遅れでした。
時は流れ、故郷の谷を去ろうとするヒューはこう振り返ります。わが谷は緑なりき、と。
悲しい事がたくさん起こるのに暗さがなくて温かい気持ちになれる映画。
母のたくましさとかボクサーのおじさんの優しさとか素朴な幸せを感じられる。
不幸もまた人生と思わせてくれる作品。