ハングリー・ハーツの紹介:2014年イタリア映画。第71回ヴェネチア国際映画祭で、アダム・ドライヴァーとアルバ・ロルヴァケルが主演男優賞と主演女優賞のW受賞に輝いたミステリー映画。ジュードとミナという、ごく平凡な若い男女が出会って結婚。子供も誕生し、幸せいっぱいのはずだった。しかし、独自のやり方に固執するミナの子育ては、日増しに常軌を逸していく。
監督:サヴェリオ・コスタンツィオ 出演者:アダム・ドライヴァー(ジュード)、アルバ・ロルヴァケル(ミナ)、ロバータ・マクスウェル(アン)、デヴィッド・アーロン・ベイカー(ジェイコブ)、ジェイク・ウェバー(ビル)、ナタリー・ゴールド(ジェニファー)ほか
映画「ハングリー・ハーツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハングリー・ハーツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハングリーハーツの予告編 動画
映画「ハングリー・ハーツ」解説
この解説記事には映画「ハングリー・ハーツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハングリーハーツのネタバレあらすじ:起
ニューヨークに住む、大使館勤めのイタリア人ミナとエンジニアのジュード。2人の出会いは、チャイニーズ・レストランの男女共同トイレに閉じ込められるというハプニングがきっかけでした。彼らは恋に落ち、一緒に暮らし始めます。ミナの妊娠をきっかけに2人は結婚。ジュードの母親アンも、ミナを心から歓迎します。しかし、アンの家で鹿を撃つハンターの姿を目撃したミナは恐怖を感じ、以来、暗闇に消えるハンターの夢をたびたび見るようになります。ジュードは、それはつわりから来る不安に過ぎないとミナに言います。菜食主義者のミナは、妊娠中でも肉を口にしません。担当医のビルはもっと栄養を摂るよう勧めますが、ミナは聞き入れません。ある時、心霊占いの店で「お腹の子は強いエネルギーを持つ存在、“インディゴ”だ」と言われたミナ。この子は特別なのだという思いが、さらに極端な行動へと走らせます。
ハングリーハーツのネタバレあらすじ:承
現代医学を極端に嫌うミナは、自然療法を行う医師ジェイコブを頼ります。かわいい男の赤ん坊が無事に生まれますが、ミナは自己流の方法で育児を開始します。ジュードは、1日中赤ん坊につきっきりのミナに不安をおぼえます。ミナは騒がしい外の世界に子供を触れさせたくないと、一度も外出しないのです。赤ん坊が熱を出しても、抗生物質の処方が嫌だからと病院にすら連れて行きません。ミナは仕事復帰も拒み、育児のみに集中します。ミナの外出中、ジュードは黙って赤ん坊を病院へ連れて行きます。診察した医師は、動物性脂肪を与えなければ危険な状態だと警告。ジュードはベビーフードを購入し、ミナの目が届かない場所で食べさせてやります。しかしミナはすぐさま気づき、2人は口論になります。栄養食を与えることにしぶしぶ同意するミナですが、ジュードに隠れて赤ん坊に謎のオイルを飲ませるようになります。それはヨラックスという栄養吸収を妨げるオイルでした。その事実を知ったジュードは激怒し、衝動的にミナを平手打ちしてしまいます。ショックを受けたミナは、ますます様子がおかしくなっていきます。
ハングリーハーツのネタバレあらすじ:転
ある日、息子と孫を心配したアンが訪ねて来ました。ミナの様子に明らかな異変を感じて驚くアン。ジュードは、自分が解決するから心配しないでほしいと母親をなだめます。ミナの方は、自分を案じるジュードの行動すら、愛情ではなく支配だと感じていました。切羽詰まったジュードは、ソーシャルワーカーに相談。妻が息子を特別な“インディゴ”だと思い込んでいること、日光浴どころかまともな食事すら与えないことなどぶちまけます。しかしソーシャルワーカーは、ミナが精神科で治療を受けるためには事実の証明が必要だと言います。それでは遅すぎると絶望するジュード。その姿を見かねたソーシャルワーカーは、母親の承諾なしに子供を連れ出すと誘拐罪になると警告した上で、どこか安全な場所へ避難させることを勧めます。ジュードは赤ん坊を連れ出してアンに預け、ミナの説得にかかります。
ハングリーハーツの結末
赤ん坊と引き離されたミナは涙にくれます。赤ん坊と自由に会うのは構わないと言われ、電車に乗り、ジュードも寝泊まりするアンの家を訪ねます。アンは冷静にミナを迎え入れますが、ミナはアンが目を離した隙にヨラックスを赤ん坊に与えていました。アンは苛立ち、ジュードにこのままでは孫が危険だと訴えます。再び家を訪れたミナは、赤ん坊を抱いて連れて行こうとします。そこにジュードとアンが立ちふさがり、ミナはジュードに赤ん坊を取り上げられた拍子に転倒。唇に血を滲ませたまま、ふらふらと家から出て行きます。その夜、夫に暴力を振るわれたというミナの訴えで、アンの家に警官がやって来ます。ミナは赤ん坊を取り戻しました。翌日、幸福感でいっぱいの彼女は、赤ん坊を連れて海を見に出掛けます。母子だけの幸せな時間が過ぎます。その夜、ミナは自宅で射殺されて亡くなります。彼女を撃ったのはアンでした。逮捕されたアンは言います。彼女を殺さなければ孫は死んでいた。ああするしかなかったと信じている。ジュードは赤ん坊を抱きしめて号泣します。数年後、ミナが訪れた同じ海岸を歩く、ジュードと大きくなった息子の姿がありました。
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