標的 羊たちの哀しみの紹介:1996年日本映画。企業に勤めるオオツカが上司から「イモト係長を実家のある新潟に行って連れ戻して来てくれ」と指示を受けます。新潟に行ったオオツカがイモトを探すと、手掛かりはなく逆に暴漢に襲われます。イモト失踪には何か裏があると睨んだオオツカは…という内容のハードボイルド作品です。主演の佐野史郎がダークで過激な男を演じています。
監督:若松孝二 出演者:佐野史郎(オオツカ)、大沢逸美(ヒサコ)、石橋蓮司(川原社長)、不破万作(池)、吉澤健(イモト)、ほか
映画「標的 羊たちの哀しみ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「標的 羊たちの哀しみ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「標的 羊たちの哀しみ」解説
この解説記事には映画「標的 羊たちの哀しみ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
標的 羊たちの哀しみのネタバレあらすじ:起
大島工業に勤めるオオツカ(佐野史郎)に、上司の中川が「イモト君が出社拒否になって1週間出てこない、イモト君の実家のある新潟へ行って、東京へ連れ帰って来てくれ」と指示を受けます。
イモト係長(吉澤健)はオオツカの先輩で、同じサッカー部でした。そんなこともあってオオツカは新潟の柏崎に着きます。老舗旅館のヒサコ(大沢逸美)と婚約し、イモトの母の面倒も見てもらっていると聞き、早速『くるまや旅館』に向かい、女将のヒサコに話を聞きます。ヒサコは「イモトは3日前に東京へ帰った」と言います。「イモトさんのお母さんに話は聞けませんか?」と聞くオオツカに対し、ヒサコは「母は病気ですから無理です」と言います。
その夜、オオツカは、イモトの同級生のイイジマが経営するスナック『チェス』に行きます。イイジマと妹のメグミにイモトの話を聞きますが「知りませんね、人違いじゃないですか」と言われ、店を出ます。
入れ違いに池(不破万作)という男が入って来て、カウンターの下に盗聴器を仕込みます。帰り道、オオツカは二人の男に襲われて暴行を受けます。路地の陰からこの様子を池が見ていました。
標的 羊たちの哀しみのネタバレあらすじ:承
ホテルにいるオオツカに電話があり「昨夜あんたを襲ったのはタチバナだ、ヤツはチェスの常連で何か知っているはずだ」と言われます。チェスを見張っていたオオツカは店を出てきたタチバナを襲い暴行します。問い詰めると「メグミの兄貴のイイジマに頼まれた。詳しい事は知らない、イイジマとイモトがやっていることだ」と言います。
オオツカはメグミを拉致してイイジマに電話させ恐喝しました。イイジマは「メグミにイモトのとこへ案内させる」と言います。メグミの案内でイモトに会ったオオツカは真相を聞きます。イモトは「聞いたら後戻りできなくなるぞ、明日もう一度ここへ来い、教えてやる」と言います。
その夜、イモトはヒサコと愛し合いました。ヒサコが帰ると池ら3人が入って来ます。池は「盗んだフロッピーを返せ」と言って、イモトにヤクを注射します。イモトはそのまま死に、海に浮かべられました。
翌朝、会社の中川から「イモト君が死んだから帰ってこい」と言われますが、オオツカは「僕の仕事はまだ終わっていない。真相を調べるまで帰らない」と言って電話を切ります。中川の横には川原社長がいました。
標的 羊たちの哀しみのネタバレあらすじ:転
翌日、池が話しかけてきます。池は「勤め人は会社の言うとおり動け」と警告します。その夜、オオツカはイイジマに会います。イイジマは「大島工業は巡航ミサイルの部品を密輸出している。この事実を知ったイモトが社長をゆすって金をとろうとしていた。しかし社長は裏組織を使ってイモトを消そうとしている。つまりオオツカさんはイモトをおびき出すオトリだ」と全てを話しました。
話を聞いたオオツカが店を出ると、外の車の中で池が盗聴器で会話を全て聞いていました。そして『チェス』に乗り込むとイイジマとメグミを射殺します。翌日、オオツカがヒサコと話していると池らが襲ってきます。オオツカは3人を振り切り、ヒサコを乗せて車で逃げます。
海辺の漁師小屋に入った二人はそのまま愛し合いました。そこでヒサコは「イモトが母に大事なものだと言って何か渡していた、布団の下に隠しているはずだ」と言います。旅館に帰り、ヒサコが母を入浴させている間に、オオツカがフロッピーを盗みます。
そして知り合いの小林にデータを送り調べてもらいます。中身は巡航ミサイルの機密データが入っていました。オオツカは小林に「僕に何かあったら、データを公表してくれ」と言います。
標的 羊たちの哀しみの結末
『くるまや旅館』に池たちがやって来ます。イモトの母を問い詰めると、布団の下にあることを悟られてしまいます。しかしフロッピーは無くなっていて、母はヒサコを睨みます。池はヒサコが知っているとわかり、イモトの隠れ家へ拉致し、ヤクを注射します。
問い詰めると「オオツカさんが持っている」と白状します。池は配下の人間にヒサコをレイプさせながらオオツカに電話し「フロッピーをイモトの隠れ家にもって来い」と言って、ヒサコの声を聞かせます。
オオツカは2階から侵入し、二人を射殺。そして池と銃撃戦になるものの、池がヒサコに銃を向け「フロッピーを渡せ、殺すぞ」と言った事から、オオツカはフロッピーを投げます。フロッピーを拾った池が海辺を逃げます。オオツカが追い詰め、海の中へ連れ込み瀕死に追い込み、フロッピーを奪い返します。
ヒサコの元へ戻ったオオツカは、ヒサコに口づけをし、愛し合います。東京に帰ってきたオオツカは、ジョギングする川原社長を待ち伏せし、包丁で刺し殺します。翌日、『大島興業、ミサイル輸出疑惑の川原社長刺殺される』という新聞記事を読むヒサコがいました。そこへオオツカがやって来て、二人は歩きはじめるのでした。
以上、映画「標的 羊たちの哀しみ」のあらすじと結末でした。
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