アイム・ノット・ゼアの紹介:2007年アメリカ映画。ノーベル文学賞受賞者でもあり、今なお現役で活躍を続ける伝説のミュージシャン、ボブ・ディランの半生をモチーフに、6人の俳優がディランの多彩なイメージを演じ分けた実験的なミュージックドラマです。
監督:トッド・ヘインズ 出演者:クリスチャン・ベイル(ジャック/ジョン牧師)、ケイト・ブランシェット(ジュード)、マーカス・カール・フランクリン(ウディ)、リチャード・ギア(ビリー)、ヒース・レジャー(ロビー)、ベン・ウィショー(アルチュール)、ほか
映画「アイム・ノット・ゼア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アイム・ノット・ゼア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アイム・ノット・ゼア」解説
この解説記事には映画「アイム・ノット・ゼア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイム・ノット・ゼアのネタバレあらすじ:起
1959年。“ウッディ・ガスリー”と名乗る11歳の黒人少年(マーカス・カール・フランクリン)はミュージシャンになるという夢を叶えるため、「This Machine Kills Fascists(これはファシストを殺すマシン)」と書かれたケースにギターを入れ、貨物列車に乗って旅に出ました。
ウッディは旅先で世話になった家の夫人から「今を生き、今の時代を歌いなさい」と励まされ、夫人らに感謝の気持ちをしたためたメモを残して旅を続けますが、乗った貨物列車で強盗団に襲われて川に転落してしまい、ある白人夫婦に助けられます。ウッディはお礼に歌を聴かせますが、そこへミネソタの少年鑑別所から電話がかかってきました。
鑑別所から逃げてきたことがバレてしまったウッディは再び旅に出て、今や落ちぶれた歌手となってしまった入院中のウッディ・ガスリー本人を病院に見舞い、彼の病室でギターを披露しました。
アイム・ノット・ゼアのネタバレあらすじ:承
1960年代、アメリカでは空前のフォーク・ソング・ブームが巻き起こっていました。“良心の吟遊詩人”とまで讃えられ、シーンの中心的存在となっていた人気歌手ジャック・ロリンズ(クリスチャン・ベール)は、パーティーのスピーチでジョン・F・ケネディ大統領の暗殺犯を讃える発言をしたことからバッシングを浴び、突然引退して姿を隠してしまいます。
1965年、ジャックの伝記映画「砂の粒」に主演した若手俳優ロビー・クラーク(ヒース・レジャー)は、フランス人アーティストのクレア(シャルロット・ゲンズブール)と出会い結婚します。
同じ年、歌手ジュード・クィン(ケイト・ブランシェット)はバンドを率いてフォークフェスティバルに出演しますが、ロックでもフォークでもない斬新な音楽は聴衆からブーイングを浴びてしまいます。
アイム・ノット・ゼアのネタバレあらすじ:転
ロンドンに向かったジュードは、BBC放送のレポーター、キーナン・ジョーンズ(ブルース・グリーンウッド)のインタビューを受け、ジュードはジョーンズに「何を書こうが勝手で、他人に褒められる必要もない」と吐き捨て、ジョーンズから「あなたは普通の感情がない。自意識過剰な人間だ」と評されます。
ジュードはロンドンのライブ会場でも観客から罵声を浴び、客とトラブルを起こします。やがてジュードはドラッグに溺れるようになり、パーティーの会場でニューヨークの人気モデル、ココ・リヴィングトン(ミシェル・ウィリアムズ)を侮辱してしまい、薬物中毒の悪化で倒れ込み搬送されてしまいます。
アイム・ノット・ゼアの結末
1968年頃からロビーとクレアとの夫婦仲は次第に悪化、ベトナムからアメリカ軍が撤退完了した1973年1月23日に二人は離婚を決意します。一方、引退してから行方をくらましていたジャック・ロリンズは、教会で聖書を学び“ジョン牧師”と名乗って活動していました。
西部の町で隠遁生活を送る無法者ビリー・ザ・キッド(リチャード・ギア)は、愛犬が逃げたため捜していると、この町の住民たちがハイウェイ建設のための立ち退きを強制され、自殺者まで出るほどの大騒動になっていることを、知人から聞かされます。
ビリーは、騒動の黒幕がパット・ギャレット長官(ブルース・グリーンウッド)であることを突き止め、町民らによる自殺者の追悼集会でギャレットを批判し、町を出て旅に出ることになります。
ビリーは飛び乗った貨物列車の中で「これはファシストを殺すマシン」と書かれたウッディ・ガスリーのギターを見つけ、「まるで昨日と今日と明日が同居しているようなものだ。さてこれから何が起きるのか」と思いを巡らせていました。
以上、映画「アイム・ノット・ゼア」のあらすじと結末でした。
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