不滅の恋/ベートーヴェンの紹介:1994年アメリカ映画。作曲家ベートーヴェンは生涯独身を通したが、遺書には「不滅の恋人」の存在があった。その女性は誰か?の謎を追うミステリーを、ベートーヴェンの名曲で彩った作品。
監督:バーナード・ローズ 出演:ゲイリー・オールドマン(ベートーヴェン)、ジェローン・クラッペ(シンドラー)、ヨハンナ・テア・シュテーゲ(ヨハンナ)、イザベラ・ロッセリーニ(アンナ・マリー)、マルコ・ホーフシュナイダー(カール)
映画「不滅の恋/ベートーヴェン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「不滅の恋/ベートーヴェン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
不滅の恋/ベートーヴェンの予告編 動画
映画「不滅の恋/ベートーヴェン」解説
この解説記事には映画「不滅の恋/ベートーヴェン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
不滅の恋/ベートーヴェンのネタバレあらすじ:ベートーヴェンの死
1827年ベートーヴェンが死に、その棺を民衆が囲み悲しみました。ベートーヴェンの代理人シンドラーはベートーヴェンが書いた最後の遺言書を発見します。そこには「不滅の恋人に全てを捧げる」と書かれていました。ベートーヴェンの弟は、遺産は自分のものだ!と争う姿勢です。シンドラーは遺言の「不滅の恋人」を探すべく、遺書と一緒にあった手紙の住所を基に、カールスバートのホテルへ向かいました。
不滅の恋/ベートーヴェンのネタバレあらすじ:ジュリエット
ホテルの受付でベートーヴェンのことを聞くと、彼がホテルを訪れた時のことが聞けました。「ベールで顔を隠した女がホテルに訪ねてきたが、その日は嵐でした。ベートーヴェンから手紙が届き、その手紙をお茶菓子と一緒に届けたが、女はその後立ち去り、入れ違いにベートーヴェンが到着。女が去ったのを知った彼は、怒り狂ってホテルの部屋を壊した。」シンドラーは宿泊帳から女のサインを探し出し、ウィーンのフォン・ガレンブルグ邸へ行きます。伯爵夫人であるジュリエットは、ベートーヴェンが好きだったと告白します。17歳の時にベートーヴェンの音楽を知り、その後父の赴任でウィーンへ住むことになったジュリエットは、宮殿で下品な印象の男に出会います。その男がピアノを教えに家に来ることになったのですが、それがベートーヴェンでした。いつしか恋仲になったのですが、ジュリエットにはガレンブルグ家から結婚の申し込みもありました。その頃ベートーヴェンは人前で弾くことがなく、父親はそれを理由に結婚を反対したので、ジュリエットはベートーヴェンが弾けることを証明しようとします。家には誰もいない、と嘘をついて、家にピアノを弾きに来させます。ジュリエットと父が陰からベートーヴェンを見ていると、彼はピアノに耳をつけて弾いていました。その最中にジュリエットが近づいても気づかず、肩に手を置かれて始めてジュリエットと父親の存在に気づいた彼は、「だました」と激怒します。父親は「耳が聞こえていない」とジュリエットに言い、彼女は翌日ガレンブルグ家に嫁いだのでした。
不滅の恋/ベートーヴェンのネタバレあらすじ:ヨハンナ
弟のカスパルは美しいヨハンナという女性と結婚したいと報告しますが、ベートーヴェンは彼女を侮辱します。弟に嫉妬しているかのようでした。ベートーヴェンはある日警察を引き連れて、カスパルとヨハンナの部屋へ押し入ります。結婚前の淫行罪で逮捕させようとしますが、彼らはすでに結婚後でした。
不滅の恋/ベートーヴェンのネタバレあらすじ:アンナ・マリー
シンドラーは手紙を元に、ハンガリーにいるアンナ・マリーに会いに行きます。アンナ・マリーは、ベートーヴェンの演奏会を聴きに行っていました。協奏曲の弾き振りをするベートーヴェンでしたが、耳が聞こえないのでオーケストラと合わず、聴衆から笑われます。その空間から彼を救ったのがアンナ・マリーでした。彼女は独身で子供が3人いましたが、ナポレオンのウィーン侵攻で息子を失います。ベートーヴェンと一緒に住み始めるも、彼は自分を愛していなかったと言います。シンドラーは、クロイツェルソナタ初演の練習中に、ベートーヴェンと出会い、秘書となりました。ある日ベートーヴェンは弟カスパルのところに楽譜を預けてある、と言い、彼の家へ乗り込みます。久々に会ったカスパルは病気で、ほどなく亡くなりました。そこから破滅の道へ歩き始め、カスパルとヨハンナの子供・カールをとりあげます。とても可愛がり、「エリーゼのために」をプレゼントしました。アンナ・マリーは、ベートーヴェンに「カールを甘やかしすぎだ」と忠告します。ヨハンナはカールを取り戻そうと裁判を起こしますが、ベートーヴェンは大物に手をまわし、親権は彼の物になりました。カールを音楽家にしようと熱心に育てますが、自身は作曲をしなくなりました。カールはシンドラーに会い、「ベートーヴェンが自分の演奏会を開こうとしている。助けてくれ」と頼みます。シンドラーとカールはベートーヴェンにお願いしに行きますが、彼はシンドラーを侮辱しました。嫌になったカールは拳銃を持ち出し、自殺しようとします。しかし未遂に終わり、ヨハンナの家に担ぎ込まれました。ベートーヴェンとシンドラーはヨハンナの家に行きますが、カールに絶縁宣言をされます。シンドラーは再びアンナ・マリーに不滅の恋人は誰だったか、聞きます。
不滅の恋/ベートーヴェンのネタバレあらすじ:不滅の恋人
シンドラーはヨハンナのところへ行き、筆跡を見せてくれ、と頼みました。その筆跡は、ホテルにあったものと同じでした。ヨハンナは、ベートーヴェンと犬猿の仲だったのにもかかわらず、交響曲第9番を聴きに劇場へ足を運びました。その音楽を聴いて、ヨハンナはベートーヴェンを許そうとし、彼を訪ねました。寝たきりのベートーヴェンは、「カールの後継人を実母へ渡す」という書類にサインをするよう、ヨハンナに言います。ヨハンナはかつてベートーヴェンに裏切られたと語りだしました。シンドラーは、遺書に挟まっていた手紙を渡します。ヨハンナは子供を身ごもり、ベートーヴェンにあなたの子だ、と告白します。その後にホテルで落ち合うことになった二人ですが、ヨハンナはお茶菓子のお盆にのっていた手紙に気づくことなく、ベートーヴェンは来ないのだ、と思い、ホテルを去ってしまったのです。シンドラーは遺書を渡して去り、窓際で泣くヨハンナを見ました。ヨハンナはその後、ベートーヴェンのお墓を訪れました。
以上、映画「不滅の恋/ベートーヴェン」のあらすじと結末でした。
ゲイリー•オールドマンは狂人を演じるのが本当に上手く映画全体を持って行ってしまうほどのエネルギーだといつも全編飽きることなく引き込まれてしまいます。彼は狂気の天才ミュージシャンを2回演じています。一回目はイギリスの伝説的パンクロッカーであるシド•ヴィシャス。ルックスもそっくりでまるでシド本人が乗り移ったかのようでしたが本作のベートーヴェンもまるで本人じゃないかと思うほどにはまっています。永遠の恋人に会いに行く馬車のシーンで「月光」が流れるシーンは美しかったです。