インファナル・アフェアの紹介:2002年香港映画。香港を舞台にしたクライムサスペンス映画シリーズ三部作の第1作です。共に警察学校を卒業した同期の二人が別々の人生を歩み、一人は潜入捜査官として裏社会に潜入、もう一人はマフィアに身を落として警察に潜入します。対照的な二人の生き様と苦悩が描かれます。アジアで大ヒットを記録、作品に惚れ込んだハリウッドがリメイク権を獲得し、話題となりました。
監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック 出演者:トニー・レオン(ヤン)、アンディ・ラウ(ラウ)、アンソニー・ウォン(ウォン警視)、エリック・ツァン(サム)、ケリー・チャン(ドクター・リー)ほか
映画「インファナル・アフェア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「インファナル・アフェア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「インファナル・アフェア」解説
この解説記事には映画「インファナル・アフェア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
インファナル・アフェアのネタバレあらすじ:起
1991年の香港。ストリートで育った青年ラウ(エディソン・チャン)は香港マフィアの一員となり、その優秀さに目を付けたボスのサム(エリック・ツァン)によりスパイとして警察学校に送り込まれます。同じ頃、警察学校で優秀な成績を収める青年ヤン(ショーン・ユー)はウォン警視(アンソニー・ウォン)に見初められ、表向き退学扱いとしてサムの組織に潜入捜査官として送り込まれます。それから10年後、ラウ(アンディ・ラウ)は警察内部で順調に出世を重ね、地位を利用して得た警察の内部情報をサムに提供していました。ラウは一方では婚約者マリー(サミー・チェン)との交際も順調でした。一方、過酷な潜入捜査の日々で心身ともに疲弊していたヤン(トニー・レオン)は、唯一の心の拠り所として女精神科医ドクター・リー(ケリー・チャン)を頼るようになっていました。ヤンはいつか警察に戻れる日を待ち望みながら、普段はサムの忠実な部下を装い、ウォンにモールス信号を通じて麻薬密売などの犯罪情報を流していました。
インファナル・アフェアのネタバレあらすじ:承
ある時、サムの組織がタイの麻薬組織と取引するという情報をヤンから得たウォン警視は大掛かりな摘発作戦を立案しますが、その情報はラウによって既にサムに筒抜けであり、取引は中止とされて摘発作戦は失敗に終わります。双方の内部に情報を漏洩した者がいることに気付いた警察とサムの組織はそれぞれ内通者探しを始め、サムは組織構成員全員に身分証明書類を書かせることでスパイを炙り出そうとし、ヤンは焦りを感じながらも書類に記入し、封筒に弟分から聞かれた、用心棒を示す「標」の漢字を書き込みました。ヤンはサムを尾行、とある映画館でサムが何者かに封筒を渡す現場を目撃しますが、その人物の正体を知ることに失敗します。一方、ラウはウォンにスパイ容疑を被せてビルの屋上に誘い出すと、待ち構えていたサムの手下らによってウォンは殺害され、ビルの屋上から投げ捨てられました。ヤンが警察の人間であることを知るのは唯一ウォンだけであり、警察に戻るすべを失ったヤンは呆然とするのみでした。
インファナル・アフェアのネタバレあらすじ:転
サムの組織は警官隊と銃撃戦になり、ヤンの兄弟分でもあった構成員キョン(チャップマン・トウ)が射殺されます。ラウはキョンを潜入捜査官に仕立て、ウォンの携帯電話からヤンに連絡を取ります。一方のヤンにとっては組織から逃れるチャンスであり、ラウもまたサムの組織を壊滅させることで自由の身となり、善人として再出発しようと考えていました。利害が一致した二人は連絡を取り合って計画を練り、サムを倉庫に誘き出して殺害します。組織は壊滅し、ラウはヤンを警察に戻すための手続きに取り掛かりますが、ヤンはラウの机に、以前自分が「標」の字を書き込んだ封筒を見つけたことから、ラウがサムのスパイだと確信してその場を逃げ出します。一方、ヤンに気付かれたと察知したラウは、ウォンの遺したパソコンからヤンの情報を削除し、ヤンが警察に戻る道を断ち切ってしまいます。
インファナル・アフェアの結末
ヤンはいつしか惹かれ合っていたドクター・リーに会い自らの正体を明かし、ラウの婚約者マリーにラウの正体をデータとして送ります。これがきっかけでマリーはラウの元を去り、ヤンは失意のラウをビルに呼び出します。ヤンはラウに手錠をかけて自らの身分回復を要求、一方のラウも善人の道を選ぶチャンスをくれと頼みますが、そこにラウの部下の警察官が踏み込んできました。ヤンはラウを人質に逃げようとしますが、警察官によって射殺されます。実はこの警察官の正体はサムが警察に送り込んでいたもう一人のスパイであり、自らの正体がバレることを恐れたラウは警察官を射殺します。その後、ドクター・リーがヤンの資料を発見したことによりヤンは死して身分を回復し、殉職者としてウォンの隣に葬られます。その葬儀の日、警官らと並んで墓前に敬礼を捧げるラウの姿がありました。
こちらをリメイクしたハリウッドバージョンが有名ですが、やはりこちらの方が渋くて悲哀が漂っていて香港ノワールの世界が楽しめます。
香港映画を見たのはこちらが初めてだったのですが、作り込まれたストーリーやシーンの見せ方、音楽など随所に男のかっこよさを感じさせてくれてぞくぞくしました。俳優さんたちの演技も素晴らしいです。