日本女侠伝 侠客芸者の紹介:1969年日本映画。藤純子主演「日本女侠伝」シリーズの一本。芸者にも人としての意地も誇りもある。博多芸者の心意気で悪徳炭鉱家と卑劣なやくざに抵抗する。相手役は高倉健。監督は『博奕打ち 総長賭博』等の山下耕作。藤純子の舞踊も楽しめる。
監督:山下耕作 出演者:藤純子(信次)、高倉健(島田清吉)、若山富三郎(坂田)、金子信雄(大須賀)、藤山寛美(豆六)、桜町弘子(粂八)、土田早苗(弥生)その他
映画「日本女侠伝 侠客芸者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「日本女侠伝 侠客芸者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
日本女侠伝 侠客芸者の予告編 動画
映画「日本女侠伝 侠客芸者」解説
この解説記事には映画「日本女侠伝 侠客芸者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
日本女侠伝 侠客芸者のネタバレあらすじ:新橋から博多へ
芸者の信次は宴席で酔って触ってくる陸軍大臣坂田の無礼を許さず頭を叩いてしまうが軍人たちに謝罪することを拒否する。そのために新橋を去った彼女は、明治末大正初めの炭鉱ブームに乗って好景気に沸く博多に移って売れっ子になる。博多名物馬賊芸者。彼女たちは客の所有物を勝手に質屋に入れて豪快に遊ばせるのだ。
ある日、たった10円しかもたずに一生の思い出に信次と遊びたいという三人の鉱夫が来る。金持ちとはいつでも遊べると言って信次は、手広く炭鉱を経営する大須賀の座敷は放っておき鉱夫の相手をする。足りない金は信次が出す。鉱夫を連れ帰りにきた、花田炭鉱を経営する島田と出会い、お互いにひかれあうものを感じる。
日本女侠伝 侠客芸者のネタバレあらすじ:炭鉱訪問
ある日信次は、女郎鈴江が恋人の幸太と逃亡するのに出くわして二人を助ける。三人が偶然逃げ込んだのは花田炭鉱の事務所。島田と再会する。幸太は炭鉱で引き受け、鈴江は信次のために働くことにする。
鈴江は萬場組に借財があったが、大須賀がこの事件の仲介に入り、大須賀の炭鉱の事務所で信次と萬場は手打ちをする。その時信次は大須賀の下で働く鉱夫がひどい扱いをされているのを目撃する。大須賀は萬場と組んであこぎな手段で他の会社を乗っ取り、九州全体の炭鉱を支配しようとしていた。最優良な炭鉱である花田炭鉱ももちろん彼は狙っている。
ついでに信次は花田炭鉱も訪れ島田と会い、鉱夫たちのために飯を作り、おてもやんを踊って見せた。
日本女侠伝 侠客芸者のネタバレあらすじ:陸軍大臣の歓迎会
陸軍大臣坂田が博多に来る。坂田は過去のふるまいを反省している。信次の心意気にほれ込む。彼を囲む宴席で全く酒の飲めない島田に大須賀は酒を飲ませようとする。島田を助けようと代わりにお猪口を出す信次に、大須賀は特大の盃になみなみと注いだ酒を飲ませる。後で酔いつぶれて寝てしまった信次を島田は介抱する。だが、翌朝、亡くなった社長のおかげで今でこそ堅気になって炭鉱を経営しているが、二つの前科がある流れ者の自分を好きになってはいけないと信次に島田は釘を刺す。
日本女侠伝 侠客芸者のネタバレあらすじ:花田炭鉱の危機
花田炭鉱の石炭が大須賀のさしがねで若松港から出荷されなくなる。信次は女学生で東京から帰省してきた花田炭鉱先代の遺児弥生と出会う。彼女が島田のいいなずけと知って失意の信次は、彼女なりに島田を助ける術を考える。大須賀の元を訪れ、大須賀の女になるのと引き換えに花田炭鉱の石炭が港から積み出されるようにするという話がまとまりかけたが、大須賀の家に島田が現れて「俺の惚れた女だ」と言って信次を連れ帰る。弥生が立派な婿を得て会社を任せられるようになったら自分はこの土地を去るつもりだと島田は信次に言う。
日本女侠伝 侠客芸者のネタバレあらすじ:芸者たちのストライキ
信次の姉貴分の粂八が大須賀を刺すという事件が起こる。かつて炭鉱を大須賀に乗っ取られることを苦にしてピストルで自殺した、彼女の旦那の河原の仇を討とうとしたのである。粂八に連帯して芸者たちは信次をリーダーに大須賀や萬場組のお座敷に出ることを拒否する。豆六ら太鼓持ちも同調する。再度博多に来た陸軍大臣坂田のとりなしで大須賀の方が頭を下げ、ストは芸者側の勝利に終わる。
若松港でも島田の熱意が通じ、花田炭鉱の石炭が積み出され始める。
日本女侠伝 侠客芸者の結末:悲しみをこらえて
萬場の手下が花田炭鉱の坑道でダイナマイトを爆発させる。この事件で三人の鉱夫が死んだが、一人は幸太だった。信次には島田が一人で復讐を果たす気であるのがわかる。「行かないで」と島田の肩に取りすがるが、島田を止めることはできなかった。
島田は殴り込みをかけ、萬場や大須賀を殺す。島田も事件現場から担架で運び出される。
鏡台に向かって次の座敷のための化粧を始めた信次の頬を涙がつたった。
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