ジュリアス・シーザーの紹介:1953年アメリカ映画。数度に渡って劇場版やテレビシリーズが制作された、ウィリアム・シェイクスピアの同名戯曲の1953年映画化版です。絶対的な権力を誇る古代ローマの支配者ジュリアス・シーザーと、彼の暗殺を狙う者たちの確執と権力闘争を描きます。
監督:ジョセフ・L・マンキーウィッツ 出演者:マーロン・ブランド(マーク・アントニー)、ルイス・カルハーン(ジュリアス・シーザー)、ジェームズ・メイスン(ブルータス)、ジョン・ギールグッド(カシアス)、エドモンド・オブライエン(カスカ)ほか
映画「ジュリアス・シーザー (1953年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ジュリアス・シーザー (1953年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ジュリアス・シーザー (1953年)」解説
この解説記事には映画「ジュリアス・シーザー (1953年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ジュリアス・シーザーのネタバレあらすじ:起
古代の共和制ローマの時代。紀元前44年、ポンペイとの戦いに勝利したローマの将軍ジュリアス・シーザー(ルイス・カルハーン)は民衆からの熱狂に迎えられて凱旋しました。しかし、終身独裁官に就任して独裁政治を敷き、絶対的な権力を振るうシーザーに反発を抱く者も少なくなく、ローマ上層部はシーザーに絶対的な忠誠を誓う陸軍隊長アントニー(マーロン・ブランド)ら賛同派と、シーザーに不満を持つ共和派のカシアス(ジョン・ギールグッド)やカスカ(エドモンド・オブライエン)の一派やポンペイなどシーザーに滅ぼされた勢力の残党などのシーザー反対派に分裂していました。その間には理想主義者といわれる中間派がおり、その代表格は哲学者カトーの娘婿にして民衆からの支持も厚いブルータス(ジェームズ・メイスン)がその中心となっていました。古代ローマの神々を讃えるルペルカリアの祭の日。競技場に向かうシーザーは、沿道にいた預言者から「3月15日に気をつけられよ」と忠告されましたが、シーザーは意に介さずそのまま競技場へ向かいました。
ジュリアス・シーザーのネタバレあらすじ:承
熱狂するローマ市民が競技場に押し寄せるなか、シーザーはアントニーから三度王冠を捧げられ、三度それを辞退しましたが、その光景を目の当たりにしたブルータスはシーザーが王冠を拒む素振りを見せながらも明らかにそれに惹かれているのを見てとり、危険なものを感じ取りました。ブルータスの人柄と高い人気を利用したいカシアスは言葉巧みに彼を味方に引き入れようと画策しました。折しもローマでは天変地異が相次いでおり、人々は不吉の前兆だとして恐れおののいていました。激しい雷雨が降り注ぐ3月14日の夜、カシアスやカスカら反シーザー派の主要人物はブルータスを説得するため彼の家に集まりました。再三の説得にようやく決意を固めたブルータスは、シーザー暗殺計画への賛同はあくまでもローマに自由を取り戻すためであり、アントニーの暗殺計画には反対しました。カシアスらが帰ったのち、ブルータスの妻ポーシャ(デボラ・カー)は物思いに沈む夫を心配そうに見つめていました。時を同じくして、シーザーの妻カルプルニア(グリア・ガースン)は不吉な悪夢にうなされていました。
ジュリアス・シーザーのネタバレあらすじ:転
そして預言者がシーザーに警告した3月15日当日。目覚めたカルプルニアはシーザーに今日は元老院へ行かないよう切願しましたが、シーザーは迎えの者から悪夢はむしろ吉兆だと言いくるめられ、元老院が自分を待っているとして予定通りに出発しました。議事堂に着いたシーザーは預言者を見つけるとからかうように当日が来たと告げ、預言者はまだ終わっていないと返しました。その数分後、シーザーにまずカスカが襲い掛かり、次々と反シーザー派が刃を振りかざし、最期はブルータスがとどめを刺しました。シーザーは「ブルータス、お前もか…」と言って絶命しました。カシアスは計画の成功に酔いしれましたが、シーザーを支持するローマ市民が数多く押し寄せ、ブルータスは民衆を前に演説を開いて事情を説明、シーザー暗殺は共和制ローマをその野心から守るためだったとあくまでも大義を主張して民衆の支持を得ました。しかし、続いて壇上に上がったアントニーはブルータスを讃える素振りを見せながらも、言葉巧みにシーザーの死を悼んで民衆を煽り立て、その真意に気付いた民衆らはアントニー側について暴動を起こしました。
ジュリアス・シーザーの結末
ブルータスはカシアスら首謀者と共に謀反者の烙印を押されて民衆の支持を失い、ローマはアントニーら親シーザー派によって統治されることとなりました。反シーザー派の間には亀裂が走り、一時期ブルータスはカシアスと対立しましたが、ブルータスの妻ポーシャが自殺したことから一転して和解、アントニーの軍勢と一戦を構える決断を下しました。ハイリポの戦いに臨んだブルータスは不安に怯えるカシアスを励ましましたが、決戦はアントニー軍の勝利に終わり、絶望したカシアスとブルータスは自らの命を絶ちました。ブルータスの亡骸の前に立ったアントニーは、ブルータスこそ最も高潔なローマ人だったと賛辞と追悼の言葉を贈りました。
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