帰って来たヨッパライの紹介:1968年日本映画。日本海で泳いでいた大学生の3人組の服が、泳いでいるうちに密航者の服とすり変えられていました。仕方なくその服を着て歩いていると、服の持ち主であった韓国軍人のイに会い、韓国人としてここで死んでもらうと銃を突き付けられ…という内容のフォーク・クルセイダーズ主演の風刺コメディ映画です。当時の朝鮮半島からの密航者や、韓国軍のベトナム戦争派兵と、日本における在日差別などをテーマにし、「帰ってきたヨッパライ」の歌詞通り死んでしまった3人を、タイムスリップしたかのように後半で蘇らせますが、幻覚とも取れる難解な部分もあります。
監督:大島渚 出演者:加藤和彦(大ノッポ)、北山修(中ノッポ)、はしだのりひこ(チビ)、緑魔子(ネエちゃん)、渡辺文雄(毒虫)、佐藤慶(イ)、小松方正(漁師)ほか
映画「帰って来たヨッパライ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「帰って来たヨッパライ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
帰って来たヨッパライの予告編 動画
映画「帰って来たヨッパライ」解説
この解説記事には映画「帰って来たヨッパライ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
帰って来たヨッパライのネタバレあらすじ:起
九州付近の日本海で大学生の悪友3人が泳いでいます。泳ぎ終わって戻ると、砂浜に置いてあった服が2着変わっていました。仕方なく着た中ノッポ(北山修)の服はハングル文字が書かれてあり、チビ(はしだのりひこ)が着た服は学生服でした。財布も学生証も亡くなり、代わりに1000円が置かれていました。
近くのタバコ屋に行って値段をごまかそうとすると、密航者に間違われ警察に通報されます。逃げ回る3人は漁師にも密航者に間違われ、銭湯に逃げ込みます。湯ぶねにつかっていると綺麗なネエちゃん(緑魔子)が「服を盗めばいいのよ」とささやきます。ネエちゃんに一目ぼれした中ノッポが「盗もう」と言って、二人は服を盗み夜道を歩いていました。
すると青年に「服を捨てましたね、拾ってきてください」呼び止められます。服を拾ってくると、銃を突き付けられ「服を着ろ、君たちはベトナム戦争を拒んだ韓国軍人のイ(佐藤慶)、日本の大学に通う留学生のキムとしてここで死んでもらう」と言われます。呼ばれない大ノッポ(加藤和彦)が「僕は?」と聞くと「君は後でどこかで日本人として死んでもらう」と言われました。
帰って来たヨッパライのネタバレあらすじ:承
隙をついてイを蹴り飛ばして3人は逃げます。しかし韓国の服を着ていたため警察に捕まり、韓国へ送還されることになります。プサンへ送られ、ベトナム戦争に行って殺される夢を見ていました。そこへネエちゃんがやって来て3人を助けます。
ネエちゃんは3人を韓国からの密航者だと思っていました。そしてネエちゃんの夫だという男のトラックの荷台に乗って、服を着替え東京へ向かう事になります。しかし後ろのトラックにはイとキムが乗っていました。イは中ノッポの学生所を出して検問を抜け、ネエちゃんらを連れ東京行の列車に乗り込みます。
ネエちゃんを助けようと3人は切符無しで列車に乗り込みますが、車掌が巡回してきてトイレに隠れます。するとイがトイレの扉に数発発砲して「服を着替えろ」と行って、2人は韓国の服に着替えます。
イはネエちゃんと夫、そして3人を連れ山の上にやって来ます。イはネエチャンの夫に、中ノッポとチビのこめかみに銃を突きつけさせ「殺せ」と命じます。するとネエちゃんが「この人達は韓国人だ」と言うと、3人も「僕らは韓国人だ、日本人はあいつらだ」とイとキムを指さします。夫は韓国人は殺せないと言いました。
帰って来たヨッパライのネタバレあらすじ:転
暗みの中で銃声が響き、3人は再び日本海で泳いでいました。タイムスリップしたようで、同じ状況になっています。3人とも出来事を覚えていたため、同じようにタバコ屋に寄ってみます。タバコ屋の婆さんの話すことが同じだったため、先手を取って煙草を買います。
そして漁師にも先手をとり、銭湯でネエちゃんを待ちます。やがてネエちゃんが「服を盗めばいいのよ」と言い、3人は服を着替えて銭湯をでます。ネエちゃんに付いて行くという中ノッポでしたが、ネエちゃんが反対の方向に行ったためあきらめ、元の方向へ行きます。するとイとキムがやって来て同じことを言います。
3人はイのこれから言う言葉を先に話し、イを戸惑わせます。そして「僕たちは韓国人なんだ」とイに話していると、ネエちゃんと夫がやって来ます。ネエちゃんが「この人たちは韓国人密航者だ」と言った事で、7人は一軒家で一晩泊まって、東京に行くことになります。
部屋ではネエちゃんと夫がSEXを始めます。終わると夫が、イから金をもらい、ネエちゃんをイの布団へ向かわせます。これを見た3人は夫を毒虫(渡辺文雄)だと呼びはじめました。
帰って来たヨッパライの結末
トラックの荷台に乗って走っていると、助手席にいたイが銃を持って荷台に乗り込んできて殺そうとします。もみあいになり、イの銃を奪うと、イとキムはトラックを乗り捨て、逃げ出します。
中ノッポが、イの銃で二人を狙い何発も発砲すると二人は倒れます。そして後ろを走っていた毒虫も射殺します。驚いたネエちゃんは「韓国人は韓国人を殺さない。あなたたちは韓国人じゃない。今度会うときは敵だ」と言って立ち去りました。
3人は東京行の列車に乗ります。シートには殺したはずの毒虫が正装してネエちゃんと座っていました。3人は「殺したはずなのに、今度会うときは敵だと言ってましたよね」とネエちゃんに言いますが、ネエちゃんは反応しませんでした。
「おかしいなあ?トイレに入ろう」と言ってトイレに入ると、殺したはずのイが発砲してきます。再びイの言うとおり服を着替えていると、イとキムは警察に連行されました。列車から降ろされたイとキムはこめかみを撃たれ射殺されます。この様子を3人は走り出した列車の窓から見ていました。
以上、映画「帰って来たヨッパライ」のあらすじと結末でした。
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