それだけが、僕の世界の紹介:2018年韓国映画。『王の涙 イ・サンの決断』で脚本を手掛けたチェ・ソンヒョンが監督を務め、ハリウッドでも活躍するイ・ビョンホンを主演に迎えて製作したヒューマンドラマです。落ちぶれた孤独な元プロボクサーの兄と、サヴァン症候群を患う弟の再会と兄弟の絆を描きます。
監督:チェ・ソンヒョン 出演者:イ・ビョンホン(キム・ジョハ)、パク・ジョンミン(オ・ジンテ)、ユン・ヨジョン(ジュ・インスク)、ハン・ジミン(ハン・ガユル)、チェ・リ(スジョン)、キム・ソンリョン(ホン社長)ほか
映画「それだけが、僕の世界」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「それだけが、僕の世界」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
それだけが、僕の世界の予告編 動画
映画「それだけが、僕の世界」解説
この解説記事には映画「それだけが、僕の世界」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
それだけが、僕の世界のネタバレあらすじ:起
キム・ジョハ(イ・ビョンホン)はかつてWBCウェルター級東洋チャンピオンにまで上り詰めたプロボクサーですが、40歳になった今ではすっかり落ちぶれてしまい、若手相手のスパーリングやチラシ配りなどで日銭を稼いではネットカフェで寝泊まりする日々を過ごしていました。
ジョハの母インスク(ユン・ヨジョン)は、ジョハが中学生の時に酒癖の悪い父の暴力に耐え切れずに家を出てしまい、その後父は刑務所に入ったためジョハはそれ以来孤独に生きてきたのです。
そんなある日、ジョハはアルバイト先のボクシングジムでトラブルを起こして追い出されてしまい、食堂に立ち入ったところ、何とそこではインスクが働いていました。17年ぶりに再会を果たしたジョハとインスクでしたが、ジョハは足早に店を立ち去ろうとしました。それでもインスクはジョハを引き留めて色々語り出しました。
その日、つい深酒したジョハは猛スピードで走ってきた車に撥ねられてしまいました。病院で目覚めたジョハは、看護師から体だけは丈夫なことを驚かれました。それから程なくして、退院したジョハは迎えの車で豪邸へ招かれ、自分を撥ねたと思わしき人物の母親と対面しました。
どうやら金目当ての当たり屋と思われているジョハは「刑務所送りにせず食事まで出したんだから感謝しなさい」と言われ、「俺はただのボクサーだ」と言い放って豪邸を立ち去りました。
その後、ビラ配りのバイトをしていたジョハの元に再びインスクが現れ、一緒に暮らそうと呼びかけてきました。行くあてのなかったジョハは仕方なくインスクの家に行くと、そこには初めて会う弟のジンテ(パク・ジョンミン)がいました。
それだけが、僕の世界のネタバレあらすじ:承
ジンテはサヴァン症候群を患っており、他者との意思疎通を苦手としていましたが、音楽の才能に非常に秀でていました。
ジムを出入り禁止になったジョハは知人のツテで総合格闘技のスパーリング相手のバイトを得ましたが、相手の蹴りをくらって失神してしまい、自信を失ってしまいます。ジョハが帰宅すると、ジンテは大家のホン社長(キム・ソンリョン)の娘スジョン(チェ・リ)と格闘ゲームをしていました。ジンテとのゲームにも負けたジョハは苛立って出て行き、路上でチラシを配っていると、以前自分を車で撥ねた女性ハン・ガユル(ハン・ジミン)に声をかけられました。
ガユルはジョハを撥ねてしまったこと、母が無礼な態度を取ったことを謝罪して200万ウォンの大金を用意してきました。ジョハはガユルの足が義足であることを知って戸惑いますが、結局は200万ウォンを受け取ることにしました。その夜、知人と飲みに行ったジョハは自分を捨てたインスクを今でも恨んでいると語りましたが、知人はインスクは夫に暴力を受け続けて辛かったんだろうとたしなめました。
翌日、ジョハはジンテを福祉館に連れて行くことになりましたが、ジンテは突然バスの中でトイレがしたいと言い出しました。慌てたジョハはジンテをバスから降ろしましたが、ジンテはマンションの駐車場の敷地内に入っていくとそこで大便をしてしまい、警察の世話になってしまいました。その頃、インスクは病院で診察結果を受けていました。
それだけが、僕の世界のネタバレあらすじ:転
ある日、ジョハはかつての先輩がカナダで道場を開いていることを知り、自らもカナダで再出発しようと考えましたが、それには元手が必要でした。
そんな時、ジョハはインスクから1ヶ月ほど釜山に出稼ぎに行くと言われ、その間ジンテの面倒を見ることを言いつけられると、そしてジンテを独り立ちさせるためにピアノコンクールに出場させようかという相談を受けました。ピアノコンクールの優勝賞金は500万ウォンであり、半分あげると言われたジョハは引き受けることにしました。
ジョハは公園で不良に絡まれているジンテとスジョンを助け、ジンテにボクシングを教えることにしました。そしてインスクが釜山に行く前日、ジョハ、ジンテ、インスクは初めて三人で家族写真を撮り、インスクはジョハにかつて自分を捨てたことを謝罪すると改めてジンテのことを託しました。
やがてインスクは出発し、ジョハはジンテを「ピアノばかり弾いていないで働け」とチラシ配りのバイトに連れ出して手伝わせましたが、目を離した隙にジンテはその場からいなくなり、気が付くとジンテは公園にあるピアノを弾いており、多くの人々を魅了していました。
ジンテはスマホの動画で曲を覚えたのだといい、そのピアニストとは何とガユルだったのです。ジョハはジンテを連れてガユルの元を訪れましたが、ガユルは事故で片足を失ってからというもの全くピアノを弾いていないということでした。しかし、ピアノを目にしたジンテは早速弾き始め、音色につられたガユルも一緒になって弾き始めました。
その後、ジンテはピアノコンクールに参加しましたが結果は落選でした。見に来ていたガユルは審査員に落選の理由を尋ねると、ジンテのピアノは全てにおいてガユルと同じであり創意工夫がないと告げられました。それから程なくしてインスクが「忘れ物を取りに来た」と戻ってきました。インスクの髪の毛が異常に少なくなっていることに気付いたジョハは不審に思い、インスクの職場やホン社長に事情を尋ねると、インスクが釜山に行ったというのは嘘であり、彼女は既に病に侵されていることを知りました。
ジョハは意を決して服役中の父と面会しましたが、父は全く反省の態度がないどころかジンテをバカにする発言をし、激怒したジョハは親子の縁を切ると告げて「二度とここから出てくるな。出所したら俺と母を殴ってきた分の仕返しをしてやる」と言い放ちました。
それだけが、僕の世界の結末
ジンテの才能を高く評価し、ガユルがジンテの影響で再びピアノを弾き始めたことに安堵したガユルの母は先日のピアノコンクールの審査員に圧力をかけ、次の公演ではジンテを特別賞受賞者として演奏させるよう要求しました。
一方、ジョハは入院中のインスクを見舞いに訪れ、これからカナダに旅立つことを告げました。インスクは「ジンテを見てくれる人がいたら思い残すことない。私を憎んでもジンテだけは憎まないで。もし生まれ変わったら今度はあんたのために生きるから」と涙を流しながら語りましたが、ジョハは二度とカナダから戻らないと告げて病室を後にしました。病室には先日三人で撮った家族写真が飾られていました。
空港に着いたジョハは、テレビのニュースでジンテが特別賞受賞者として演奏することを知りました。ジョハは病院に戻るとインスクを連れ出して会場に向かいました。会場にはガユルの姿もあり、ジンテは大観衆の見守るなかで見事なピアノ演奏を披露して観客たちを魅了しました。それから程なくして、インスクは思い残すことがないかのようにこの世を去りました。
インスクの葬儀を終えたジョハはジンテの姿がないことに気付き、探して回っていると、ジンテはあの時と同じように公園に設置されたピアノを弾いていました。ジョハはジンテの手を取って歩き出しました。
以上、映画「それだけが、僕の世界」のあらすじと結末でした。
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