鬼畜の紹介:1978年日本映画。推理小説の大家、松本清張の同名小説を映画化した作品です。善良で気の弱い男が隠し子を押し付けられたことで追い詰められ、非道な行為に走っていく様がスリリングに描かれた人間ドラマです。
監督:野村芳太郎 出演:緒形拳(竹下宗吉)、岩下志麻(お梅)、大滝秀治(銀行貸付係)、加藤嘉(医師)、田中邦衛(パトカーの警官)、蟹江敬三(阿久津)、穂積隆信(ブローカーの水口)、大竹しのぶ(婦人警官)、ほか
映画「鬼畜」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「鬼畜」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
鬼畜の予告編 動画
映画「鬼畜」解説
この解説記事には映画「鬼畜」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
鬼畜のネタバレあらすじ:起
夏のある日、三人の小さな子供を連れた女が小さな印刷所を訊ねてきます。女の名は菊代、印刷所を経営する竹下宗吉の愛人であり、生活費に困って宗吉を頼ってきたのでした。夫に囲っている愛人と隠し子がいたことを知らなかった妻のお梅は激怒します。気の小さな宗吉は二人の女に挟まれて、ただ萎縮するばかりなのでした。はっきりしない宗吉の態度に業を煮やした菊代は、寝ている子供達を残して出ていってしまいます。
鬼畜のネタバレあらすじ:承
翌日子供達を連れ、菊代の住まいを訪れた宗吉でしたが、菊代はすでに引っ越した後でした。宗吉は仕方なく、子供達を引き取り世話をすることにします。しかしお梅は子供達の面倒を見ないばかりか、菊代に似た子供たちを事あるごとに激しく折檻しはじめるのでした。宗吉は仕事の合間を縫って子供達の世話をしますが、次男の庄二は体調を壊して衰弱していきます。ある夜出先から宗吉が戻ると、庄二は消化不良を起こして衰弱死しているのでした。
鬼畜のネタバレあらすじ:転
厄介者が一人いなくなったと平然と言いのけるお梅に、宗吉は恐怖を感じます。そして庄二はお梅に殺されたのではないかと思うようになるのでした。菊代の行方は依然としてわからず、追い詰められた宗吉は、遊びに連れ出した長女の良子を置き去りにしてしまいます。そして今度は長男の存在が邪魔になった夫婦は、利一を殺害しようと考えはじめます。宗吉は利一に青酸カリ入りのパンを食べさせようとしますが、失敗に終わります。お梅は利一を遠くの海へ突き落してくるように宗吉をそそのかすのでした。宗吉は利一を福井県の東尋坊へと連れ出します。その夜旅館へと泊まった二人は、親子水入らずの時間を楽しみます。そしてあくる日宗吉と利一は人気のない海岸へと遊びにやってきます。日暮れ時になり、利一はすっかり遊び疲れて寝てしまいます。宗吉は利一を断崖の海へと突き落とすと、逃げるようにその場を去っていくのでした。
鬼畜の結末
利一は奇跡的に一命を取り留め、保護されます。警察から事情を聞かれる利一でしたが、宗吉のことをかばって黙秘し続けるのでした。しかし利一の所持品から宗吉の印刷所が割り出されると、宗吉は殺人未遂の容疑で逮捕されます。宗吉と面会した利一は、決して宗吉を父親と認めず、頑なに知らない人だと言い張ります。己の犯した罪の深さに気づいた宗吉は、泣きながら利一に許しを請うのでした。帰る家を失った利一は母親の帰りを待ちながら、施設に預けられることになるのでした。
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