蘇える金狼の紹介:1979年日本映画。東和油脂の社員である、朝倉哲也。彼は大きな野望を持っていた。朝倉は多くの人々を巻き込み、次々と自らの欲望を満たしていく。果たして、朝倉は野望を果たすことができるのか。
監督:村川透 出演:松田優作(朝倉哲也)、風吹ジュン(永井京子)、佐藤慶(清水)、成田三樹夫(小泉)、小池朝雄(金子)、草薙幸二郎(竹島)、ほか
映画「蘇える金狼」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「蘇える金狼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
蘇える金狼の予告編 動画
映画「蘇える金狼」解説
この解説記事には映画「蘇える金狼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
蘇える金狼のネタバレあらすじ:起
大企業である東和油脂の社員、朝倉哲也(松田優作)には大きな野望があった。それは東和油脂を乗っ取り、大量の現金を手に入れる事である。朝倉は、会社では地味で真面目な性格を装っているが、本性は、自らの野望の為には、殺害も辞さない残忍な性格の人間であった。
蘇える金狼のネタバレあらすじ:承
朝倉は大量の現金を手に入れる為に銀行の現金運搬人を襲い、持っていた1億円の現金を奪う事に成功する。しかし、奪った現金の紙幣番号が全て銀行に記録されていた為に使用する事ができなくなっていた。その為に、朝倉は奪った現金を一度麻薬に変えることを考える。街のチンピラから、麻薬の元締めである磯川の存在を聞きだした朝倉は磯川と取引をし、大量の麻薬を手に入れる。次に朝倉は会社の上司である小泉の愛人、永井京子に目をつける。朝倉は京子に麻薬を使い自分の物にし、会社へのスパイをさせる。
蘇える金狼のネタバレあらすじ:転
そんな中、東亜経済研究所の鈴木光明の甥、桜井光彦が朝倉の上司である金子を女関係で脅し始める。金子は殺し屋を雇い、桜井を何とか殺害するものの今度は、殺し屋達が金子や会社を脅し始める。会社を乗っ取るチャンスを得た朝倉は、自らを会社に売り込み、重役たちと取引をし、殺し屋達を殺害する事に成功する。しかし、今度は会社が朝倉を裏切り、朝倉は殺害されそうになるが返り討ちにし、今度は会社の重役達を朝倉が脅し始める。そして、朝倉は重役達から東和油脂の株、200万株を手に入れる。更に社長令嬢とも付き合いはじめ、スポーツカーまで手に入れるだけではなく鈴木光明から東和油脂の200万株の買い取りを希望され、朝倉はそれをのむ。
蘇える金狼の結末
京子と共に、海外への逃亡を考えていた朝倉であったが海外逃亡の当日に朝倉の正体に気付いた京子に呼び出され、朝倉は京子に刺されてしまう。朝倉は京子を殺害し、重傷を負いながらも京子と共に乗るはずだった、飛行機に乗り込んだが朝倉の異変に気付いたスチューワデスの問いかけに、一言二言を返したのち、朝倉は息が絶えるのだった。
「蘇える金狼」感想・レビュー
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古臭い、笑えるとつぶやきつつ、つい引っ張られて観てしまう。
村川透監督の「蘇る金狼」はそんな映画だ。1979年の公開だから、描かれる風俗が古臭いのは仕方がない。
大藪春彦の原作も、劇画的な展開が顕著な一気読み小説だった。話は典型的なピカレスクロマンだ。主人公の朝倉(松田優作)は、東和油脂の経理部に勤めている。
七三分けの長髪と黒縁の眼鏡。だが、夜の朝倉は狼だ。
ジムでサンドバッグを叩く彼の上半身には、見事な筋肉が盛り上がっている。朝倉は銀行から輸送中の現金を奪い、金を麻薬に換え、麻薬を使って女を操り、甘い汁を吸いたい放題の会社中枢部へにじり寄って行く。
つまり、この映画は悪党のオンパレードだ。悪には悪を、毒には毒を。
法も正義も介入しない伏魔殿で、社長(佐藤慶)や部長(成田三樹夫)や次長(小池朝雄)や議員(南原宏治)や強請屋(千葉真一)や私立探偵(岸田森)らが果てしない暗闘を繰り広げる。
まるで怪優たちのオールスター・ゲームではないか。
そして、饗宴の中心で強力な磁力を放つのが、松田優作だ。
団塊の世代に属する日本映画の俳優で、運動神経や身体能力に彼ほど自覚的な人はいなかった。だからこそ、優作の「狂気芝居」は、きわどく成立する。
東京湾第二海堡で撮影されたアクション・シーンの速さは、優作の動きと、カメラマンの仙元誠三の力量に負うところが大きいと思う。
松田優作は、やっぱりハードボイルドな役が似合います。
最後の死ぬシーンは圧巻でした。