黒い画集 あるサラリーマンの証言の紹介:1960年日本映画。松本清張の短編小説「証言」に基づくサスペンス・ドラマの秀作。「砂の器」「張込み」と並ぶ清張原作の映画の代表作であり、キネマ旬報ベスト・テンでは2位にランクイン。清張作品の常連スタッフである橋本忍がシナリオを担当している。
監督:堀川弘通 出演:小林桂樹(石野貞一郎)、原知佐子(梅谷千恵子)、江原達怡(大学生・松崎)、小池朝雄(チンピラ)ほか
映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」解説
この解説記事には映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
黒い画集 あるサラリーマンの証言のネタバレあらすじ:起
時は昭和34年。主人公の石野貞一郎は、東和毛織株式会社という中堅企業に務める会社員。管財課の課長という地位にあり、妻と2人の子供とともに郊外の持ち家に住み、毎日丸の内のオフィスに通っています。一見堅実そのもののサラリーマンである石野ですが、実はある秘密がありました。同じ管財課の女事務員梅谷千恵子と不倫の関係にあり、密かに彼女の大久保のアパートに通っているのです。
黒い画集 あるサラリーマンの証言のネタバレあらすじ:承
12月14日、退社後にいつものようにアパートを訪れた石野は情事を終えた後、大久保駅まで歩いてゆきました。そして、その途中で自宅の裏手に住む杉山孝三と出会います。お互い、ただ頭を下げるだけで行き過ぎましたが、不倫の負い目のある石野はそれを気に病みます。やがて、その出会いが石野の悲劇のキッカケとなるのです。
しばらくは何事もなく過ぎましたが、2週間後、石野に話を聞くため、会社に刑事がやってきます。向島で若妻が殺される事件が起こり、その容疑者として杉山孝三が逮捕されたのです。彼はアリバイとして、「大久保で石野と偶然会った」と述べていました。下手に事実通りの証言をすると自分の浮気がバレると考えた石野は、杉山の言葉を否定。そして裁判の結果、杉山は死刑の判決を受けます。
黒い画集 あるサラリーマンの証言のネタバレあらすじ:転
寝覚めの悪い石野は、愛人の千代子に縁談話が持ち上がった事をきっかけにその関係を清算。ようやく平穏な生活を取り戻します。しかし、それは長く続きませんでした。ある大学生が彼らの愛人関係を偶然知り、石野を脅迫してきたのです。石野は仕方なくその脅迫に応じ、金を渡すことにします。その金の受け渡し場所はあるアパートの部屋でしたが、その大学生は賭け麻雀の借金でトラブルを抱えており、そのためあるチンピラと喧嘩となり、その部屋でナイフで刺され、殺されてしまいます。ちょうどその殺人の直後に金を持って部屋へやってきた石野は死体を見て仰天。そのまま逃げ出します。
黒い画集 あるサラリーマンの証言の結末
捜査が始まり、大学生の友人の証言から石野が容疑者として拘束されます。やってもいない殺人の容疑者とされるのは、石野にとって皮肉でした。まるで嘘の証言をした天罰のようです。取り調べによって千代子の事や偽証の事も暴露され、それはマスコミの格好のネタとされます。やがて真犯人のチンピラが捕まり、石野の無罪は証明されますが、もはやその社会的地位は失われていました。
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