ラ・ブームの紹介:1980年フランス映画。10代の少女の淡い恋物語を描いた青春ロマンス作品。13歳のヴィックは、初めて参加した「ブーム(パーティー)」で同じ学校の少年マチューと親密な仲になった。初めての恋に夢中になるヴィックだが、父の浮気が発覚し両親は別居状態に。その上マチューにも浮気疑惑が持ち上がり、ヴィックの心は激しくかき乱されていく。ソフィー・マルソーのデビュー作であり、公開当時フランスで社会現象を巻き起こしたヒット作。主題歌「愛のファンタジー」も話題を呼んだ。
監督:クロード・ピノトー 出演者:ソフィー・マルソー(ヴィック・ベレトン)、ブリジット・フォッセー(フランソワーズ・ベレトン)、クロード・ブラッスール(フランソワ・ベレトン)、ドニーズ・グレイ(プペット・ヴァラディエ)、リシャール・ボーランジェ(アントワーヌ)ほか
映画「ラ・ブーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラ・ブーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラ・ブームの予告編 動画
映画「ラ・ブーム」解説
この解説記事には映画「ラ・ブーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラ・ブームのネタバレあらすじ:初のブーム
舞台はフランス、10月のパリ。夏のヴァカンスが終わったばかりの子ども達は、新学期に期待と不安を募らせていました。13歳の少女ヴィック・ベレトンも例外ではありません。ヴィックの父フランソワは歯科医、母フランソワーズは漫画家を志すイラストレーターです。母方の曾祖母プペット・ヴァラディエはハープ奏者で、恋のテクニックを教えてくれる頼もしい存在でもありました。新生活にも慣れてきた冬、ヴィックの関心は専ら若者が自宅で開くパーティー「ブーム」です。参加してみたくて仕方のないヴィックですが、なかなか積極的になれず誘って貰えるのを待っていました。やっと週末のブームに誘われたヴィックは大喜びしますが、両親はまだ早いのではないかと良い顔をしません。蔑ろにされていると感じたヴィックは泣き出し、怒って部屋に篭ってしまいました。何とか両親から許しを貰ったヴィックは少し怖気づきながらもブームに参加します。そこでマチューという少年に出会い、うっとりしながらチークダンスを楽しみました。初めての恋を自覚したヴィックはマチューにどんどん夢中になっていきます。
ラ・ブームのネタバレあらすじ:綻び始めた家族
とある土曜日。ヴィックは母方の祖父の誕生日を祝うため、フランソワーズやプペットと一緒に出かけました。フランソワは麻酔学の学会のため遅れると言っていましたが、これが実は真っ赤な嘘。以前関係を持っていた浮気相手に迫られ、一夜限りと約束して彼女に会いに行っていたのです。雑なアリバイ工作の末、足を骨折したと嘘をついたフランソワ。一方のフランソワーズは、念願の漫画の仕事を勝ち取り大喜びしていました。ヴィックは皆で映画を観に行き、マチューとこっそりキスを交わします。プペットの協力でマチューの写真を手に入れたヴィックは、幸せの絶頂にいました。ヴィックが前々から予定していたスキー教室のツアーに出かけると、フランソワーズは更に献身的にフランソワを支えようとします。罪悪感に耐えられなくなったフランソワはついに真実を洗いざらい白状しました。フランソワーズは酷く傷つき、ヴィックが帰って来たタイミングで夫婦は別居することにします。
ラ・ブームのネタバレあらすじ:それぞれの恋路
フランソワが追い出されるように家を出た後、ヴィックには別の悩みが出来ていました。マチューの浮気疑惑です。彼が別の少女とディスコに出入りしていると聞いたヴィックは、居ても立ってもいられず夜中にこっそり家を抜け出しました。そして現場を目撃したヴィックは腹を立て、連れ戻しに来たフランソワに抱きつき見せつけるように熱烈なキスをしてしまいます。まさか相手が父親だと思ってもみないマチューは、その光景に強いショックを受けました。一方のフランソワーズは、ヴィックのドイツ語教師エリック・レマンと急接近していました。学校の面談で出会って以来、レマンは熱心にフランソワーズを口説いています。ある夜、フランソワーズを自宅に送り届けたレマンの車を、近くにいたフランソワが追いかけました。そして強盗に車を奪われそうになっているレマンを助け、フランソワーズに手を出すなと殴ってしまいます。翌日、当事者が鉢合わせてしまったことでフランソワ、マチュー、レマンが学校近くで乱闘騒ぎを起こしました。駆けつけたヴィックからそれぞれの関係性を聞いた3人は気まずい思いをします。しかしヴィックは、フランソワを殴ったマチューの男らしさに惚れ直してしまいました。
ラ・ブームのネタバレあらすじ:すれ違い
ホテルで実習を受けるためマチューがカブールへ行っている間、ヴィックは寂しくて仕方ありません。それを知ったプペットはヴィックを連れ出し、マチューが実習中のホテルに向かいました。マチューを電話で呼び出したヴィックは、2人きりの時間を楽しみます。しかし自分より仕事を優先するマチューに腹を立て、部屋に帰ってしまいました。ちょうどその頃、両親も諍いを起こしついにフランソワーズはレマンと関係を持ってしまいます。翌日、フランソワーズが妊娠2ヶ月目だと知ったプペットがお祝いにやって来ました。しかし決定的な亀裂の入ったベレトン夫妻は喜ばず、フランソワーズは荒々しく出て行ってしまいます。フランソワはショックと怒りのままプペットに八つ当たりしました。僅かに傷ついた顔をしたプペットは、赤ん坊の存在がフランソワーズを取り戻す最後のチャンスだと優しく諭します。
ラ・ブームの結末:それぞれの選択
ヴィックは14歳の誕生日にブームを開くことにしました。フランソワーズはレマンと1週間アフリカを旅行する予定です。仲直りのためヴェニスに誘おうとしていたフランソワはそれを聞き、肩を落として彼女を空港まで送っていきました。失意の中「いい旅を」と告げ去るフランソワ。フランソワーズは搭乗口まで行ったものの、迷いもあって引き返してしまいました。重い気分のままタクシーに乗っていると、レストランで1人寂しく食事をしているフランソワを見つけます。そこは昔、ヴィックを妊娠したと告げたレストランでした。入店し、驚いてこちらを見上げるフランソワにフランソワーズは笑顔を見せます。一方、ブームにはようやくマチューが現れました。カブール以来会っていなかったヴィックは大喜びし、すぐにチークダンスを踊ります。その最中、ヴィックは見知らぬ少年と目が合いました。不思議と惹かれ合う2人は次の曲で自然にペアを組みます。ヴィックがどこか恍惚とした表情で少年と踊り出し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ラ・ブーム」のあらすじと結末でした。
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