パリ・オペラ座のすべての紹介:2009年フランス映画。世界一を誇るパリ・オペラ座バレエ団。新しいシーズンに向け、古今様々な演目を準備する団員達と、彼らを支えるスタッフに迫る。
監督:フレデリック・ワイズマン 出演者:ニコラ・ル・リッシュ、マチュー・ガニオ、マリ=アニエス・ジロ、エミリー・コゼット、オーレリ・デュポン、アニエス・ルテステュ、クレールマリ・オスタ、カデル・ベラルビ、レティシア・プジョル、ジェレミー・ベランガール、マニュエル・ルグリ、ジョゼ・マルティネズ、ウィルフリード・ロモリ
映画「パリ・オペラ座のすべて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パリ・オペラ座のすべて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パリ・オペラ座のすべての予告編 動画
映画「パリ・オペラ座のすべて」解説
この解説記事には映画「パリ・オペラ座のすべて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パリ・オペラ座のすべてのネタバレあらすじ:起・練習場で
パリ・オペラ座バレエ団の各練習室では、基礎のバーレッスンから、ペア、コール・ド、講師陣による細かい演技指導が行われている。講師同士が意見を交わす事もあれば、ダンサーと話し合う事もある。
演目はクラシックからコンテンポラリーまで、幅広い。また、一人で練習に没頭する者もいる。
パリ・オペラ座のすべてのネタバレあらすじ:承・芸術監督と経営陣
事務局ではシーズンの演目や海外のバレエ団や講演者との交流、PR、新しい振付師のダンサー選考手配等、事務の仕事が山積み。外部との交渉事はもちろん、所属するダンサーの仕事量の調整なども行われる。
公演のために衣装製作室では、時には布の染色から始まり、ミシンや手縫いで細かい装飾に至るまで、丁寧に衣装が作られていく。そんな彼らを支えている食堂では、毎日豊富なメニューの料理が用意されている。
パリ・オペラ座のすべてのネタバレあらすじ:転・ダンサーと言う職業
最近の若いダンサーはコンテンポラリーのクラスに参加する者が少ない。新しい技術を吸収できる場が用意されているというのに、新しい事を学ぶのを怖がっている。
パリ・オペラ座ではダンサーは古典にもコンテンポラリーにも対応できるように育てたいという方針があるので、指導者たちには解決しなければならない課題だった。パリ・オペラ座の土台は、バレエ学校で常に最高レベルを目指している。
また、ダンサーになると定年は40才で、年金が給付される。それはダンサーという職業の特殊性もあるが、世界最高峰のバレエ団として今まで積み重ねてきた功績の上に成り立っている。各ダンサーにはその歴史を自覚し、バレエ団の高い質の維持がもとめられる。バレエ団の質が落ちれば、ダンサー達の引退後の地位もなくなってしまうからだ。
パリ・オペラ座のすべての結末:シーズンの幕開け
舞台稽古や、衣装稽古を経て、各演目は完成していく。オーケストラとのリハーサルや、舞台照明の確認も本番さながらに行われる。床は磨かれ、席が整えられ、観客を迎える準備は着々と進む。
事務局では、若いダンサーに仕事量の調整を求めて来たダンサーから外された役が回された。怖がらずにこのチャンスを生かして、前向きに向上して、自分の殻を破って欲しいと芸術監督は若いダンサーにプログラムを渡した。演目はこのようにして踊り継がれていく。コンテンポラリーもリスクを承知しつつ常に挑戦している。
シーズンの始め、出来上がった衣装が製作室から運び出され、ダンサーの元へ届けられる。古典的な演目から実験的な演目まで、パリ・オペラ座は常に進化し続ける。
以上、映画「パリ・オペラ座のすべて」のあらすじと結末でした。
パリ・オペラ座のすべてのレビュー・考察:最高峰であり続けるために
華やかなバレエの舞台の裏側では、計り知れないほどの努力がなされている事は、おそらくどこのバレエ団にも言える事だと思う。その中でも、とりわけパリ・オペラ座が最高峰であり続けるのは、その努力に裏付けされたプライドがあるからだと思う。それでも若手のコンテンポラリー離れへの対処や、エトワールの負う役の量の調整、新人へのフォロー等、芸術監督や裏方の仕事は常に山積み状態になっている。それこそが、ダンサーたちが舞台に向けての練習や踊る事に集中できる環境づくりに他ならず、それがあるからこそ、ダンサーたちはその質を落とすことなくパリ・オペラ座の名を背負って踊ることができるのだと思う。
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