橋の上の娘の紹介:1999年フランス映画。曲芸師ガボールはナイフ投げの的にするため自殺志願者を探していた。そしてツキのない女、アデルに出会う。的としての才能を開花させていく彼女には困った癖があった。
監督:パトリス・ルコント 出演:ヴァネッサ・パラディ、ダニエル・オートゥイユ、ニコラ・ドナト、イザベル・プティ=ジャック、ナターシャ・ソリニャック、イザベル・スパッド、ほか
映画「橋の上の娘」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「橋の上の娘」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「橋の上の娘」の予告編 動画
映画「橋の上の娘」解説
この解説記事には映画「橋の上の娘」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「橋の上の娘」のネタバレあらすじ:起・ついていない女、アデル
後先考えず目先の事に夢中になってしまうアデルは、家出、学校中退の末、行きずりに近い形で色んな男性と関係を持っていた。そんな成り行きで生きている彼女には、ツキが無く、幸運な何かが起きるのを待っているだけだった。
あまりの月の無さに橋から飛び降り自殺をしようとしていたアデルは、一人の男性、ガボールに話しかけられた。彼はアデルの自殺を止める気は無かったが、自分はナイフ投げのパートナーの的に、自殺志願者を探しに来ているのだと言った。
うっかり川に飛び込んだアデルを助けたナイフ投げは、二人で病院へ運ばれ、幸運を待っていると言うアデルに幸運は望むものだと諭そうとした。アデルに的としての素質を感じたナイフ投げは、アデルをパートナーにすることにした。
「橋の上の娘」のネタバレあらすじ:承・アデルの的としての開花
南へ向かう列車の中、誘われると断れないアデルに呆れながらも、ナイフ投げは、モナコへ着くと、彼女の髪形を整えドレスを大量に買い込み、高級ホテルの一室に落ち着いた。
夜、サーカス小屋を訪れるが、ナイフ投げは時代遅れで演目にはなかった。そこで目隠しでナイフ投げをすると新しい提案をし、出演枠を獲得した。舞台上でガボールは的になるアデルの前に目隠しのカーテンをし、的が見えない状態でナイフを投げた。すべて投げ終わると拍手喝采。次にサンレモでの出演の話を持ち掛けられた。
その夜、出演後にアデルはガボールとカジノを訪れ、ルーレットでぼろ儲け。カジノのフロアに入ってこず手前のバーで酒を飲むガボールは、本当は自分がツイていない男だと白状した。
イタリアのサンレモでも、二人は大成功を収めた。その度に少しずつアデルの身体にはナイフのかすり傷が増えて行った。その街でもルーレットで儲けようとしたアデル。しかしガボールがいないとうまくいかなかった。
「橋の上の娘」のネタバレあらすじ:転・二人で一つの幸福
ルーレットは思うように儲からなかったけれど、二人でいる時に子供から買った福引の券で車が当たった。ガボールは、アデルを幸運の女神だと称しライトを点けずに走らせると、路肩に落ちてしまった。
次の街へ行くために駅で列車を待っていると、レストランのボーイとアデルが親密そうに話しているのを見て、ガボールは次の列車に乗るとだけ伝えた。アデルは、ボーイと事にいたりはせず、最近は行きずりの男と関係を持つこともなかった。アデルはナイフ投げの乗る列車に乗り、幸運やガボールといる事に慣れたのに放り出す気かと彼をなじった。そして、人知れず駅の倉庫でサーカスの見世物というわけでもないのに、的になったアデルにガボールはナイフを投げた。
豪華客船でまわある的へ向けてのナイフ投げも大成功を収めた二人は、船上で行われていた結婚式で踊った。そこで知り合った新郎に火を貸すとそれはたまたまガボールがイタリアで拾ったものだった。返そうとするが、妻に禁煙を言い渡されてる彼はそれを断った。
翌朝、船には新郎を探す新婦の姿があった。
「橋の上の娘」の結末:アデルとの突然の別れ
犯人はアデル。新郎をずっと待っていた王子様だと言って、新婚ショックの彼と舟を下り小舟にのった。ガボールとは別れのキスの握手も無くただ忘れるだけだとアデルは行ってしまった。
今にも客船から飛び降りそうな新婦を的にナイフ投げをするがアデルのようにはうまくいかず、太腿に突き刺さってしまう。新婦はイスタンブールで病院に運ばれ、ナイフ投げも船を降りた。一人だとうまくいかないガボールは、ヒッチハイクもままならなかった。
同じくアデルの方も小舟のモーターが動かなくなり、通りかかったヘリに救助された。ギリシアの基地に着くと、彼の気も変わってしまいアデルは行きずりの男性と過ごす以前のアデルに戻った。
ガボールは絵に描いたアデルを的にしても、まったくうまくいかず、芸人を続けながら、アデルを探していた。橋の上でアデルを見つけたあの夜、本当は彼も自殺をしようとしていた。そして、橋の上から飛び降りようとするガボールを、今度はアデルが見つけた。
橋の上で抱き合う二人は、一緒にいる事を続けようと誓い、アデルはナイフ投げの的に戻った。
以上、映画「橋の上の娘」のあらすじと結末でした。
「橋の上の娘」のレビュー・考察:ツキのない者どうしの幸運
アデルににとって男性は興味の対象でしかない。行きずりで関係を持つのも、駆け落ちしてしまうのも、唐突だけれど、彼女はずっとそうやって生きてきた、どちらかというと染みついた癖のように感じる。けれども関係は行きずりなので、彼女が本心を明かすことはない。一方、関係を持たなかったけれども、ガボールと精神的につながっているような描写が、作中に何度もされる。アデルが求めていたのは、そんな本心を読み取ってくれる誰かだったのではないだろうか。
この映画の感想を投稿する