華麗なるアリバイの紹介:2007年フランス映画。アガサ・クリスティーの小説『ホロー荘の殺人』を基に、愛憎渦巻く殺人劇を描いたミステリー・ドラマ。田舎の大邸宅に住むパジェス夫妻は、毎週末親類や友人達を招待しパーティーでもてなしていた。ある週末、精神分析医ピエールが参加したことで場は一気に緊張してしまう。浮気を繰り返していた彼は、招待客からそれぞれ愛情や嫉妬、憎悪を向けられていたのだ。そんな中、ピエールが何者かに射殺される。警察は浮気に耐えかねた妻クレールの犯行だと考えるが、捜査を進めると矛盾が出てきた。果たして真犯人の正体は。別題は「アガサ・クリスティー 華麗なるアリバイ」。
監督:パスカル・ボニゼール 出演者:ミュウ=ミュウ(エリアーヌ・パジェス)、ランベール・ウィルソン(ピエール・コリエ)、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(エステル・バシュマン)、ピエール・アルディティ(アンリ・パジェス)、アンヌ・コンシニ(クレール・コリエ)ほか
映画「華麗なるアリバイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華麗なるアリバイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
華麗なるアリバイの予告編 動画
映画「華麗なるアリバイ」解説
この解説記事には映画「華麗なるアリバイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
華麗なるアリバイのネタバレあらすじ:愛憎渦巻く週末
舞台は現代フランス、小さな村ヴェトゥイユ。大邸宅を構える上院議員アンリ・パジェスとその妻エリアーヌは、週末に親類や友人を招いてパーティーを開いていました。しかし今度の週末に招待したコリエ夫妻について、エリアーヌは少し憂鬱に思っています。
夫ピエールは優秀な精神分析医ですが、酷い浮気性で、多くの女性と関係を持っていました。妻クレールは夫の裏切りを知りながらも、子ども達との生活を守るため見て見ぬ振りをしています。誰もが彼女を“哀れなクレール”と呼び、同情を寄せていました。
更に今回は、ピエールの愛人で芸術家のエステル・バシュマン、エステルに惹かれる小説家フィリップ・レジェ、フィリップに恋をしている靴屋の店員マルトが同時に招待されています。その複雑な愛憎関係を、パジェス夫妻の姪クロエが冷めた目で見ていました。
華麗なるアリバイのネタバレあらすじ:殺人事件
パジェス邸に到着した面々は、夕食までの時間を好きに過ごします。プールで泳いだり、銃の愛好家であるアンリに射撃を習ったり。そして夕食の席に最後の招待客が現れます。イタリア人女性レア・マントヴァニと、その運転手ミシェル。レアを見たピエールは驚きで目を見開きました。彼らは昔、恋人同士だったのです。
ただならぬ2人の様子にクレールは顔を強ばらせ、エステルはレアを激しく牽制しました。夕食後、レアから熱烈に誘われたピエールはすんなり彼女と関係を持ってしまいます。しかし翌日になると、妻子があることを理由に、復縁を迫るレアを拒絶しました。レアは腹を立て、エリアーヌ達に無断でパジェス邸を去ります。
そして正午頃、パジェス邸に銃声が鳴り響きました。エリアーヌ達が慌てて音のした方へ駆けつけると、プールサイドで血を流すピエールと、彼の手を握るエステル、そして銃を手に呆然と座り込むクレールの姿が。ピエールはエステルに何か言い残して死亡。警察は事件の容疑者としてクレールを連行しました。
華麗なるアリバイのネタバレあらすじ:第二の殺人
事件の担当になった警部のグランジュは、早速頭を抱えていました。拘留中のクレールは動揺が酷く、肝心なことは何一つ聞き出せません。更に殺害に使われた弾丸と、クレールが持っていた銃が合わないことが判明しました。凶器の銃は見つかっていません。警察は真犯人がクレールを罠にはめたのだと判断し、彼女を釈放しました。
一方、フィリップはレアが滞在しているホテルを訪れ、彼女を熱烈に口説きます。普段から酒癖の悪い彼は、この夜も記憶を飛ばしてしまい、翌日レアから肉体関係を持ったと告げられ狼狽しました。フィリップは逃げるようにレアの部屋を出て、ピエールが勤めていた病院に入院することにします。
実は、事件当日も酒を呑んでいたフィリップには記憶がありませんでした。自分がピエールを殺害したのではないか、もしくは犯人を目撃したのではないかと不安に襲われるフィリップ。
その頃、レアのホテルを訪ねたグランジュ警部は首を切られた彼女の遺体を発見しました。警察は最後に会ったと思われるフィリップに疑いの目を向けます。そうとは知らないフィリップは、見舞いに来たマルトに頼んでパジェス邸へ連れて行って貰いました。
華麗なるアリバイのネタバレあらすじ:真犯人
パジェス邸でレアの死を知ったフィリップは、すぐにエステルの家へ向かいました。彼女が犯人だと思い込んだフィリップは自首を勧めますが、エステルは冗談ではないと怒ります。そこに現れたのはクレールでした。フィリップは天窓から逃げる振りをして室内に戻り、こっそり2人の様子を窺います。エステルは、レア殺しまでは庇いきれないと訴えていました。
ピエールとレアを殺害したのは、やはりクレールだったのです。エステルは息を引き取る直前のピエールから、クレールを庇って欲しいと頼まれていました。しかしクレールは罪を重ね、今度はエステルをも殺害しようとしています。“哀れなクレール”らしからぬ冷たい目で彫像を叩き壊すと、中に隠されていたピエール殺しの銃を手に取りました。思わず声を上げたフィリップに驚いたクレールは彼を撃ってしまいます。
頭から血を流すフィリップを見たエステルは、天窓から慌てて屋根の上に逃げ出しました。追いかけてエステルを落とそうとするクレール。その背後から血まみれのフィリップが現れます。驚いたクレールはバランスを崩し、屋根から転落して死亡しました。
華麗なるアリバイの結末:最大の“アリバイ”
しばらくして、フィリップは新しい本の執筆を進め、マルトは傍らで彼の世話をしていました。10年浮気に耐えたクレールは、ピエールがあっさりレアと関係を持ったことで限界に達し、殺人に手を染めました。
彼女は銃の保管室に忍び込んで2丁持ち出し、殺害に使った銃を捨て、もうひとつの銃に持ち替えておいたのです。「でも 彼女の一番の“アリバイ”は――“哀れな女”の演技だ」と呟くフィリップ。誰もがクレールの思惑通り、彼女に同情を寄せていたのです。
マルトが浮気は許さないと宣言すると、フィリップは笑い出しました。彼が執筆に戻り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「華麗なるアリバイ」のあらすじと結末でした。
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