八日目の紹介:1996年ベルギー,フランス映画。仕事人間のエリートビジネスマンとダウン症の青年が出会い、ひょんなことから行動をともにすることで心を通わせる。主演の2人はともにカンヌ映画祭で男優賞を受賞した。
監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル 出演:ダニエル・オートゥイユ(アニー)、パスカル・デュケンヌ(ジョルジュ)、ミュウ=ミュウ(ジュリー)、アンリ・ガルサン(重役)、イザベル・サドヤン、ミシェル・メエ、ほか
映画「八日目」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「八日目」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「八日目」解説
この解説記事には映画「八日目」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
八日目のネタバレあらすじ:起
大手銀行の重役アリーは自己啓発セミナーを行うなど社員教育を精力的に行う仕事人間。しかし実生活では結婚生活に失敗し、娘2人は妻が親権を持ち、離れて暮らす。しかし、たまにしか会えない娘たちとの約束も仕事の忙しさにかまけて忘れてしまい、娘たちからも嫌われる。苛立ちを抱えながら雨の中、車を走らせていたアリーは1人の青年が連れていた犬を轢いてしまう。仕方なく死んでしまった犬とその青年ジョルジュを車に乗せて送り先を尋ねたアリーはジョルジュが障害をもっていることに気づく。施設で暮らしていたジョルジュは母親恋しさのあまり、施設の犬とともに抜け出してきたのだった。
八日目のネタバレあらすじ:承
行き先もわからず途方に暮れたアリーはしかたなく自宅へ連れ帰る。翌朝、ジョルジュの様子がおかしいことに気づいたアリーが医者を呼ぶと、チョコレートアレルギーだったことがわかる。回復を待って2人はジョルジュの母親探しに出かける。なんとか探し当てて母親の家にたどり着いた2人だったが、そこに母親はいなかった。既に亡くなっていたことをジュルジュは忘れていたのだ。住人から彼の姉の所在地を聞いた2人はとりあえず姉の元へ向かう。途中、ジョルジュの行動のせいでトラック運転手とトラブルになり、ケガを負ったアリーは怒ってジョルジュをバス停に置き去りにする。しばらくして心配になったアリーが戻ってみると、ジョルジュはその場を去ることなくアリーを待ち続けていた。その姿にアリーも怒りを忘れ、2人は心を通わせるようになる。
八日目のネタバレあらすじ:転
ジョルジュの姉の家に着いた2人だったが、義兄は迷惑そうな態度を隠さず、引き取ることはできないと言って施設の住所を告げる。ジョルジュ「施設には戻りたくない」と言うものの、アリーは仕方なく施設へ向かう。道中、アリーは妻と娘に会いに寄るが、妻には拒絶され、娘たちも会おうとしない。悲嘆に暮れるアリーをジョルジュは優しく慰める。ジョルジュが施設に戻り、以前の生活に戻ったアリーだったが、彼と過ごした日々を思い寂しさを募らせていた。娘の誕生日も仕事で行くことが出来ない。
八日目の結末
そのことを知っていたジョルジュは施設の仲間たちを連れてアリーを迎えに行き、娘たちのもとへ向かう。近くの遊園地に忍び込み、そこで大量の花火をあげると、それを見た娘たちはアリーの思いに気づく。ベンチで夜明かしをした2人だったが、目覚めるとジョルジュの姿がなかった。娘たちと抱き合い、妻とも和解して喜ぶアリーを遠くからジョルジュが見守っていた。ジョルジュは母親の元へ行きたいという思いにかられ、チョコレートをほおばったままビルの屋上から飛び降りる。そして今、アリーは娘たちと自由な時間を過ごしていた。そんな彼は、神は八日目にジョルジュを創ったのだろうと思っている。
この映画は地味な感じがしますけど素晴らしいですよ。家庭や人間関係が崩壊した仕事中毒のビジネスマン。施設を抜け出して来たダウン症のジョルジュと出会って、何かが変わり始めます。悲しい結末なのに、心がうわぁーと温かくなる優しい演出もたまらなく愛しかったです。あまり期待せずに観たせいもあって、感動で涙が止まらなくなりました。