軽蔑(別題:ゴダールの軽蔑)の紹介:1963年フランス,イタリア,アメリカ映画。脚本家とその美しい妻。ある時を境に妻の愛を失った脚本家はその理由が分からず不安と苛立ちを募らせる。フリッツ・ラングが映画監督として本人役で出演。
監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ミシェル・ピッコリ、ブリジッド・バルドー、ジャック・バランス、フリッツ・ラング
映画「軽蔑(1963年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「軽蔑(1963年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
軽蔑の予告編 動画
映画「軽蔑(1963年)」解説
この解説記事には映画「軽蔑(1963年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
軽蔑のネタバレあらすじ:起・無関心を装う夫
脚本家のポールは米国人プロデューサーのプロコシュに呼ばれ、映画スタジオを訪れていた。プロコシュはフリッツ・ラングの新作「オデュッセイア」があまりにも一般受けしない内容のため、色をつけるべくポールに脚本の書き直しを依頼する。愛する妻カミーユのために新しい家を買ったポールは金のために引き受けることにする。プロコシュやラングらとともに「オデュッセイア」のラッシュを見終わったポールは、スタジオの外でカミーユと落ち合う。美しいカミーユにひと目見て惹かれたプロコシュは、夫妻を自宅へ招待するが、車は2人乗りなのでカミーユだけを同乗させ、ポールにはタクシーで来い、と告げる。困惑するカミーユだったがポールはそれを受け入れ、プロコシュの車はカミーユだけを乗せてポールをその場に残し走り去る。
軽蔑のネタバレあらすじ:承・夫を軽蔑する妻
ポールが遅れてプロコシュの自宅へ到着すると、カミーユは不機嫌になっていた。プロコシュは撮影現場のカプリ島へカミーユを誘うが、彼女は夫が決めることだと答える。
自宅へ戻ってからもカミーユの態度は変わらず、理由をきいても明確な返事は返ってこないことに苛立ったポールは彼女に手を上げてしまう。なだめたりすかしたりするがついには寝室も別にすると言われ、ポールは執拗に理由を問いただすと、カミーユは「もう愛していない。あなたを軽蔑する、それが理由」だと告げる。その意味がわらかないポールは困惑する。
軽蔑のネタバレあらすじ:転・戻らない関係
結局カプリ島を訪ることになった2人だったが、カミーユの態度は変わらない。船上での撮影にプロコシュやラングらと同行していると、プロコシュが仕事で別荘に戻るのでカミーユに一緒に戻ろうと誘う。ポールも一緒に、と言うカミーユにプロコシュは、ポールはラングと仕事の話しをしていればいい、と告げる。困惑げな様子のカミーユにポールはそうすればいい、と言って2人を送り出す。その後ポールはオデュッセイアとその妻についての解釈をラングと論議しているうちに、カミーユの軽蔑の意味に思いが至る。別荘に戻りカミーユを探していたポールは、そこでプロコシュとカミーユがキスしているのを目撃し、プロコシュに脚本の仕事を断ると言い出す。
軽蔑の結末:永遠の別れ
翌日、ポールの元を去り、1人ローマで暮らすと書置きを残してカミーユは島を出る。プロコシュの車でローマへ向かったカミーユだったが、途中事故に遭い2人は帰らぬ人となる。
2人の事故死を知ったポールも、撮影現場を後にして島を去る。ラングは淡々と「オデュッセイア」の撮影を続ける。
南仏の太陽よりも眩しく感じるブリジット•バルドーの美しさにとにかく圧倒されます。1960年代ゴダール作品らしく色彩がカラフルでポップ。それとは対照的にモラヴィアの原作に基づいたストーリーは重苦しくゴダール作品は相変わらず詩的でミステリアスで引き込まれますがやはり難解。