緑の光線の紹介:1985年フランス映画。素敵なバカンスを目指しもがき続ける女性を描いたロマンス&ドラマ作品。バカンスの約束を急にキャンセルされ、デルフィーヌは途方に暮れていた。一人旅は嫌、団体旅行も嫌、家族旅行は気が乗らない。周囲からは出会いを求め行動するようアドバイスされるが、恋の理想が高く繊細なデルフィーヌはなかなか一歩を踏み出せない。そんな折、「緑の光線」に興味を持ったデルフィーヌ。緑の光線を見た人間は、自分と相手の気持ちが分かるようになるという。
監督:エリック・ロメール 出演者:マリー・リヴィエール(デルフィーヌ)、リサ・エレディア、ヴァンサン・ゴーティエ、ベアトリス・ロマンほか
映画「緑の光線」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「緑の光線」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
緑の光線の予告編 動画
映画「緑の光線」解説
この解説記事には映画「緑の光線」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
緑の光線のネタバレあらすじ:起・受難の始まり
舞台は夏のフランス、パリ。秘書として働く独身女性デルフィーヌは、目前に迫ったバカンスを楽しみにしていました。ところが7月2日月曜日、バカンスの約束をしていた友人から断りの電話が入ります。デルフィーヌは酷い仕打ちだと深く落ち込みました。他の友人達は既に予定を決めています。別れた恋人ジャン・ピエールにも連絡を取ってみますが、彼は夏の間ずっと山にいるつもりでした。家族から一緒に過ごそうと誘われるものの、気が乗らないデルフィーヌは適当に誤魔化して断ります。7月8日、友人達と食事をするデルフィーヌ。友人から様々なアドバイスをされますが、どれもデルフィーヌは気に入りません。バカンスなのに1人でパリに残るのは嫌。一人旅も嫌。団体旅行は論外。出会いを求める気持ちはありますが、恋の理想が高く、元々繊細で臆病なデルフィーヌはなかなか行動出来ません。友人達は自分から動かなければ解決しないと忠告します。デルフィーヌは寂しくないので口を出さないでと言いつつも、たまらず泣き出してしまいました。そこで友人フランソワーズの提案で、彼女やその家族と一緒にシェルブールへ行くことにします。
緑の光線のネタバレあらすじ:承・晴れない心
7月18日、シェルブールに到着したデルフィーヌとフランソワーズ。地元の青年に声をかけられ、早速新たな出会いが訪れようとしていましたが、ナンパに慣れている様子が嫌だと言ってデルフィーヌは逃げてしまいます。フランソワーズの家族と食事の際、デルフィーヌは肉を全く食べないことを話しました。動物を殺していることを理解すべきだと語ります。何に誘っても「興味ないわ やめておく」といった態度のデルフィーヌを、フランソワーズの家族は「植物みたいな人ね」と評しました。デルフィーヌは子どもと遊んだり近くを散策したりして過ごしますが、心は満たされず涙を流します。7月22日、フランソワーズが仕事でパリに帰ることになり、デルフィーヌも一緒に戻ることにしました。7月25日、ジャン・ピエールがバカンスを過ごしている山に向かったデルフィーヌ。しかししばらく1人で歩いていると嫌な気持ちになり、結局すぐに帰って来てしまいました。そして7月27日、デルフィーヌは街で旧友イレーヌと再会します。彼女は結婚して子どももいる身でした。デルフィーヌから色々と話を聞いたイレーヌは、義兄がビアリッツに部屋を持っているのでそこに行ってはどうかと提案します。観光客が多いので、出会いも期待出来るとイレーヌは話しました。
緑の光線のネタバレあらすじ:転・孤独の悲しみ
8月2日。ビアリッツに滞在して数日、デルフィーヌは部屋と海を行き来するだけの生活を送っています。夕方にデルフィーヌが1人海辺を散策していると、「またジュール・ヴェルヌ?」と話している数人の老婦人を見かけました。何気なく会話に耳を傾けると、どうやらジュール・ヴェルヌの小説「緑の光線」と、タイトルの由来になった自然現象について話しているようです。丸い太陽が水平線に沈む瞬間、明るい緑の光を放つことが稀にあります。その光を見ると、自分と相手の気持ちが分かるようになるそうです。翌日、デルフィーヌはビーチでスウェーデンから来ているレナという女性と知り合いました。一人旅をしている彼女は明るい性格で、デルフィーヌとも気さくに話してくれます。デルフィーヌは出会いを求めていること、しかし男性をなかなか信用出来ないことを相談し、どうやって相手を判断しているのか尋ねました。レナはすぐ手の内を見せずに話しながら反応を見て、その人が信用出来るかどうか判断すると答えます。それを聞いたデルフィーヌは「私には何もない」と言って泣き出してしまいました。デルフィーヌは自分なりに努力しているつもりです。けれど誰も近付いて来てくれず、それは自分に何の価値も無いからだと嘆きました。レナはデルフィーヌを慰めながら、今夜は楽しもうと励まします。ちょうど近くに座っていた2人組の男性と目が合い、少し話すことになりました。レナはすぐに打ち解け楽しそうに喋りますが、デルフィーヌは会話に入らずずっと口を閉ざしています。そして耐えきれなくなり、その場から走り去ってしまいました。
緑の光線の結末:日没の奇跡
8月4日土曜日。デルフィーヌはパリに帰るべく、荷物を持ってビアリッツ駅に到着しました。時間まで本を読んで過ごしていると、1人の男性が近くに座ります。あまりに熱心に見つめてくる男性に、デルフィーヌも思わず笑みを浮かべました。彼はここから電車で5分ほどの小さな港町、リュズに滞在していたそうです。デルフィーヌは連れて行って欲しいと頼みました。リュズに到着したデルフィーヌは、本当は男性への警戒心が強いのだと話します。今回のように積極的になれるのは珍しいことで、デルフィーヌ自身少し驚いていました。日没が迫る街を男性と歩いていたデルフィーヌは、緑の光線という店を見つけ「こんなことってあるのね」と笑います。そして日没を見ようと男性を高台に誘いました。デルフィーヌは彼に緑の光線について話します。「幸運の印?」と聞かれ、「違うわ 分かるようになるの」と言って泣き出すデルフィーヌ。男性は彼女を優しく抱き寄せます。日没の瞬間を食い入るように見つめる2人。すると水平線に沈む瞬間、太陽が緑に光りました。「見えたわ!」とデルフィーヌが喜びの声を上げ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画緑の光線のあらすじと結末でした。
レナ役の女の子はなんて名前の役者なのでしょうか。