屋根裏部屋のマリアたちの紹介:2010年フランス映画。屋根裏部屋に住むメイドたちとひょんなことから進行を持つようになった雇い主のジャン・ルイ。何の変哲も無く淡々とした日々が明るく変わっていく。
監督:ジャン=クロード・ラリュー 出演:ファブリス・ルキーニ、ナタリア・ベルベケ、サンドリーヌ・キベルラン、カルメン・マウラほか
映画「屋根裏部屋のマリアたち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「屋根裏部屋のマリアたち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
屋根裏部屋のマリアたちの予告編 動画
映画「屋根裏部屋のマリアたち」解説
この解説記事には映画「屋根裏部屋のマリアたち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
屋根裏部屋のマリアたちのネタバレあらすじ:流行りはスペイン人メイド
60年代フランス、ジャン・ルイは朝のこだわりの半熟卵が固ゆでだった事でメイドを叱る、すると、彼女は彼の妻シュザンヌと無きジャン・ルイの母との嫁姑の確執を挙げ、自分から辞めてしまう。新しいメイドを雇おうとシュザンヌは紹介所からの連絡を待つが、音沙汰はなく、家事はたまっていくばかり、とうとうジャン・ルイが仕事に着て行くシャツも尽きてしまう。シュザンヌが奥様仲間に零すと、今の流行はフランス人メイドよりスペイン人メイドだと勧められ、マリアを雇うことにする。初日、シュザンヌから一人では手に負えないほど言いつけられる。そこで、同じアパルトマンでメイドをしている他のスペイン人メイドに助けを求める。無事に完了し、マリアは正式に雇ってもらえることになる。
屋根裏部屋のマリアたちのネタバレあらすじ:ジャン・ルイ、メイドたちから聖人扱いされる
亡き母の部屋をシュザンヌ好みに模様替えをし、屋根裏にある物置に上がった時、同じ苦屋根裏にあるマリアの部屋を見せてくれるように頼む。案内された部屋の小ささと設備にジャン・ルイは驚く。同じアパルトマンで働くメイドたちは、屋根裏の洗面所が詰まってしまいひどい事になっている事を彼に伝える。すると、その日の夜に水道屋がやってきて洗面所は無事に使えるようになる。ジャン・ルイは屋根裏部屋のことをシュザンヌにそれとなく話すが、彼女たちはそれを選んだのだと答えはそっけなかった。けれど、シュザンヌも、マリアにシャワーがないならこの家にある子供たち用の浴室を使ってもいいを言う。ジャン・ルイは、故郷の身重の妹からの手紙が途絶えたと、訴える他のメイドに自宅の電話を貸したり、夫に暴力をふるわれたピラールに、新しい部屋を世話したりなどしているうちに、屋根裏のメイドたちとの距離は縮まっていく。 シュザンヌは奥様仲間たちから、未亡人ベッティーナの噂を聞く。ベッティーナは遺産をジャン・ルイの会社に運用を頼んでいる顧客でもあった。田舎育ちで華やかなパリジェンヌにコンプレックスのあるシュザンヌは、ホームパーティーに仕事のお客として呼ばれたベッティーナに心穏やかでない。一方、スペイン語を勉強したりスペイン人がフランスにやってくるフランコ政権と内戦の事情に興味を持ち、マリアとの距離も縮めていたジャン・ルイは、ホームパーティーに給仕係としてやって来た男に迫られているマリアを見て、誤解してしまう。マリアも反発、機嫌の悪いジャン・ルイにそれまで完璧に作っていた半熟卵を、わざと固ゆでにして出す。
屋根裏部屋のマリアたちのネタバレあらすじ:アパルトマン内別居と生き生きとした生活
その夜、ピラールの新しい部屋の引越し祝に同席する、ジャン・ルイ。いつもは屋根裏にいるメイドたちとパエリアを囲みささやかなお祝いをする。そこへマリアも合流し、食卓を囲むうちに仲直りをする。同じ夜、ジャン・ルイの遅い帰りに苛立つシュザンヌは、暖炉の上に、ベッティーナのメッセージカードがあるのを見つけ、遅く帰ってきたジャン・ルイが何を言っても、ベッティーナと浮気していたと思い込み、家から追い出す。出て行こうとしたジャン・ルイだが、外は生憎の雨、仕方なく屋根裏にある、物置きで過ごす事にする。屋根裏に住むメイドたちは、本来雇い主の立場にあるジャン・ルイが自分たちと同じ階に住む事に戸惑うが、彼なら心配ないと、マリアの叔母のコンセプシオンだけは少し心配するが、彼を受け入れる。ジャンル・ルイを追い出したが、その行き先を知らないシュザンヌはある日管理人から同じアパルトマンの屋根裏部屋にいると知らされる。恐る恐る通用階段から屋根裏を窺うとそこからはメイドたちの楽しげな声が聞こえてくる事にショックを受ける。子供たちは自分の父親がメイドたちと同じ階で寝起きしているのは良くないと、直談判しに行くが、悠々自適に過ごしていたジャン・ルイはここでやっと自由を手に入れたのだと、屋根裏の子供たちを招き話す。
屋根裏部屋のマリアたちの結末:雇い主とメイドの壁は越えられるのか
メイドたちのタンス預金を自分の証券会社で運用したり、フランス人と結婚するメイド仲間の祝にいいワインを振舞うなどあいかわらずのジャン・ルイにマリアは自分が未婚の母で子供は養子に出した、と打ち明ける。驚くが、子供はいいものだと気にしないように徹する。聖人の祝日にメイドたちと出かけた先で、マリアは息子が寄宿舎に入れられている事を、叔母のコンセプシオンから聞かされる。一刻も早く息子に会いたいマリアはジャン・ルイのアパルトマンからスペインへ電話をかける。それをシュザンヌに見られ事情を話し、彼女はメイドを辞めることに。その夜、屋根裏のジャン・ルイの部屋を訪れたマリアは、一夜を共に過ごす。ジャン・ルイは会社を辞めてスペインへ行く事を語るがメイドを辞めたことも告げず「忘れて」というメッセージをメイドたちに残し一人でスペインへ帰ってしまう。事の次第を隠されていたと知ったジャン・ルイは「友達だと思っていたのに」と零す。三年後、シュザンヌと離婚したジャン・ルイは帰国したコンセプシオンの元を訪ねる。同じく帰国していたほかのメイド仲間とお茶を楽しむ。シュザンヌが画家と再婚した事や二人の息子のことを話し、マリアのことを聞こうとするが、やっぱり教えてくれない。仕方なく車に乗り込む彼に、コンセプシオンの夫がマリアの住む村をこっそり教えてくれた。教えられた村へ行くと、マリアの息子のミゲルに出会う、ジャン・ルイがフランス人だと気づくと自分の母親はフランス人のところで働いていたと言う。ミゲルに案内されると、洗濯籠を持ったマリアが出てくる。洗濯物を干しながら振り向いたマリアは、ジャン・ルイの姿に気がつき微笑む。エンドロールへ
以上、映画屋根裏部屋のマリアたちのあらすじと結末でした。
屋根裏部屋のマリアたちのレビュー・考察:ジャン・ルイの表情の変化。
朝の半熟卵くらいしか生きがいの無かったジャン・ルイが、スペイン人メイドたちと関わっていくうちに自分の仕事以外にも興味を持ち、生きがいを見出していく過程がおもしろい。初めは無表情でつまらなそうな顔がだんだんと明るくなっていく。自分を生き生きとする何かを見つけられなかったからだ、というのは、シュザンヌの口から語られる。女主人然としていたシュザンヌも華やかな奥様仲間の間でコンプレックスがあり、最後は画家と結婚したとわかるが、今は彼女も自分を生き生きとさせられるものを見つけられたのだと思う。ジャン・ルイが屋根裏部屋に住む事で自由を手に入れられたと言うように、日常の中に楽しみを見出すことの大切さを考える。メイドたちは、屋根裏部屋に住みながらも、働く姿はとても生き生きいしている。
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