レ・ミゼラブル(1998年)の紹介:1998年/アメリカ映画。1812年、19年の刑期を終えて仮出獄したジャン・バルジャンは、銀食器を盗んだ自分をかばってくれた司教との出会いから、改心を決意。9年後、ヴィゴーの工場主兼市長として、市民の尊敬を集める男に生まれ変わった。世界的に有名な小説、そして多くのミュージカルにもなっているレ・ミゼラブルを映画化した作品で、今作ではリーアム・ニーソンがバルジャンを演じています。本作はミュージカルで大人気の「レ・ミゼラブル」ですが、ミュージカルではない、ビレ・アウグスト監督による作品です。
監督:ビレ・アウグスト キャスト:リーアム・ニーソン ジェフリー・ラッシュ ユマ・サーマン クレア・デインズ
映画「レ・ミゼラブル(1998年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レ・ミゼラブル(1998年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「レ・ミゼラブル(1998年)」解説
この解説記事には映画「レ・ミゼラブル(1998年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レ・ミゼラブル(1998年)のネタバレあらすじ:起・バルジャンとビショップ
パンを盗んで逮捕されたジャンバルジャンは、19年間もの間重労働を課せられ、その後仮釈放されます。そして彼は夜寝るところを探していたところ、ビショップに親切に迎えられ、彼は教会の中で寝ることになりました。しかし夜になってバルジャンは銀製の食器を盗み、教会から逃走、惜しくも警察につかまってしまいます。教会に連れ戻されたバルジャンに対して、ビショップはこの銀の食器は私がバルジャンに贈ったものであると警察に言い、そしてバルジャンには銀の燭台もあげたのでした。そしてビショップは新たな人間になりなさいと彼に語ります。
レ・ミゼラブル(1998年)のネタバレあらすじ:承・市長となったバルジャン
それから9年間の歳月が過ぎ、バルジャンは裕福な実業家、そして市長となっていました。彼が市長として治めている街には、ファンティーヌという女性が働いていました。彼女は未婚でありながらも幼い娘を養育するために、バルジャンの経営する工場で働いていたのです。しかし、他の工場員から嫌がらせを受けてしまいます。その様子を確認していたバルジャンでしたが、彼はジャベール警部の到着を今か今かと待っていました。ジャベール警部は以前、バルジャンが刑に処していたときの担当刑務官でした。そのため、バルジャンは細心の注意を払って彼をお出迎えします。しかし、ジャベールはバルジャンが以前の囚人だったのではないかと疑問に思い始めます。さらに、ファンティーヌは工場にいられなくなったため、仕方なく売春を行いますが、顧客に攻撃されたため、反撃をするとそこにいたジャベールに逮捕されます。しかし、バルジャンがジャベールを阻止し、ファンティーヌを助けます。
レ・ミゼラブル(1998年)のネタバレあらすじ:転・告白と逃亡
そしてバルジャンは嘘をついていたことに耐えられなくなり、裁判所に向かい、自分は仮釈放された囚人であると皆の前で告白します。その後、ファンティーヌの容体が悪くなり、バルジャンは彼女の娘を見守ると彼女に告げ、ファンティーヌは亡くなりました。そこに突入したジャベールとバルジャンは闘い、バルジャンは逃亡します。
そして逃亡している際にファンティーヌの娘であるコゼットと出会い、彼らは一緒に逃亡します。そして修道院へ着き、中に引きこもることにしました。それから10年の月日が経ち、コゼットは19歳となり、革命家のマリウスと恋仲になっていました。
レ・ミゼラブル(1998年)の結末:許し
マリウスは政府の人間であるジャベールを拘束し、自分のバリケード内に入れると、処刑するかどうかを決めます。そこにバルジャンが入り、彼らは10年ぶりに再会をします。そしてバルジャンは今までのことを彼に許し、処刑をせずにジャベールを開放するのでした。ジャベールはその後、バルジャンが彼に示した寛大さに気づき、全てを許した上で自分の愚かさに気づき、セーヌ川へ身を投げてしまうのです。
以上、映画「レ・ミゼラブル(1998年)」のあらすじと結末でした。
レ・ミゼラブル(1998年):紹介
時は1800年代のフランス。幼い妹のためにパンをひとつ盗んだという罪で20年近くもの年月を刑務所で過ごした主人公ジャン・バルジャンは、ついに仮釈放となります。晴れて自由の身となったバルジャン、しかしお金もなにもなく、刑務所から出たばかりの彼に行くあてはありません。さまよった挙句ようやく泊めてもらった司祭の家から、バルジャンは銀食器を盗み逃げようとします。それを警官に咎められたバルジャン。しかし司祭は「ああ、それは私が彼に差し上げたものですよ」と言ったのです。司祭の行動と言葉に心を射抜かれたバルジャンは、生まれ変わる決意をし、見事数年後には成功を収めますが…。
レ・ミゼラブル(1998年):ミュージカルとの違い
まず、大人になったエポニーヌが出てこない!!!!
これは衝撃的でした。バルジャンの運営する工場を首になったファンティーヌという女性の娘コゼットが預けられていた宿屋の娘として登場するのがエポニーヌ。
幼い頃は、両親が彼女を溺愛し、居候のコゼットに辛くあたっていました。しかし、バルジャンがコゼット引き取り、状況は一変。
コゼットは大事に育てられ、愛する人とも結ばれるのに、エポニーヌはみじめな生活を送りながら、愛する人と結ばれる事なく、戦火に倒れるのです。
…というのがミュージカルの大筋。でも、ビレ監督は大人になったエポニーヌを登場させませんでした。
ううむ、不思議…。私としては、エポニーヌこそがまさに「レ・ミゼラブル(ああ無情)」という題の象徴という印象を持っていたので、いつまでたってもエポニーヌが登場しないのにちょっとヤキモキ…(笑)
それから当然ですが、歌は一切でてきません。
あまりにもミュージカルのイメージが強いこの作品、歌が無くなったからといってストーリーにより深みが出たとか、細部までよく分かったとか、そういった事はありませんでした。本当に、ミュージカル版の歌詞がまんま台詞になったかんじ。劇中、あまりにも悲惨なシーンが沢山でてきますが、そういったところはこちらの作品の方がリアルだったかもしれません。歌っちゃうと、どうしても、メロディックになってしまいますから…。
レ・ミゼラブル(1998年):レビュー・考察
幼少期のコゼットがとても良かったです。無邪気で、健気で、可愛らしくて。
あと、ファンティーヌの死のシーンはゾクゾクしました。彼女の演技力、真に迫っていて、怖いくらいでした。
主役ジャン・バルジャンも、敵役のジャベールも、味のある良い俳優さんでした。
全体的に俳優陣のクオリティが非常に高く、引き込まれました。
もともとミュージカルファンでしたが、こういうのも、アリかも…。
エポニーヌが出てこなかったのは、未だに謎ですが…。
良い映画だったと思います。
原作ファンも、ミュージカルファンも、「レ・ミゼラブル」は初めてという方も、ぜひ!
ミュージカルは抵抗があるけれど、ストーリーを知りたいという方にも、良いかもしれません。
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