アルティメット・サイクロンの紹介:2015年アメリカ映画。人々の安全とライフラインを確保するために危険な仕事をする大型送電線の架線作業員(ラインマン)の姿を描いた、実話を基にした人間ドラマ。
監督:デヴィッド・ハックル 出演者:ジョン・トラボルタ(ボー・ギナー)、ケイト・ボスワース(ベイリー・ギナー)、デヴォン・サワ(ダンカン)、シャロン・ストーン(ダンカンの母)、ギル・ベローズ(ポークチョップ)ほか
映画「アルティメット・サイクロン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アルティメット・サイクロン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アルティメット・サイクロンの予告編 動画
映画「アルティメット・サイクロン」解説
この解説記事には映画「アルティメット・サイクロン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アルティメット・サイクロンのネタバレあらすじ:嵐の夜の出来事
ある日、エリート電力社で架線作業員(ラインマン)として働くダンカンがテレビのインタビューを受けます。和やかなムードでインタビューが始まりますが、「あの夜の嵐の話をしてください。第12変電所で何があったんですか?」と聞かれると、沈痛な面持ちで無言になるダンカン。ここから過去の出来事が回想されていきます。1999年5月28日。テキサスは大嵐で激しい雷雨に見舞われていました。ベイリーという名の少女が部屋から不安そうに外を見ていると、父親ダニーが部屋に入って来ます。微笑みながら「雷は神様の合図だ」と言って娘を安心させるダニー。ラインマンをしているダニーは、仕事仲間のポークチョップからの連絡を受けて電線にかかった木の枝の撤去に向かうことになり、妻ベッキーに見送られて嵐の中を出発します。ダニーの弟のボーも同じ会社で働くラインマンです。元ハーレー乗りでヤンチャな性格をしているボーに手を焼いているダニー。この日もボーは「未来の元嫁と俺の誕生日を祝ってた」と遅れて来る始末。みんなで枝の撤去と電線の修復作業を開始し、ボーも電柱に登って電線の修復をします。しかし、ボーの修復作業にミスがあり、直しに行こうとするボーを引き留めて電柱に登ってやり直すダニー。その時、修復していた電線に雷が落ち、ダニーの体が激しく感電して炎に包まれながら地面に落下します。叫びながらダニーに駆け寄るボー。妻ベッキーはダニーの落雷事故の知らせを受けて、すぐに病院へ向かいます。ベッキーが泣きながら車を運転していると、ダニーを搬送しているであろう救急車が見え、ついパニックでよそ見をしていた瞬間に走って来た車と衝突事故を起こしてしまいます。救急車の後ろを走って病院に向かっていたボーは、酷く大破したベッキーの車を見て呆然とします。次の日、ボーは亡きダニーとベッキーの家に行き、姪のベイリーに悲しい知らせを伝えるのでした。数年後、ボーはダニーの事故後は心を入れ替えて仕事に励んで現場を束ねるベテランのラインマンになり、ベイリーはボーに本当の娘のように大事に育てられて成長し、ウェイトレスをしながら大学進学のための準備をしていました。ある朝、ボーの家の近所に4人家族の一家が引っ越してきます。ベイリーとボーが挨拶をすると、夫人のカーリンは美人な上に気さくに家族の紹介をしてきますが、夫のユージンは初対面でも険しい顔つきです。ボーはユージンがエリート電力社の制服を着ているのを見て、「新人か?俺は配電部門だよ」と話しかけます。「よろしくな。忙しくて人手が足りてないんだ」と言いますが無愛想な態度のユージン。ボーが出社すると、仕事仲間達がボーの誕生日のサプライズパーティーを開いてくれます。ベイリーがこっそりと準備していたケーキを持って現れ、みんなで楽しいひとときを過ごします。今、エリート電力社では州の半分の電線を改修するという、過去最大規模の工事の真っ最中です。ボー達が担当しているのはライン12だけですが、ライン12は郡で最も長くて危険な現場であるため、現場を率いる立場のボーは毎日神経をすり減らしながら仕事に追われていました。ベイリーの恋人のダンカンがバイクの整備工場を訪れて急ぎで修理の依頼をしていると、整備士のロンに「なぜ急ぐ?」と話しかけられます。ダンカンが「仕事に行く」と言うと、ベイリーの元カレでまだ未練があるロンは「就職を?ベイリーが喜ぶな・・・別れたんだっけ?」と笑いながら嫌味を言います。「調子に乗るな。俺とベイリーは順調だ」と釘を刺すダンカン。ベイリーがウェイトレスをしている店にダンカンが来ます。1週間前にダンカンに電話をしても音沙汰がなかったため、怒っているベイリー。ダンカンは仕事が決まったことを告げて店を出ます。
アルティメット・サイクロンのネタバレあらすじ:ボーとダンカン
エリート電力社では新人達が入社してきますが、その中にはダンカンもいました。ボーはダンカンを毛嫌いしているため、知らない間に採用されていることに腹を立てます。ボーは新人達にラインマンの感電事故の写真を見せながら、「自分だけは大丈夫だと思う者はバカだ」「気が散った瞬間が命取りになる」と、国で4番目に危険で死と隣り合わせであるラインマンの仕事の厳しさを教え込みます。ベイリーが帰宅すると、家の前にロンがいて驚きます。ロンはベイリーに付きまとっていたため、接近禁止命令が出されていました。「男と別れたそうだな。気の毒に」と言い、「持ってやるよ」とベイリーから荷物を取り上げます。すると、カーリンが来て「ちょっと!返しなさいよ、返さないと蹴っ飛ばすわよ」とロンを追い払います。カーリンが「何なの?あの男」と聞くと、「忘れたい人」と答えるベイリー。その夜、ボーは不機嫌な顔で帰宅し、ベイリーに「最近ダンカンとは?」と聞きます。会ってないと答えるベイリー。「うちの会社に新人が入ったんだが気に障るヤツで・・・泣かされるぞ。あの家にも問題が・・」「あの男はお前の重荷になる」と、ベイリーの大学進学と人生を心配するボー。次の日の朝、ダンカンが出勤の支度をしていると、アル中で自堕落な生活を送るダンカンの母親が起きてきます。ダンカンは母親にラインマンとして働き始めたことを告げますが、「お前の父親がラインマンだった。電柱によじ登って死んでしまった・・・何も残さずに」と愚痴を聞かされます。もう何も聞きたくない、あれは事故だったんだと言っても、「現場に行くんだね・・・そして死んでしまう」と泣かれてしまいます。ダンカンは電柱の工事中にメールしているところをボーに見られてしまい、「何を考えてる?メールするヤツに払う金はない」と注意されます。その直後、工事中の電柱がボーの方に倒れてしまいます。電柱の直撃は免れたものの、ボーはダンカンのミスだと思って掴みかかろうとしますが、ポークチョップが電柱は土台から崩れたんだと言ってボーを止めます。「どう潜り込んだか知らんが、この工事が終わったら顔を見せるな」とダンカンに苛立ちをぶつけるボー。その夜、新人達を交えて店で飲み会が行われます。苦々しい顔をしながら酒を飲み続けるボー。すると、近くの席にいたハーレー乗りの男達が大声で騒ぎながら飲み始めます。「昔のお前みたいだな」と呟くポークチョップ。男達はダンカン達が座る席に向かってイチャモンをつけ始め、ボーが男達に皮肉を返して喧嘩になりそうになります。しかし、ボーが「働き疲れてるからモメたくないし、ケンカしてもいいことない」と握手を求めて丸く収まります。次の日、カーリンは、仕事の出張へ行くユージンを見送ります。ベイリーが働く店にダンカンが食事をしに来ます。ベイリーはダンカンに「なぜ最近冷たいの?」「私たち別れたってウワサになってるのよ」と聞きます。「大学に行くならもういいだろ。君は勉強ができた。いつか出ていく人だ」と言うダンカン。ボーが現場で働いていると、エリート社の社員が来て「昨日ひどいことがあったって?3時間ロスした。・・上の連中の耳に入ったらマズイしな。もっと気をつけてくれ」と注意されます。ボーは「気をつけてくれ?俺はひたすら気をつけてる。昨日は死にかけたし辞めてもいいぞ。若造と組まされて必死にやってる。上の連中に伝えといてくれ。ふざけんなと」と怒ります。その夜、ベイリーが家にいるとカーリンが「ワインでも飲まない?」とやって来て、二人で語り合います。ベイリーが「ラインマンの妻って大変よね。でも子供といいご主人がいて幸せでしょ」と言うと、「ユージンがイラクから帰ってから以前とは変わったわ・・・人が変わってしまったの。時々近くにいてもいないような気に。完璧な家じゃないのよ」と打ち明けるカーリン。ベイリーが全くワインを飲んでいない事に気付いたカーリンが「手つかずよ」と言うと、「お酒に弱くて」と言うベイリー。その頃、ボーはポークチョップと酒を飲み、仕事の愚痴を言っていました。酔っぱらって泣き始めるボー。ポークチョップが「なんで泣いてんだよ?」と聞くと、「ダニーを思って。いつも思ってる。俺が死んでりゃ・・」。ポークチョップは「壊れたレコードだな」と呆れ、「あの時、俺も現場にいたんだ。雷はお前の責任じゃない」と言い聞かせます。すると、店内にダンカンがいることに気付いたボー。ポークチョップが止めるのを聞かずにダンカンのところに行き「ベイリーに近づくな。あの子の人生にバカはいらん。お前のせいであの子は出ていく。お前なんかに渡すか」と酔っぱらいながら文句をつけ、ポークチョップに連れられて帰宅します。改修工事が大幅に遅れていたため、ボーの元で働くラッセルが本部に呼ばれます。ラッセルが「こっちは最速でやってます。ボーに言って下さい」と言うと、本部社員は「言っても無駄だ。ボーのやり方は古くて教科書どおりだ。手を抜けと言わんが少し急げ」と言います。2週間後に第12変電所で配電と分電をつなげることになっていますが、両方とも遅れてしまっていました。「ボーとは22年来の友達で、あいつの正攻法を信頼しています。分電は間に合いますよ」と言うラッセル。その夜、ベイリーはカーリンが嬉しそうにタクシーに乗って外出するのを見かけます。次の日の朝、ユージンが出張から帰宅してビールを飲んでいると、カーリンのスマホが鳴ります。ユージンが何となくスマホを手に取って見ていると、カーリンが来て「勝手に見ないで」と怒ります。「知らないヤツから何通もメールが」と言うユージンに「留守の間にできた友達もいるの。向かいの家のベイリーとかその友達」とごまかすカーリン。ユージンは無言になり、また荷造りをして出て行きます。家の外でベイリーを見かけたユージンは、カーリンとよく会っているのか?と尋ねます。ベイリーが「よく会ってるわ」と答えると「友達も?」と聞かれます。カーリンが外に出てきて「ベイリーを困らせないで」とユージンを止めますが、ベイリーは事情を察して「私の友達もよ」と話を合わせます。
アルティメット・サイクロンのネタバレあらすじ:ベイリーとダンカンの悩み
ベイリーが働く店にロンがプレゼントを持って現れます。ベイリーがプレゼントを拒否して仕事に戻ろうとすると、ロンは態度を豹変させてベイリーの腕を掴みます。静かに「離して」と言うとロンは去りますが、表情が曇るベイリー。その夜、ベイリーとカーリンは二人で飲みに行きます。「母親って楽しい?」と聞くベイリーに「すごく楽しい。大変な時もあるけどね」と答えるカーリン。またベイリーがお酒に口をつけていないのを見たカーリンが「・・・話したい?父親は?」と尋ねます。ベイリーは驚きながらも「彼はラインマンよ。まだ伝えてもいないの。叔父は嫌ってる・・・あなたは?タクシーに乗るところを見たの」と言うと、困惑しながらも「女は何でもお見通し」と微笑むカーリン。2人が店を出ると、ちょうどロンが友人と来て、「おやおや美女たち」と話しかけてきます。酔っぱらったカーリンが「つくづくマヌケな人ね。どいて」と言うと、「どかなかったら?」と返すロン。「マヌケな姿をさらし続けるのね」と言うカーリンを止めて車に連れて行くベイリー。カーリンの言葉に腹を立てたロンがまた近付いてきて、「おだててやってんだから敬意を払え」としつこく絡んできます。すると、ダンカンが来て「今度あの子に触ったら殺してやる」とロンに殴りかかり喧嘩になります。その時、ちょうどボーとポークチョップも店に来ます。ボーは騒ぎの中にベイリーもいるのを見て、喧嘩を止めるためにロンの友人に強烈なパンチを食らわせます。次はロンに殴りかかろうと構え、ポークチョックが「脳みそが吹っ飛ぶぞ。覚悟するんだな」と言うと、すっかり怖気づいたロンは降参します。ベイリーはダンカンと話をします。ベイリーの大学進学のための学費を工面しようとしながらも、素っ気ない態度を取るダンカン。ベイリーはそんなダンカンに妊娠したことを告げます。「俺たちの子だ!」「俺は嬉しいけど君は幸せか?」と大喜びするダンカン。ベイリーは微笑みながら「幸せよ。この街でラインマンと暮らしたい」と答え、2人はキスをします。その日の夜、ベイリーはボーにも妊娠したことを伝えます。ボーは絶句し、「ウソだろ、どうして・・・自分を守らないなんて。そんな子に育ててない。あいつ・・・ダンカンだな!」と激怒します。ベイリーは泣きながら「愛してる。私は叔父さんが大好きよ。でも生き方を指図しないで。私が望んだの」と言いますが、無言で席を立つボー。ダンカンも母親にベイリーのことを伝えて祝ってもらおうとしますが、母親はダンカンが亡き夫と同じラインマンとして働いていることもまだ受け入れられずにいました。夫が亡くなった時の苦悩を語り出し、「子育てはまっぴら!」と怒鳴る母親に「母さんも一緒にここを抜け出そう。俺とベイリーが家を建てるし、母さんはおばあちゃんだ。俺の仕事は心配ないから」と言いますが、頬を殴られてしまいます。大嵐が近付いている中、本部から分電チームは全員地上で待機するようにと指示が出され、分電部門にいるユージンも現場に到着します。大嵐の影響で強風のため、今日は絶対に高い鉄塔に登りたくないとみんなでブツクサ言い合っていると、ユージンが無言で1人で鉄塔に向かいます。歩きながらカーリンに愛していると電話をするユージン。まだ待機命令が出ているのに彼は何をしてるんだ?と、みんなでポカンとしている中、ユージンは高い鉄塔に登っていきます。その頃、嵐の影響でライン10の線路脇の電柱が倒れ、ルイジアナでは停電が起きていました。今夜は厳しい夜になることが予想されるため、ボー達も「兄妹として互いを守れ」と気を引き締めます。ユージンは命綱も付けずに鉄塔の上まで登ってしまい、仕事仲間が必死に「命綱をつけろ!ユージン!」と叫びますが、ユージンは鉄塔の上で両手を広げます。仲間達はユージンの様子を見て「飛び降りる気だ」と呆然とします。ユージンは目を閉じて思いを馳せますが、カーリンが自分の名を呼ぶ声を思い起こしてハッとします。ライン10の倒れていた電柱に電車が衝突し、次々に電柱を倒しながら脱線してしまいます。本部はライン10に人を派遣しようとしますが人手が足りないため、ボーのチームに行かせることにします。その頃、ロンは酒を飲みながらカーリンの言葉を思い出し、憎悪を募らせていました。
アルティメット・サイクロンの結末:第12変電所
ボー達はライン10の脱線事故現場に到着します。炎に包まれる列車と倒れた電柱からは火花が出ていますが、電気が危険なため水で消火ができない状態です。街は大停電になり、ベイリーは家でひとり不安な気持ちで過ごしていました。ボーが本部に連絡をすると、消火をするためにどうにかして電流を止めてほしいと言われます。ボーはチームに指示を出して、ダンカンには「お前は俺と来い」と言い、電流を止めるための作業を開始します。ベイリーはロンが家の前に車を停めて歩いて行くのを目にします。ボーとダンカンは二人での作業中に口論になります。「寂しいからベイリーを束縛してる。孤独だから」と言うダンカン。ロンはカーリンの家に侵入してカーリンを襲います。その時、ユージンが帰宅します。カーリンの裏切りに苦悩しながら拳銃を手にして家に入るユージン。ベイリーはロンもユージンも家に入っていくのを見てカーリンが心配になり、行ってみます。ユージンは妻が襲われているのを見てロンに拳銃を向けます。泣きながら「撃って」と言うカーリン。その時、ベイリーが入って来て、ユージンを止めます。ロンとユージンは揉み合いになりますが、ユージンはロンに向けて発砲します。ユージンはロンが死んだのを見てショックを受け、自分のこめかみに拳銃を向けます。カーリンは「ユージン、やめて。あなたを失いたくない。私の目を見て。お願い、銃を下ろして」と泣きながら必死に止めます。ユージンは銃を下ろして二人は抱き締め合いますが、その時、カーリンはベイリーが腹部から血を流して苦しんでいることに気が付きます。ユージンが撃った弾がベイリーの腹部にも命中していました。大嵐の影響であちこちで被害が出てしまい、本部は混乱していました。ボーのチームでケガ人が出てしまった上に第12変電所でも電力が落ちる事故が起こりますが、人手が足りないためボーを行かせることにします。ボーはケガ人が出たことを悲しみ、この大嵐の中では第12変電所までチームを行かせられないと限界を感じて悩みます。ポークチョップが「これがラインマンの仕事だ」と言うと、「・・そうだな」と納得するボー。ボーはポークチョップにケガ人の付き添いのために病院に行ってほしいと頼み、俺とダンカンが第12変電所に行くからラッセルはここに残るようにと指示を出します。ポークチョップが病院で医師から説明を聞いていると病院は停電になりますが、予備の電源ですぐに復旧します。その時、妊娠中の若い女性が被弾したと搬送されてきますが、ポークチョップはその女性がベイリーだと気付いて愕然とします。すぐにベイリーの手術が開始されますが、予備の電源も落ちて病院は闇に包まれます。「これはマズイ」と呟くポークチョップ。大嵐の中、第12変電所に到着したボーとダンカン。ダンカンがフェンスを切っている間に、ボーはポークチョップからベイリーが撃たれたという知らせを受けます。ボーはベイリーの手術のためにも電気の復旧を急げと言われて呆然としながらも、ダンカンにベイリーの状態を知らせます。「あの子を救うんだ。いいな?」とダンカンを落ち着かせ、二人は第12変電所に入ります。病院の手術室では、医師達が懐中電灯の明かりの中で懸命にベイリーの手術を続けていました。ラッセルは本部に行ってボーが第12変電所に行ったことを知らせます。群全体が真っ暗になり、病院の電源も落ちて八方塞がりの状態です。ボーとダンカンは変電機器の復旧を試みますが、上手くいきません。「なぜ電気が流れない?」と原因を探ると、一ヵ所壊れて繋がっていない部分がありました。それを直すために変電機器に登っていくボー。ダンカンが「ボー、危険すぎる!」と止めますが、道具を使って繋がっていない所を叩いて動かそうとします。しかし、道具ではビクともしません。ボーは、「万が一のためにこれを預かってくれ」とネックレスを外してダンカンに投げ、「ひどい扱いをしてすまん。お前はいいヤツだ。ベイリーに愛していると。あの子を頼んだぞ」と言って、渾身の力を込めて手を使って繋げます。変電機器が繋がって街全体の電気が復旧しますが、ボーの体は激しく感電して炎に包まれながら飛ばされてしまいます。「ボー!」と叫ぶダンカン。本部は電気が回復して拍手喝采です。その中で、電話でボーの事を聞いて呆然とするラッセル。ベイリーの手術は成功し、お腹の赤ちゃんも無事でした。ダンカンは急いで病院に行きます。ベイリーはダンカンを見て「来てくれたのね」と安堵の表情を浮かべますが、ダンカンがボーのネックレスを着けているのを見て泣き出します。「残念だ。俺がそばにいる」とベイリーを抱き締めるダンカン。2年後、ベイリーとダンカンは幼い息子を連れてラインマンの慰霊碑を訪れます。ポークチョップとラッセルも来て、みんなでボーの人生に思いを馳せるのでした。ダンカンのインタビューのシーンに戻ります。インタビュアーに「何も知らずに尋ねてしまってすみません。あなたから見たボーは?」と聞かれ、「最高のラインマン。ベイリーと彼の世界に割り込む者を憎んでた。俺も含めて」「ボーが好きだ。尊敬してた。俺の目標だ。半分でも近づけたら誇らしい」と言うダンカン。インタビュアーが質問を続けようとしますが、嵐が接近しているからすぐに来てくれという知らせを受け、ダンカンは「行かないと」と立ち上がるのでした。
以上、映画アルティメット・サイクロンのあらすじと結末でした。
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