ラフマニノフ ある愛の調べの紹介:2007年ロシア映画。ロシアが生んだ偉大な音楽家セルゲイ・ラフマニノフの波乱に満ちた半生を描いた作品。祖国からアメリカへと渡ったラフマニノフ。彼を支え続けた妻ナターシャとの夫婦の絆が感動的に描かれた人間ドラマです。
監督:パーヴェル・ルンギン 出演者:エフゲニー・ツィガノフ(セルゲイ・ラフマニノフ)、ヴィクトリア・トルストガノヴァ(ナターシャ)、ミリアム・セホン(マリアンナ)、 ヴィクトリア・イサコヴァ(アンナ)、 アレクセイ・ペトレンコ(ニコライ・ズヴェーレフ)
映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラフマニノフ ある愛の調べの予告編 動画
映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」解説
この解説記事には映画「ラフマニノフ ある愛の調べ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラフマニノフ ある愛の調べのネタバレあらすじ:起
カーネギーホールの舞台袖に立つセルゲイ・ラフマニノフはニューヨークでの初演奏に挑もうとしていました。しかし会場にソ連大使が来ていることを知らされると、彼の表情が一変します。彼はステージに立つと大勢の観客を前にして宣言します。自分が亡命したのはソ連に愛する人達を殺されたからであり、如何なる理由があっても彼らの前で演奏することはできないと。これを聞いた観客からはどよめきが沸き、ステージは混乱に巻き込まれます。しかしコンサートを取り仕切るスタウェイン社のフレッドがソ連大使に退場を迫り、彼らが去ったことから、ステージはようやく幕を開けるのでした。スポンサーであるスタウェイン社の強力なバックアップにより、セルゲイはアメリカ各地で公演を成功させていきます。しかしセルゲイはフレッドが推し進める商業的なビジネススタイルについていけません。作曲家としてのスランプに陥っているセルゲイは、才能を浪費させられていることに苛立ちはじめます。妻のナターシャはそんな夫を慰め、支えようとするのでした。
ラフマニノフ ある愛の調べのネタバレあらすじ:承
1880年のロシア。少年のセルゲイはたった一人で音楽院の試験を受けにやってきます。教師のズヴェーレフは彼のピアニストとしての才能に一早く目をつけます。そしてセルゲイを弟子として招き入れると、彼を一流のピアニストへ育てることを決意します。セルゲイはズヴェレーフの厳しい指導のもとで、素晴らしいピアニストへ成長していきます。一方で交響曲の作曲にも力を注いでいきますが、ズヴェーレフからは作曲を頑なに禁じられてしまうのでした。ある日セルゲイの元を従妹のナターシャが訪ねてきます。セルゲイに思いを寄せているナターシャでしたが、彼は年上の女アンナに恋をしています。アンナはセルゲイにとって創作の泉となる女性でした。アンナとの恋に夢中になるセルゲイは、大作曲家チャイコフスキーと面会できるチャンスを棒に振り、ズヴェーレフを失望させます。作曲を禁じられ、素行の悪さを叱責されたセルゲイはズヴェーレフへの不満を爆発させます。ズヴェーレフはそんなセルゲイを家から追い出してしまうのでした。セルゲイは作曲家としての活動を開始していきます。しかし怠慢な指揮者によってコンサートを台無しにされ、アンナもセルゲイの元を去っていきます。愛する女性から別れを告げられ、作曲への自信を喪失したセルゲイは深く傷つき、孤独を深めていくのでした。
ラフマニノフ ある愛の調べのネタバレあらすじ:転
1920年のシカゴ。セルゲイは作曲できない苦しみから自宅に引きこもる生活が続いています。そんな彼の元に差出人不明のライラックの花が贈られてきます。セルゲイは懐かしいライラックの花の香りを嗅ぐと、魔法にかかったかのように元気を取り戻し、彼の演奏は生命力を取り戻していくのでした。1900年のロシア。セルゲイは心身ともに衰弱し、深刻な精神状態に陥っていました。ナターシャは献身的にセルゲイを看護し、彼は徐々に元気を取り戻します。ナターシャに支えられ、セルゲイは音楽学校の教師として働き始めます。セルゲイは学校で進歩的な考えを持つ女生徒マリアンナと出会います。そしてマリアンナから熱烈なアプローチを受けるようになり、彼女と寝てしまいます。しかしその後ナターシャの大切さを再認識したセルゲイは、彼女と結婚することを選びます。コンサートを成功させたセルゲイは、幼き頃ナターシャとともに過ごしたライラックの咲く庭園へと彼女を連れていくのでした。やがて政権が移り変わっていくロシア。自由のない祖国で音楽家を続けていくことが難しいと感じたセルゲイは、国を離れることを決意します。
ラフマニノフ ある愛の調べの結末
セルゲイは闘士として活動しているマリアンナの助けを借りて、出国するための通行証を発行してもらいます。そして妻や幼き子供達を連れて列車に乗ろうとしますが、セルゲイだけが軍部から足止めを食らってしまいます。ナターシャから助けを乞われたマリアンナは、セルゲイを列車に乗せるよう掛け合ってあげるのでした。1920年のアメリカ。ナターシャや子供達とともにロサンゼルスに滞在しているセルゲイでしたが、作曲できない苛立ちを妻や子供たちにぶつけてしまいます。娘のターニャは10歳の誕生日を迎えようとしていましたが、セルゲイは娘が生まれた10年の間まともに作曲ができていないことを皮肉めかして言い、妻を激怒させてしまうのでした。ナターシャと大喧嘩をして街を彷徨っていたセルゲイは、花屋で大好きなライラックの花を見つけます。セルゲイを元気づけるためにライラックを贈り続けてきたのはナターシャだったのです。彼女の温かい愛情に包まれていることを感じたセルゲイは、ライラックを抱えて家族の待つ家へと向かいます。帰ってきたセルゲイをナターシャやターニャも温かく出迎えるでした。
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