LORO(ローロ) 欲望のイタリア(別題:彼ら)の紹介:2018年イタリア映画。悪名高きイタリアの元首相ベルルスコーニ。政治を私物化しながらも9年にわたって首相の座につき国民を熱狂させた。時は因縁の政敵に敗北し、あらゆる手をつかって政権に返り咲く2006年から2010年。成功への執着や愛の挫折をめくるめく狂乱と絢爛で映し出し、男のロマンチシズムとメランコリーを表現。そして狂乱から一転、ラストでは観る者に深い感動を呼び起こす。
監督:パオロ・ソレンティーノ 出演:トニ・セルヴィッロ(シルヴィオ・ベルルスコーニ)、エレナ・ソフィア・リッチ(ヴェロニカ・ラリオ)、リッカルド・スカルマルチョ(セルジョ・モッラ)、カシア・スムトゥニアク(キーラ)、エウリディーチェ・アクセン(タマーラ・モッラ)、ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ(サンティーノ)、ロベルト・デ・フランチェスコ(ファブリツィオ・サーラ)、ダリオ・カンタレッリ(パオロ・スパニョーロ)ほか
映画「LORO 欲望のイタリア」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「LORO 欲望のイタリア」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
LORO 欲望のイタリアの予告編 動画
映画「LORO 欲望のイタリア」解説
この解説記事には映画「LORO 欲望のイタリア」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
LORO 欲望のイタリアのネタバレあらすじ:起
2006年イタリア、サルデーニャ。ここは悪名高き「彼」の高級ヴィラ。テレビには、マイク・ボンジョルノが司会するクイズ番組が流れています。
プッリャ州。青年実業家のセルジョ・モッラは地元の政治家に取り入ろうとしています。そして更なる野望を叶えるために次なるターゲットを「彼」に定めることを思いつきました。セルジョは早速、セクシー美女を斡旋するスカウトマン、ファブリツィオを利用してローマに乗り込み、毎晩のように派手なパーティを開催して存在感をアピールしていました。
ある日、セルジョは美しい女性キーラと出会います。キーラは「彼」に寵愛を受ける女であり、キーラもまた「彼」を愛していました。
その頃、中道右派サンティーノ議員は女性議員クーパに、次期リーダーとして自分を推すよう秘密裏に動いていました。
LORO 欲望のイタリアのネタバレあらすじ:承
セルジョは妻のタマーラと、ローマ中のセクシー美女をスカウトし「彼」のヴィラの目の前でド派手なパーティを計画しました。派手な女たちの出入りにきっと興味を持つだろうと考えたのでした。
作戦は派手に実行されました。半裸同然の男女が毎日ドラッグに乱交にと明け暮れました。
一方「彼」こと、かつて首相の座についていたベルルスコーニ。因縁の政敵プローディに敗北して、政権に返り咲くタイミングを狙っていました。同時にあらゆる贅を尽くした方法で妻ヴェロニカの愛も取り戻そうとしていました。しかしヴェロニカの心は離れていく一方。そんな中でも植毛のためにローマを訪れれば若い女に手を出すことも忘れてはいませんでした。
ベルルスコーニが次にヴィラで会ったのは、クーパに寝返りを仕向けていたサンティーノでした。サンティーノは、タマーラとの関係が明るみに出ることを恐れてベルルスコーニに助けを求めてきたのでしたが、すべてを知っていたベルルスコーニは彼を激しく罵りました。
LORO 欲望のイタリアのネタバレあらすじ:転
ある日のこと。ベルルスコーニは不動産業時代のパートナーだったエンニオと会い、あるヒントを得ます。首相に返り咲くためには、不動産業で培ってきたセールス力を使って上院議員を6人取り込めばいいと言われたのです。ベルルスコーニは電話帳から無造作に選んだ番号に電話をかけ、自分のセールス力を試しました。
確信を手にしたベルルスコーニは次々と人を取り込むことに成功していきます。そして再び政権を手にすることができました。
ところが、そこには落とし穴がありました。6人目の議員と恋仲である女優を映画に起用させた裏工作が盗聴され暴露されてしまったのです。この件で妻ヴェロニカの心もさらに離れていきました。
一方セルジョは、ファブリツィオの店「マルゴ」で派手に行われていたパーティにいました。彼の目的はベルルスコーニのコネを作って欧州議会議員になることでした。そこで、さらに派手な「ブンガブンガパーティ」を企画しベルルスコーニに追い込みをかける作戦を実行しようとしましたが、当のベルルスコーニはセルジョの話に興味を示しません。
なぜなら、女優志望の20歳の学生ステッラに惹かれていたからです。ステッラに「欧州議会には君のような子が必要だ」権力を見せつけ口説こうとするベルルスコーニでしたが「老人の口臭がする」と突き放されてしまいました。
LORO 欲望のイタリアの結末
何もかもがうまくいかないセルジョと、ベルルスコーニから相手にされなくなったキーラは互いに肩を落とし言いました。「いったいどこで道を誤ったんだろう」と。
そんな中で2009年、ラクイラで大地震が起こりました。建物は崩れ落ち、莫大な被害が出ました。被災地を訪れたベルルスコーニは、安住の地を脅かされ絶望している地元の人々に耐震住宅が並ぶニュータウンの建設を約束しました。
その後、サミット開催中の振る舞いに関してニューヨークの国連本部へ赴くよう要請を受けたベルルスコーニでしたが、向かったのはニューヨークではなくナポリ。ノエミという18歳の少女の誕生日パーティに出席するためでした。しかしこれが明るみに出たことで未成年買春の疑惑が浮上。ヴェロニカからの信用も愛情も完全に失うことになりました。
後日、セルジョは嫌っていた父親と共にテレビを見ていました。
そしてセルジョの妻タマーラは策略で近づいたはずだったサンティーノと一緒にいました。
被災地ラクイラ。崩れ落ちた教会からイエス様が引き上げられています。
それを見つめる人々の顔を長回しで映し出されます。まるで主役はLORO(彼ら)であると言わんばかりに。
以上、映画「LORO(ローロ) 欲望のイタリア」のあらすじと結末でした。
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