瞼の母の紹介:1962年日本映画。1931年、1955年にも映画化された長谷川伸の名作戯曲を加藤泰監督が自ら脚色。わずか15日間で撮影されたが、ワンシーン・ワンカットの技法が見事な結実を見せ、加藤泰監督の代表作のひとつとなった。
監督:加藤泰 出演:中村錦之助(番場の忠太郎)、松方弘樹(金町の半次郎)、木暮実千代(おはま)、瀬川路三郎(飯岡の助五郎)、徳大寺伸(突き膝の喜八)、阿部九洲男(宮の七五郎)
映画「瞼の母(1962年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「瞼の母(1962年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「瞼の母(1962年)」解説
この解説記事には映画「瞼の母(1962年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
瞼の母のネタバレあらすじ:起
江戸末期、下総飯岡では、笹川繁蔵と飯岡助五郎の2人の親分が縄張り争いをしていました。やがて出入りが起こって笹川側が負けとなり、シマは飯岡のものとなります。これに我慢ができない茂蔵の子分・金町の半次郎は、助五郎とその子分たちが夜道で襲撃。たまたま笹川一家に草鞋を脱いでいた渡世人の番場の忠太郎は半次郎の短気を諌めようと後を追ってきましたが、半次郎が斬られそうになるのを見かねて手を貸します。結局助五郎を殺すことはできず、忠太郎と半次郎は逃走。半次郎は母親と妹がいる金町を目指しますが、忠太郎の方は江戸へ足を向けることにします。
瞼の母のネタバレあらすじ:承
江州出身の忠太郎は五歳の時に母親と生き別れになり、この二十年間、再会することをずっと夢見てきました。江戸へ行くのも、その母がいるという噂を聞いたためでした。渡し場で半次郎を見送った忠太郎ですが、その直後、金町へ向かう喜八や七五郎などの助五郎の子分たちに気づきます。このままでは半次郎が危ないと考えた忠太郎は先回りして半次郎の家へ。そこには半次郎が匿われていましたが、彼を堅気に戻したいと願っている母親と妹は忠太郎が半次郎に会うことを許しません。仕方なくその場を立ち去る忠太郎。しかし母親と忠太郎のやり取りを聞いていた半次郎は我慢ができなくなり、母親の制止を振り切って忠太郎の後を追います。
瞼の母のネタバレあらすじ:転
そこへ現れたのが助五郎の子分たち。激しい切合の末、ほとんどの子分たちは倒され、手傷を負った七五郎だけが逃げ去ります。堅気になる決心をつけた半次郎を残して、忠太郎は江戸へ。賭場に出入りして金を稼ぎながら母親を探し回りますが、なかなか見つかりません。しかしある大店の店先で年老いた夜鷹を助けた時、その店の女主人が江州出身で、しかも子供と生き別れたことを聞き出します。早速その店に向かい、女主人と顔を合わせる忠太郎。詳しい話を直接聞くと、自分の母親であることは間違いありません。思わず抱きつこうとする忠太郎ですが、女主人は金目当ての騙りだと考えて相手にしません。
瞼の母の結末
失望して店を立ち去る忠太郎。江戸を離れようとしたところで、七五郎に率いられたヤクザものの一団が襲ってきます。自暴自棄になっていた忠太郎は命を捨てるつもりで彼らと切り合いますが、結局全員を斬り殺すことに。そこへ女主人とその娘が忠太郎を探しに来ます。事情を聞いた娘に諭されて、女主人も自分の非を悟ったのです。しかし侠客である自分がいると妹に迷惑がかかると思った忠太郎はそのまま姿を見せず、江戸を去っていきます。
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