マッチョの紹介:2016年メキシコ映画。人気デザイナーのエバリストは、ゲイと偽っている事がバレないように男性社員との親密さを世間にアピールしてみるが、状況は次第にこじれて行き、彼に危機が迫る。
監督:アントニオ・セラーノ 出演者:ミゲル・ロダルテ、セシリア・スアレス、アイスリン・デルベス、レナート・ロペス、マリオ・イヴァン・マルティネス、バレリア・ベラ、ダビド・ソリジャ、アナ・デ・ラ・レゲラ、マルロ・カルドナ、オフィリア・メディーナ
映画「マッチョ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マッチョ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「マッチョ」解説
この解説記事には映画「マッチョ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マッチョのネタバレあらすじ:起・国民的アイコン
ファッションデザイナーのエバリスト・ヒメネスは、本国ではデザイナーというよりゲイの象徴的存在で、性的マイノリティからの支持も厚く、彼の私生活を追うドキュメンタリーのクルー2名がカメラを回し続けていた。
ニューヨークのショーからメキシコのオフィスに戻ると、新人のお茶くみ、サンドロが新しく入っていた。エバリストは、動物と、メインモデルにする通称ディーバの女性からインスピレーションを得て、デザインを書いていた。
ある日、ディーバを務めるモデルのビビがオフィスを訪ね、クルーたちを追い出して二人はエバリストの私室に籠った。
諦めないクルーの一人は、屋上から縄を伝って隠し撮りしようとすると、そこにはベッドで抱き合う二人がいた。エバリストはゲイの振りをした女好きだった。
マッチョのネタバレあらすじ:承・オフィス存続のため
コロンビアの児童施設のある修道会で、ショーと寄付をするという企画が持ち上がり、世界中への宣伝になると喜ぶマネージャーのアルバだったが、同席していた批評家のオロスコは、エバリストがゲイというマイノリティを利用していると見破り、彼を批判した。
アルバは彼を問いただし隠れノンケだと知ると、オフィスの存続のために、ゲイになる必要はないが、性的嗜好を広げればいいと作戦を立て、アクセサリーとしての彼氏として、新入りのサンドロに白羽の矢が立った。
当のサンドロは夫をガンで亡くしたばかりのゲイで、エバリストは同行させたコロンビアでの撮影中にキスをされ、パニックを起こしてしまった。
自分は断じてゲイにはならないと心に決めたが、国際ファッションウィークのためのデザインをするため、次のディーバをウィジャ板で占うと、出て来た名前はシンディだった。
サンドロをサンディの愛称で呼んでいた彼が家を訪ねると、そこで彼がサイバーアーティストだという事を知り、次のショーの美術を依頼した。
マッチョのネタバレあらすじ:転・こじれる関係
森でサンドロのスケッチをしていると、鳥と昆虫にインスピレーションを得たエバリストだったが、二人きりでその気になったサンドロを拒絶してしまった。
半面、オフィスにやって来た大スターのアナに迫らると、サンドロと彼女がかぶってしまい、追い出してしまった。
母に紹介してもらった精神科に、サンドロとの円満な別れを勧められ、手切れ金をを渡して去ろうとした矢先、森で黒服の男達に誘拐されそうになったエバリストは、サンドロに助けられ、一晩怪我の看病をされた。
翌朝、知らないうちに一線を越えていたことを明かされると、本当はゲイではない事を明かした。
マッチョの結末:エバリストの秘密
街へ戻ると黒服の男達に無理やり車で連行されたエバリスト。そこにはビビとその夫がおり、2人が関係を持っている最中の動画の隠し撮りを見せられ、ビビには離婚、エバリストにはビルから飛び降りるように迫った。
しかし世間的に、ゲイの痴情のもつれにしか見えないと逆に脅され、諦めた。エバリストはドキュメンタリークルーたちが撮ったフィルムの編集権を買い、証拠を握りつぶそうとしたが、既に週刊誌に隠れノンケだと暴かれ、世間から糾弾された。
母の元へ帰ったエバリスト、彼は子供のころから人形やレースやビーズが大好きで、暗い色の男の服が大嫌い。そんな彼にはゲイの振りをしている方が生きやすかった。
ひと月後、アルバに連絡すると、ファッションウィークはサンドロのアイデアで進められていて、森でデザインした服が披露され、後ろのモニターには、一線を越えたらしい怪我をした夜に映された一部始終が流れた。
非難しに来たはずのLGBT団体はそれを歓迎し、ショーは成功した。その後、エバリストとサンドロとビビの三人は、正式に二人の夫、一人の妻として結婚した。
以上、映画「マッチョ」のあらすじと結末でした。
マッチョのレビュー・考察:マイノリティとは?
ここ数年、LGBTという言葉の普及と共に、世間の意識は確かに変わった。しかし、主人公のエバリストは、可愛らしものが好きでだけれどゲイではないし、自分を男性だと自覚しており、性同一性障害でもない。もし問題があるのだとしたら、人形やレースなど可愛いものや、明るい色の服は女性が好むと言う暗黙の了解だと思う。日本では男性のファッションに可愛い物が取り入れられたり、ユニセックスの服などが諸外国よりも多いかもしれないが、カトリック国のメキシコはその点は保守的だと思われる。最終的にバイセクシャルでオチが付いているが、性的マイノリティより前に、性差による好みの決めつけ問題があると思った。
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