マドモアゼルC ~ファッションに愛されたミューズ~の紹介:2013年フランス映画。ファッション界のミューズ、元ヴォーグ編集長のカリーヌ。彼女が新しいファッション誌を0から作り出す、その過程に密着する。
監督:ファビアン・コンスタン 出演:カリーヌ・ロワトフェルド、スティーブン・ガン、カール・ラガーフェルド、トム・フォード、リカルド・ティッシ、ドナテラ・ヴェルサーチ、ダイアン・フォン・ファステンバーグ、アレキサンダー・ワン、ジャン=ポール・ゴルチエ、ほか
映画「マドモアゼルC」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マドモアゼルC」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マドモアゼルCの予告編 動画
映画「マドモアゼルC」解説
この解説記事には映画「マドモアゼルC」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マドモアゼルCのネタバレあらすじ:起・カリーヌの新しいプロジェクト
10年間フランス版のヴォーグの編集長として勤めたカリーヌ・ロワフェルドは2011年12月、自分のNYで新しい雑誌の創刊するために、編集部を辞めた。雑誌のタイトルは『CR』、協力者たちたちが集まり、創刊号まで6カ月になった。
カリーヌにとってファッションは自分の夢に近づく事や変身を意味した。ファッションシーズンが始まると、各地で行われるショーからの招待状が届き、パリらしさを心がけたお洒落をして赴いた。アーティストではないから心細いと零すが、ショーの会場で彼女のもとにはたくさんの人と交流し、仕事を通じて彼女を豊かにした。
ファッション誌が増え、ファッションに扉が開かれている今こそ、カリーヌは新しい雑誌の創刊のチャンスだと考えていた。先を確定せず、自然発生的な物を好むカリーヌは、ちょうどその頃妊娠していた娘の赤ちゃんを創刊号の表紙にと考えていた。
マドモアゼルCのネタバレあらすじ:承・カリーヌの家族
アーティストの道へ進んだ息子は、母親のカリーヌをクルーで美しいと称した。
カリーヌにとって、バランスが取れ安定している状態は、自分の話を聞いてくれる人、家族の存在にあると言う。彼女は結婚はしていないがクリスチャン・レスモワンというパートナーがいる。彼のイニシアルから、雑誌のタイトルを『CR』に決めた。またこれは彼女のイニシアルでもある。
パリ風シックを掲げる彼女の美や官能性とは、エロティックさときわどさであって、けして下品さではない。大勢の人にとって自分がミューズであると言う認識はないけれど、嬉しいと語る彼女にとって、ファッションは夢の世界で、夢を見せる媒体としてのファッション誌を目指していた。
モデルを使った撮影には、天使が登場したり、撮影場所は屋根裏や教会、墓場の事もあった。彼女の雑誌において、ヌードを撮影しないと決めていた。
マドモアゼルCのネタバレあらすじ:転・元雇い主との攻防
ヴォーグのコンデナストの圧力で、それまで手伝っていたスタッフやカメラマンたちが辞めていった。しかし、カリーヌはこの逆境で慣れ親しんだ人脈を絶ち、新しい写真家屋モデルの発掘を行い、結果はよい方向へ向かった。
森の中で、ブルースにより赤ん坊の写真撮影も無事に終わった。また、カリーヌと美に対する考え方が同じトム・フォードは雑誌のためにおとぎ話をモチーフにした撮影を行った。
創刊準備の間も、カリーヌは体を鍛えるためにバレエの基礎レッスンを欠かさず、招待されたMETの夜会で各界の著名人たちと交流した。
会議で、広告の載せ方について検討が行われ、パリで行えばすべて安く抑えられるが、カリーヌはNYに製作拠点を置くことにこだわった。
そして、娘のジュリアは無事に娘を出産し、ロシア人のカリーヌの母の名前をとり、ロミーニコルと名付けた。
マドモアゼルCの結末:映画祭でのショーそして創刊
カンヌ映画祭に合わせて、エイズ基金のためのチャリティーファッションショーを企画し、成功を納めたカリーヌは、最後のオートクチュールの撮影に臨んだ。モデルの突然のキャンセルにも対応し、映画監督のグアダニーノに寄って、夜のパリの路上で撮影が行われた。手仕事の伝統のオートクチュールを路上に引きずり下ろす、彼はそれができる革命家だった。
いよいよ最終締め切りまで48時間。
漠然と並べるだけでないページ構成を考えるカリーヌ。記事が無いと中身の無い雑誌だと思われるので削らず、広告ページは全て埋まり、写真を削りどうするかという決断を下さなければならなかった。
『CR』の創刊パーティーで、カリーヌは自分の雑誌は『家』のようなもので、自由に撮影をしたいと語った。仕事仲間にも町の人にも変わらず愛と尊敬持ってカリーヌは接する。少し特別な存在だと思わせる彼女の接し方で、人々は彼女に尽くす。
新しいものを欲しがる今、いつかきっと飽きられると言う事を覚悟しているカリーヌの作った雑誌の創刊号は二週間で完売した。そして、カリーヌはハーパーズ・バザー誌のグローバルファッションディレクターに就任した。
以後も年に二回『CR』は発行されている。
以上、映画「マドモアゼルC ~ファッションに愛されたミューズ~」のあらすじと結末でした。
マドモアゼルCのレビュー・考察:カリーヌの魅力
ファッション誌の編集長だったカリーヌは自身でも言っている通り『アーティスト』ではない。けれどモデルや写真家等のアーティストたちのミューズと言われるのはなぜか。常にパリ的であろうとする姿勢、トレーニングを怠らない生活、他者への愛情と尊敬などカリーヌ自身の持つ一つ筋の通った姿に裏打ちされた、魅力があるのではないだろうか。そして、アーティストとしての活動こそしてはいないが、その頭の中にあるイメージは既成概念にとらわれない自由さもまた魅力的である。
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