映画MAMAの紹介:2013年カナダ、スペイン映画。行方不明だった幼い姉妹の世話をしていたママとはいったい何者なのか?得体の知れない影の正体が露わになる時、待ち受ける悲劇とは?
監督:アンドレス・ムシェッティ 出演:ジェシカ・チャスティン、ニコライ・コスター=ワルドウ、ミーガン・シャルパンティエ、イザベル・ネリッセ、ダニエル・カッシュ、ハビエル・ボテほか
映画「MAMA」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「MAMA」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
MAMAの予告編 動画
映画「MAMA」解説
この解説記事には映画「MAMA」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画MAMAのネタバレあらすじ:起.空白の5年間、姉妹を育てたのは誰?
妻を殺害したジェフは娘の幼いヴィクトリアとリリーを連れて逃亡。しかし、スリップ事故により森の中の空き家に身を隠す。そこで何者かに襲われた彼は消息を絶つ。
それから5年後、逃亡して行方不明のジェフとその娘たちを探すジェフの弟のルーカス。その友人バーンジーがジェフの入った小屋を見つける。中に気配を感じた彼が入っていくとキッチンにサクランボの種の山と、痩せ細った姉妹の影があった。病院に保護され、ルカースが引き取ろうとしたところで伯母のジーンと親権争いになる。そこで、ルーカスは姉妹の治療とカウンセリングにあたっていたドレイファス博士と組んで、治療用の家に姉妹とルーカス、ルーカスの恋人のアナベルと一緒に住むことを条件に、親権裁判で勝つ。ジーンは絵で生活をするルーカスと、音楽で生活するアナベルには養育は出来ないと不満があるものの、面会の権利を確保した。
映画MAMAのネタバレあらすじ:承.引き取られた姉妹についてきた何か。
空白の5年の間、姉妹がどのように生き延びていたのか調べているドレイファス博士。姉のヴィクトリアは言葉は話せるものの、社会性がまったく育っておらず、リリーにいたっては二足歩行も危うい状態。ドレイファス博士は、ヴィクトリアを催眠にかけると、「ママ」と口にすることから、極限状態の彼女たちはヴィクトリアが架空の母親役を負う二重人格でしのいだのではないかと仮定する。姉妹と暮らし始めたルーカスとアナベルは、なかなか懐かない姉妹に手こずりながらも、人間らしい生活を送れるように苦心する。そんな二人をよそに、姉妹は夜中に遊び、壁に絵を描き、その壁に話しかける。とある昼下がり、子供部屋で誰かと毛布を引っ張って遊ぶリリーを呼びに来たアナベル。もちろんヴィクトリアと遊んでいると思っているのだが、ヴィクトリアに後ろから呼び止められる。異変はそれだけではない。子供部屋と寝室を繋ぐ排気口から歌声が聞こえてくる。ドレイファス教授はヴィクトリアの診療を続けるうちに、ヴィクトリアの語る「ママ」がヴィクトリアの別人格ではなく、ヴィクトリアの前に現れ、夢に語りかける存在、また催眠中のビデオにヴィクトリアとは違う声の歌が混じっている事に気がつき、公文書館に真偽を確かめに行く。姉妹の住む家ではルーカスが壁に出来た黒いシミを不審に思う。そこからは蛾が湧き出し、見ていると、その中から飛び出した何かがルーカスを二階の踊り場から一階へと突き落とす。もちろんルーカスは入院。アナベルは一人で二人の世話をすることになる。三人の暮らしが始まると、アナベルは姉妹の他の気配を感じ始め、気味が悪くなりストレスを募らせる。そこへ、子供たちの面会に来たジーンは、アザだらけの姉妹を見て、アナベルが虐待をしているのではないかと福祉施設に通報する。そんなある日、アナベルは夢の中で修道院に侵入し、引き離された自分の赤ん坊を奪い返し、崖から飛び降りる夢を見る。それは、姉妹の言うママの夢だった。
映画MAMAのネタバレあらすじ:転.MAMAとは何者なのか?明るみに出る真実。
公文書館でイーディスという精神を病んで自殺した女性に辿りついたドレイファス博士は、彼女の遺品を持ち出し、姉妹が発見された小屋へ向かう。しかし、そこで彼は闇の中に現れたママ、イーディスに殺されてしまう。入院しているルーカスにも、イーディスが訪れ、ルーカスに害をなそうとする。そこへ、兄のジェフが夢枕に立ち、「子供たちを助けてくれ」と言う。不自由ながらも兄の足取りを調べるルーカスは、小屋の近くのトンネルの写真を見つけ、夢で見た場所を特定する。
映画MAMAの結末:怒れるMAMA、そして始まりの地へ。
ヴィクトリアの診療のため、ドレイファス博士の訪れたアナベルは、博士の行方を知った秘書が取り乱しているスキに、彼のオフィスから、ヴィクトリアの診療レポートと、イーディスの遺品の入った箱を持ち出す。ヴィクトリアは、自分やリリーがアナベルに懐き始めたことをママが怒っている事を察し、アナベルに害をなそうとするママを止めようとする。そこへ、乗り込んだジーン伯母は巻き込まれて死んでしまう。そして、ママはアナベルの前からヴィクトリアとリリーを奪って消える。ルーカスは小屋を訪れ、アナベルと合流、小屋の裏に崖を発見、そこにヴィクトリア、リリーの手を引く人影を見つける。必死に呼びとめ、箱の中から取り出したイーディスの子供の遺骨を渡して姉妹を取り戻そうとするが、イーディスも布に包まれたそれが遺骸であると気づくと、再び姉妹を連れて行こうとする。ヴィクトリアはアナベルの元に戻る事が出来たが、リリーはイーディスに手を引かれる。崖に近づくにつれ、それまで異形でしかなかったイーディスが母親らしい表情を浮かべ、そして、呼び止める甲斐も虚しくリリーは連れて行かれてしまう。
湖から湧き上がった蛾が一匹、ヴィクトリアのそばに飛ぶ。おそらくリリーだろう。
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映画MAMAについて:時に狂える母性
死人であるイーディスの姿は、異様である。しかし、子供たちにとっては、曲がりなりにも5年間育ててくれた庇護者の一面を持っていて、特にリリーはママに懐いている。それと同時に、生前、自分の下から引き離された子供を取り戻し投身してしまうほどの激しさも持ち合わせ、移り住んだ後も初めは子供たちとだけ遊んでいたが、アナベルに懐いていくと、それまで見えないようにしていたはずが遠慮なく姿を現す。そして、注目したいのが、男性に対しては、子供が懐いている如何に関わらず、残酷に手を下す。物語の中には一切描かれてはいないが、生前のイーディス描写の中に、子供の父親の存在が微塵も感じられない理由と、関係があるのではないかと考えてしまう。
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