映画「シング・ア・ソング！笑顔を咲かす歌声」解説
この解説記事には映画「シング・ア・ソング！笑顔を咲かす歌声」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シング・ア・ソング！～笑顔を咲かす歌声～のネタバレあらすじ：起
イギリス軍大佐の妻であるケイトはアフガニスタンの戦況悪化とイギリス軍からの増兵のニュースが流れるカーラジオを切りました。ハンドルを握る手に力が入り、努めて明るくしようと前を向きます。
最近夫が昇進したリサは、基地で夫やパートナーの帰りを待つ女性たちのまとめ役になりましたが、今は思春期の娘フランキーのことで手一杯で適当にやり過ごそうと考えていました。
そんなリサの様子に、サポートを買って出るケイトでしたが、実は愛する一人息子を戦地で失った喪失感を紛らわせようとしていることに周囲は気付いていました。
シング・ア・ソング！～笑顔を咲かす歌声～のネタバレあらすじ：承
戦地からの要請のもと、夫やパートナーを見送る朝がやってきました。それぞれ光景は違えども、一様に辛い別れをし、次に待つのは堪えて待つ毎日。これで5度目の見送りを経験することになったケイトは、新婚のサラのもとを訪ね、さりげなく元気付けました。
やる気満々のケイトと、斜に構える姿勢のリサ。2人が中心となり妻たちの活動について意見を募る中、サラが提案した“合唱”に多くの女性たちが笑顔を見せ始めました。ケイトを冷ややかに見ていたリサさえも、ガレージからかつて慣れ親しんだキーボード・ピアノを引っ張り出して弾いてみるのでした。
生活も性格も、そして教えるメソッドも真反対なケイトとリサの元に集まったのは、美しい歌声を隠そうとする内気なジェスや、音程を無視して大声で歌うルビーなど心も歌声もてんでバラバラ。彼女らを担当するクルックス大尉も耳を覆う有様でしたが、衝突や失敗を乗り越えながらも心情を吐露するように共に歌い、自分を表現することを見つけていくにつれ、少しずつ歌声がひとつになっていきました。
シング・ア・ソング！～笑顔を咲かす歌声～のネタバレあらすじ：転
合唱団はさらに経験を積むために初めて人前で歌声を披露する機会を得ます。練習はこれまで以上に熱が入りました。そんな中、合唱団のもとに毎年大規模に行われる戦没者追悼イベントへの招待状が届きました。思いがけない大舞台に浮足立つ妻たちでしたたが、街中での初舞台は散々な結果に終わってしまいます。
すっかり自信をなくして落ち込む彼女たちでしたが、みんなで反省しカラオケで士気を高め、改めてイベントでの成功を誓いました。
しかし、最も恐れていた知らせが届きました。新婚だったサラの夫が戦地で命を落としてしまいました。ケイトの夫リチャードも怪我をしたとのこと。合唱団は悲しみに沈み、イベントへの参加も辞退することにしました。誰もが、次は自分の番かもしれないという思いに恐怖を感じていました。
次の日、動揺するサラを、同じく家族を失った悲しみを知るケイトが共感し励ましました。後から仲間たちも駆け付けました。サラはみんなへ夫との思い出の曲『アヴェ・マリア』を聴かせ、告別式に合唱団で歌ってほしいと頼みました。
シング・ア・ソング！～笑顔を咲かす歌声～の結末
告別式をきっかけに、誰かのために歌うことの大切さを認識した合唱団は再びイベントへの参加を決意しました。合唱に選んだのはオリジナル曲。歌詞は妻たちが戦地からもらったそれぞれの夫からの手紙に込められた言葉をつなぎ合わせるといったものでした。
そしてイベント当日。
リサが作曲し、苦労して言葉をつなぎ合わせやっとのことで完成した曲を出発前のバスで配布しました。ところが、許可なく息子からの言葉を使われたケイトはこの歌詞に大激怒。背を向けて去ってしまいました。
ケイトを欠いたメンバーたちは、会場が見えてくると緊張と不安で複雑な表情をのぞかせます。リサはそんな彼女たちを安心させようとしますが、上手くまとめることができずにパニックに陥ってしまいます。
しかしそこへ、ケイトがやってきました。自らの言動を反省し、息子が大切にしていた愛車で会場へ来ました。
イベントは大成功に終わりました。彼女たちの合唱は全国に放送され、多くの人に感動を与えましたその後、BBCで彼女たちの特集が組まれ、オリジナル曲での全英チャート1位を獲得し、大きな話題となりました。
2009年、キャタリック駐屯地に住む軍人の妻たちが始めた「合唱」は、悪い知らせが届かないことを祈るしかできなかった妻たちが、互いに支え合い前向きに生きるための活動として、全英中、そして世界各地へと広がるムーブメントとなり、現在も盛んに行われています。
以上、映画「シング・ア・ソング！～笑顔を咲かす歌声～」のあらすじと結末でした。
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