ミネハハ 秘密の森の少女たちの紹介:2005年イタリア,イギリス映画。森林奥深くにある謎に包まれた女性のみで暮らす寄宿学校。「お嬢様学校」のおぞましい実態と学生達の穢れ無き無知。
監督:ジョン・アーヴィン 出演者:メアリー・ナイ(ヒダラ)、ハラ・テイラー・ゴードン(イレーネ)、ナタリア・テナ(ヴェラ)、アンナ・マグワイア(メルジーニ)、エミリー・ピム(ブランカ)、ジャクリーン・ヴィセット(校長先生)、シルヴィア・デ・サンティ(ゲルトルード先生)、エヴァ・グリマルディ(公爵様 シンバ)。ガラテア・ランツィ(公爵夫人 ヘレナ)、ほか
映画「ミネハハ 秘密の森の少女たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミネハハ 秘密の森の少女たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ミネハハ 秘密の森の少女たち」解説
この解説記事には映画「ミネハハ 秘密の森の少女たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミネハハ 秘密の森の少女たちのネタバレあらすじ:起
冒頭でバレエシューズを履いた女の子の脚が映ります。女の子の顔は分からず踊っている脚だけが映し出され、軽やかに元気にステップを踏むその脚が徐々に血に染まるこのシーンが本作の重要なシーンです。深い森に囲まれた寄宿舎の女子校。この学校は生後間もない赤子の頃から学校に引き渡され、日常生活を送ることになります。赤ちゃんは泣き声を上げながらこの学校の校長先生に足のチェックを受け、入学が決まるのです。その赤ちゃんがやがて子どもに成長し、規律に厳しい先生とお手伝いさん、クラスメイトの寮生に見守られながら育っていきます。冒頭の赤ちゃんだった主人公、ヒダラは子どもの頃、食事のマナーの授業中に先生に叱られ、耳をつままれる体罰を受けますが、10代の思春期となり、徐々にバレエやマナーを身に付けられるようになりました。彼女には親友で「百合」を思わせる関係の寮生、イレーネと大の仲良しです。2人は寮生達が寝静まってからベッドに一緒に横になってお互いのネグリジェに包まれた体をくすぐるように触り合います。彼女達はこの事が後にお手伝いさんに発覚して体を触られ、先生には黙っていてあげるからと口止めさせられます。実はこのお手伝いさん達はこの学校の卒業生でレズビアン関係である事が学校側に知られて、現在の立場に置かされているのです。この学校は通称、「公爵様」こと、スポンサーのシンバとその妻、ヘレナの力で成り立っていて、彼らのようなスポンサー達に日頃の成果を発揮するバレエの発表会がありました。バレエの発表会でヒダラとメルジーニ、ブランカの三人が先ず候補として選ばれます。イレーネは教師から「上手だけど綺麗じゃないからプリマドンナは難しい」と残酷な事を言われ、「王子様」役に選ばれました。
ミネハハ 秘密の森の少女たちのネタバレあらすじ:承
クラスメイトのヴェラという女の子は探求心旺盛な性格が災いしてしまいます。彼女は学校内の教師しか開けてはならない秘密の書庫の鍵を盗み、ヒダラ、イレーネ、メルジーニを誘ってそこへこっそり侵入することにしました。偶然、校長先生が書庫の中へ入るのを目撃し、4人の女学生は好奇心と見てはいけないものを見ているかのようなスリルに興奮します。この時は先生に見つからないうちに逃げて授業に戻って平然を装えた4人。しかし、後日侵入すると、生徒達の個人情報や先生達が学校の卒業生だった事実を知り、逃げようとした瞬間に警報機が鳴るきっかけの戸棚を引いてしまうのでした。警報機が瞬く間に鳴り響き、別室で音楽を掛けて踊って寛いでいた校長先生に発覚します。ヒダラとイレーネとメルジーニは何とか逃げ切れましたが、ヴェラが秘密の書庫に逃げ遅れて出られない状況を先生は敢えて「お仕置き」のつもりで放置します。ヴェラの失踪は「脱走」という事で隠蔽され、メルジーニは何か違和感を感じ、偶々、学校の外を通りがかった馬車に乗った男性に助けを求めますが、先生に見つかり、学校の規則である「外部との関わり」を破ったとしてビンタされ、口頭で注意されました。刑事二人が後日訪ねてきますが、校長は嘘を言って彼らを追い返してしまいます。更には刑事の二人は調べようとしますが、上の圧力に押されて捜査を続けることはありませんでした。
ミネハハ 秘密の森の少女たちのネタバレあらすじ:転
その日の夜、眠っていると学校の空気がおかしいと感じ、ヴェラの遺体が学校の敷地に埋められようとしている現場を目にしたヒダラ、イレーネ、メルジーニは怖くなって学校の敷地内に逃げ出します。恐怖を感じ、メルジーニは学校から脱走をしようとしますが、学校で飼っている凶暴な番犬に襲われて足に重傷を負って看護室に運ばれました。しかし、彼女の悪い行いと学校の秘密を知った彼女は医者を呼び出され、モルヒネの過剰投与で若き命を奪われてしまうのでした。教師は学生達にメルジーニは脱走して行方知らずとなったとでっち上げ、悲しいけれどバレエの練習に励むよう伝えます。学校にスポンサーらしき婦人がやってきて、発表会当日にどの子が最適かを審査するのですが、老婦人は女性にも関わらず、学生達をヌードにして足や胸が綺麗かどうかを触り、それに合格したブランカ。しかし、自分と秘密の関係を持つヒダラをプリマにしたいイレーネは、校長先生にブランカの秘密を密告します。実はブランカはバレエ教師のゲルトルード先生と恋人関係だったのです。2人はすぐに看護室へ連れて行かれ、ブランカは何らかの「お仕置き」の体罰を受け、ゲルトルード先生は校長先生から「生徒とそういう関係とはどういうこと>」と激しく問い詰められます。ゲルトルード先生は「彼女を愛しています。触らないで」と断固たる態度。そして、ゲルトルード先生の目の前でブランカはお手伝いさん達により「始末」されました。校長先生はまたしても学生達にブランカは高熱が出て病死したと伝えます。発表会当日。多くのスポンサー達が会場に集まり、踊り子の学生達をごく普通の観客のふりをして品定めしていました。ヒラダは王子様役のイレーネ含めた他の学生と華麗なダンスを披露して観客に拍手を送られます。客のうち一組の夫婦、彼らこそ、学園の創設者である「公爵様」シンバと妻のヘレナも客席にいました。シンバはヒダラに目を付け、彼女に真紅の薔薇のおひねりを舞台に投げます。それに嫉妬し、またこの学園の意図を察したイレーネが突如姿を消し、首を吊って自殺します。彼女を心配して駆けつけたうちにその姿を目撃したヒダラ。半混乱になり、校長先生にイレーネの分までサウゴ迄舞台を務め上げる事を強制されてしまいます。踊り終えると、不安定な彼女は「イレーネの仇よ!」と舞台を放火させ、観客や他の生徒、先生達をパニックに陥れます。そして、燃え盛る炎の中、シンバに抱きかかえられて彼の家まで連れて行かれました。一方、シンバの妻、ヘレナや他のスポンサー達は怒り、校長先生や教師達に学校の閉鎖を強要します。「この学校は色んな秘密がある。もう終わりね」と。追い詰められた校長先生は毒を盛ったブランデーを飲むと、自分の口内に傍に置いてあった拳銃を突き付けて発砲、自滅します。
ミネハハ 秘密の森の少女たちの結末
ヒダラはシンバによって彼の屋敷に連れ出され、激しく痛々しい性行為を強要されました。この学校の本当の実態は創設者でスポンサーのシンバによる彼好みの女性を育成する為の学校だったのです。赤ちゃんのうちから彼女達は孤児か或いは誘拐、人身売買等の闇ルートを辿ってこの学校に「入学」し、教養を身に付け、バレエの発表会に専念して「公爵」シンバに気に入られると無理矢理純潔を奪われて彼の愛人になるか、教師かお手伝いさんの学校関係者になるかを選択しなければならないのでした。シンバに目を付けられたヒダラは彼の愛人に強制的にされてもおかしくない状況にいました。耐えきれなくなり、彼の家を脱出できたヒダラ。しかし、やっと逃げきれて到着した場所は学校です。そう、彼女達学生は一度入学したら死ぬまでここから逃れられないのです。ヒダラは驚愕のおぞましい事実を知って絶叫しました。冒頭のバレエシーン、再び「新入生」となる赤ちゃんが連れて来られて校長先生に足のチェックを受けます。また、新たな生徒をこの学校は育て上げる・・・その繰り返しなのです。女の子達は恋愛や家族との関わりを一切禁じられ、親は誰なのかも知らず、この学校だけが世界の全てなのでした。
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