怪獣大戦争(別題:怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ)の紹介:1965年日本, アメリカ映画。『ゴジラ』シリーズの第6作にして、第3作『キングコング対ゴジラ』(1962年)以来の日米合作となった作品です。本作はこれまでの怪獣映画路線に『地球防衛軍』(1957年)で培った空想科学路線を融合させ、ゴジラやキングギドラといった怪獣の戦いに地球人と異星人の対立という要素も加えられています。
監督:本多猪四郎、円谷英二 出演者:宝田明(富士一夫)、ニック・アダムス(グレン・ニック)、水野久美(波川)、沢井桂子(富士ハルノ)、田崎潤(桜井博士)、土屋嘉男(X星人統制官)、久保明(鳥井哲男)、佐々木孝丸(自治代表)、村上冬樹(医学代表)、田島義文(移動司令)、田武謙三(世界教育社社長)、千石規子(下宿のおばさん)、松本染升(宗教代表)、清水元(防衛代表)、伊吹徹(地球基地のX星人)、鈴木和夫(地球基地のX星人)、堤康久(第一調査隊隊長)、桐野洋雄(第二調査隊隊長)、塩沢とき(婦人団体代表)、津田光男(自衛隊員)、熊谷卓三(自衛隊員)、緒方燐作(自衛隊員)、宇野晃司(世界教育社社長秘書)、橘正晃(宇宙局局員)、岡豊(記者)、坪野鎌之(記者)、伊藤実(記者)、岡部正(宇宙局局員)、清水良二(宇宙局局員)、古河秀樹(宇宙局局員)、中島春雄(ゴジラ)、篠原正記(ラドン/野次馬)、広瀬正一(キングギドラ)、納谷悟朗(グレンの声)ほか
映画「怪獣大戦争」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「怪獣大戦争」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
怪獣大戦争の予告編 動画
映画「怪獣大戦争」解説
この解説記事には映画「怪獣大戦争」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
怪獣大戦争のネタバレあらすじ:起
196X年、銀河系に謎の天体“X星”が出現しました。地球連合宇宙局は宇宙飛行士の富士一夫(宝田明)とグレン・ニック(ニック・アダムス、声:納谷悟朗)を宇宙船“P-1号”に乗せて調査に向かわせました。
富士は地球に妹のハルノ(沢井桂子)を残してきており、宇宙局の桜井博士(田崎潤)に様子を確認させていました。そんなハルノはしがない発明家の鳥居哲男(久保明)と交際しており、この日も自ら発明した痴漢撃退用小型ブザー“レディガード”の試験をしていましたが、あまりにもうるさいので近所の住民から顰蹙を買っていました。
そんな哲男でしたが、何と“レディガード”の権利を買いたいという者が現れました。“世界教育社”という会社の担当者である女性・波川(水野久美)と会い、買い取り金額5000万円の大金を提示された哲男は大いに喜びましたが、波川はハルノが宇宙局に勤めていることを知っているようで、宇宙局がX星について調査していることを気にしていました。
その頃、富士とグレンは木星の13番目の衛星となっていたX星に接近していました。これまでX星は暗い星だったので見つけられなかったのですが、軌道の歪みから発見されたのです。このX星からは近頃話題になっている“宇宙怪電波”が発せられていました。
やがてX星に降り立った富士とグレンでしたが、地球との通信が途絶えてしまいました。このX星は重力が地球の3分の1、気圧は10分の1という環境で、二人は星の環境を調査していましたが、雲ひとつない空には稲光が走り、いつの間にかグレンとP-1号の姿がありませんでした。
この星には人間のような生命体が生息している痕跡があり、富士は何者かに誘われるように地面からせり上がった謎の光る建築物の中に入りました。富士はそこで、この星を支配する“X星人”と遭遇しました。
怪獣大戦争のネタバレあらすじ:承
奇妙な服にサングラス姿のX星人はグレンの身柄とP-1号を保護していました。この星には彼らが“ゼロ”と呼ぶ宇宙怪獣キングギドラ(広瀬正一)が襲来しており、地下での暮らしを余儀なくされていました。
X星人の統制官(土屋嘉男)は富士とグレンに、キングギドラを倒すために地球の怪獣ゴジラ(中島春雄)とラドン(篠原正記)を貸してほしいと提案してきました。その見返りとして地球では完治の難しいガンの特効薬を提供すると言われた富士とグレンは、X星人への協力を約束して地球への帰路につきました。しかし、統制官は不気味な笑みを浮かべていました。
地球に帰還した富士とグレンは国会に赴き、X星人との協力を検討する会議に出席しました。会議の傍聴席には波川の姿がありました。地球側は歓迎ムード一色となり、防衛軍はゴジラとラドンの行方を探し始めました。
一方、“レディガード”を巡る哲男と世界教育社との交渉は中々進展しないままでした。哲男は確認のため世界教育社を訪れましたが、波川は出張中と知らされたのみでした。世界教育社の社長は(田武謙三)は社員に哲男を適当に追い払うよう命じ、“レディガード”の設計図に火をつけて燃やしてしまいました。
その後、哲男はハルノと共に富士とグレンに会いに行き、グレンはX星人の話は胡散臭いと口にしました。グレンは実は波川と交際しており、迎えに来た彼女と共に去っていきました。哲男は波川が出張だというのは嘘だったのかと憤慨しました。
その頃、防衛軍は明神湖の調査に赴き、湖底から放射能反応を確認していました。一旦桜井博士の元に戻った富士でしたが、後から戻ってきたグレンが何やら富士に耳打ちすると、車で明神湖に向かいました。その際、グレンは波川とバンガローに泊まった時に統制官が部屋に上がり込み、我々の準備は完了したと告げてきたことを言い出しましたが、富士は夢でも見たのだろうと笑い飛ばしました。
怪獣大戦争のネタバレあらすじ:転
バンガローへ向かおうとした富士とグレンは防衛軍に阻まれ、その直後に明神湖にX星人の空飛ぶ円盤が3機到来していました。明神湖には桜井博士やハルノ、政府関係者、野次馬らが集い、その中に波川の姿もありました。
やがて、円盤の中から統制官ら数名のX星人が降り立ち、ゴジラとラドンをこの円盤に乗せると言い出しました。かくして地球側とX星人側の交渉は成立し、X星人は明神湖の湖底に眠っていたゴジラと鷲ヶ沢の崖の中に眠っていたラドンを回収しました。富士とグレン、桜井博士は国賓としてX星に招かれることになり、波川はグレンに帰ってきたら結婚しようと約束しました。富士・グレン・桜井博士はX星人の円盤に乗って飛び立ちました。
その後、波川は目倉島にある世界教育社の別荘に向かっていました。実は別荘はX星人の地球での前線基地であり、世界教育社はX星人の隠れ蓑だったのです。そして波川の正体はX星人でした。その頃、グレンと波川の関係を怪しんだ哲男は波川の後をつけて島に乗り込んでいましたが、X星人に見つかって捕らえられてしまいました。
一方、X星ではキングギドラが襲撃してきました。統制官は地球から連れ帰ったゴジラとラドンを撃退に向かわせ、2匹はあっさりとキングギドラを撃退しました。その頃、富士とグレンは密かにX星人の基地内部を探ろうとしていました。二人は地下で大量の金の結晶を発見しましたが、そこに波川とそっくりの顔をした女が二人も現れ、グレンは驚きました。
その後、連れ戻された富士とグレンは今回は国賓ということで不問となり、統制官は桜井博士にガンの特効薬のデータを音声テープにしたものを渡しました。富士とグレン、桜井博士はX星人がP-1号そっくりに作った宇宙船に乗り、X星に残されるゴジラとラドンを見て、自分たちの取った行動はこれで良かったのかと悩みながら地球への帰路につきました。
その後、国会では富士らが持ち帰ったテープが再生されました。しかし、それはガンの特効薬データなどではなく、X星人による地球の植民地化宣言でした。X星人は24時間以内に降伏しない場合は地球人を皆殺しにすると宣言、世界中は大混乱に陥りました。
グレンは波川に会いに行き、X星で遭遇した波川そっくりの女の件について話そうとしました。波川は自分の正体を明かし、自分はX星人の計画に背いてグレンを本気で愛してしまったことを伝えました。波川は裏切り者としてX星人に処刑されましたが、その直前に波川はグレンのポケットにメモのようなものを忍ばせていました。
怪獣大戦争の結末
X星人は地球側の返答を待たぬまま、最後の警告だとして電磁波で操ったキングギドラ・ゴジラ・ラドンを地球に配備させました。一方、桜井博士や富士は電磁波を遮断する“Aサイクル光線”でX星人による怪獣のコントロールを打ち破る計画を打ち立て、各国の代表を集めて極秘裏に実験を行いました。
その頃、捕らえられたグレンは目倉島に連行され、哲男の捕らえられている地下牢に幽閉されました。哲男はこの牢は完全防音仕様になっていることをグレンに教えました。波川がグレンに託したメモにはX星人の弱点はある種の音波であることが書かれており、哲男はX星人がやたらと“レディガード”を欲しがっていたことから“レディガード”こそがX星人の弱点だと見抜きました。哲男は試しに、隠し持っていた“レディガード”を起動させると、見張りのX星人たちが苦しみ出しました。グレンと哲男はX星人から牢の鍵を奪って脱走しました。
桜井博士や富士は空中に金属片を散布することで“Aサイクル光線”の効果を増大する計画を立てていました。そこにグレンと哲男が現れてX星人の弱点を伝え、“Aサイクル光線”と“レディガード”を併用した作戦を決行することにしました。
異変を察知した統制官らX星人は、地球側の返答を待たずに円盤と怪獣たちによる地球総攻撃を開始しました。グレンと哲男は“レディガード”の音波を録音したテープを放送局に持ち込み、全国の全てのテレビやラジオのスイッチを入れて最大音量で流してくれるよう頼みました。かくして全国から一斉に“レディガード”の音波が放たれ、X星人たちは苦しみ出しました。
防衛軍はこれを機に“Aサイクル光線”を放ち、ゴジラ・ラドン・キングギドラはコントロールから脱して倒れ込みました。遂に防衛軍によるX星人地球基地への総攻撃が始まり、統制官は円盤で脱出しようとしましたが「我々は未来に向かって脱出する」と呼びかけたところで円盤と共に爆散しました。
他のX星人の円盤もことごとく爆破していき、目覚めたゴジラとラドンはそのままキングギドラと戦い始めました。そして3匹の怪獣はもつれ合ったまま湖に転落していきました。キングギドラだけは水面から浮上するとそのまま宇宙へと飛び立っていきました。
ハルノはゴジラとラドンは死んだのではと思いましたが、哲男は死にやしないよと返答しました。作戦の成功を喜び合った富士とグレンは、桜井博士からX星の再調査を命じられてがっくりとしました。
以上、映画「怪獣大戦争」のあらすじと結末でした。
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