ムーンライト・ジェリーフィッシュの紹介:2004年日本映画。難病を患い知的障害のある弟の面倒を見るために、裏社会で生きることを決めた青年・セイジ。ある日、一人の女性と出会ったことで、幸せな未来への淡い夢を抱くこととなる。儚くも切ないラブストーリー。
監督:鶴見昴介 出演者:藤原竜也(寺沢セイジ)、岡本綾(南谷佳子)、木村了(寺沢ミチオ)、袴田吉彦(三木忠)、虎牙光輝(王)、水島かおり(高田美津子)、酒井法子(寺沢由紀子)、小沢仁志(柿崎健一)、石立鉄男(山下組組長)、石橋蓮司(杉浦警部)ほか
映画「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ムーンライト・ジェリーフィッシュの予告編 動画
映画「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」解説
この解説記事には映画「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ムーンライトジェリーフィッシュのネタバレあらすじ:起
原因不明の知的障害を持つ弟・寺沢ミチオ(木村了)を抱える兄・寺沢セイジ(藤原竜也)。ミチオの知的レベルは6歳程度の子供と同じくらいで、しかも彼は紫外線を浴びると皮膚癌を起こす難病「色素性乾皮症」も患っています。
幼い頃に母親を亡くしたセイジは、歌舞伎町にある山下組組長(石立鉄男)の下で暴力団組員をしながらミチオと暮らしています。暴力団員の中でもメキメキと頭角を現しているセイジは、歌舞伎町でも有名なヤクザとして名をとどろかせていました。
ある日、バーで飲んでいたセイジは、酔っ払いにからまれている南谷佳子(岡本綾)を助けます。その翌日、ミチオの通院で病院を訪れたセイジは、佳子と再会。この日から担当看護士となった佳子と共に、ミチオはリハビリを行います。
その間に組長に電話をかけていたセイジは、仲間が柿崎健一(小沢仁志)ともめていると知り、現場に直行。セイジが金を回収してその場を収めたと思われたのですが、セイジの態度に腹を立てた柿崎がその後チャイニーズ・マフィアの王と手を組むことで、山下組を潰しにかかろうともくろみます。
リハビリを終えたミチオを迎えに行き、その後買い物に出かけたセイジですが、その間に近所の悪ガキがミチオの部屋に石を投げて窓が割れてしまい、ガラスの破片を触ったミチオは手を切ってケガをしてしまいます。再び病院を訪れ手当てをするミチオに付き添ったセイジは、佳子と話をする中で、近所から理解されずにそのたびに泣き寝入りをして引っ越してきた過去などを話ました。
それを聞いた佳子は、「言いたいことはもっと周りに伝えていくべき!」と強い口調で言ってしまい、二人の間に不穏な空気が流れました。佳子は以前に歌舞伎町で助けられた礼を言い、帰ろうとするセイジに自分の連絡先を渡します。この日は家には戻らず、セイジはミチオを連れてホテルに泊まることにしました。
ムーンライトジェリーフィッシュのネタバレあらすじ:承
ホテルでホッとしたのも束の間、突然夜中に組から呼び出しを受けるセイジ。「まだ眠くない」と言うミチオを無理にベッドに寝かせて、仲間が監禁されている王のいるチャイニーズ・マフィアに乗り込みます。
無事に仲間を取り返すことができたのですが、その間にミチオがホテルの部屋でボヤ騒ぎを起こしてしまい、結局ホテルを出ることにしました。行くあてがないセイジは、廃墟となった組が管轄する地下室で、ミチオと過ごすことにします。
翌日、ミチオの傷の手当のために病院を訪れたセイジは、「この後時間がありますか?」と佳子を誘います。佳子とセイジとミチオの三人で夜の公園へ行き、花火をするなどして過ごしました。ミチオが生まれた時に父親が失踪、5歳の時の母親が亡くなったことや、これまでの人生を語るセイジ。いつでも明るく前向きで優しい佳子に、セイジはどんどん惹かれていくのでした。
ムーンライトジェリーフィッシュのネタバレあらすじ:転
地下で過ごすセイジとミチオですが、セイジが外出している間は組の仲間がミチオの面倒を見ます。しかしその間に王がやって来て、仲間を射殺。その後混乱するミチオに拳銃を手渡し、王は立ち去ります。何もしらないミチオは引き金を引いてしまい、そこへ帰ってきたセイジに運悪く当たってしまいました。
セイジは急いで闇医者で診てもらうのですが、そこで敵対している組が王と組んで、自分たちの組を潰しにかかろうとしているという噂を耳にします。ミチオに危険が及ぶかもしれず、施設に入れることを決断したセイジですが、弟と離れ離れになり後悔し始めます。自分を責めるようになり、居ても立っても居られないセイジは佳子に連絡をとりました。
ミチオは自分の一部であり、大事な弟を危険にさらしたくないと思いながらも、一緒に本当はいたいと思いでいっぱいです。どうすればいいのか悩んでいるセイジに、やさしく声をかける佳子。雨が優しく二人を包み、キスをするセイジと佳子。その後二人はホテルで結ばれますが、突然施設からミチオがいなくなったと連絡がありました。
ミチオがいなくなり、王に連れ去られたのかと焦るセイジですが、すぐにミチオは見つかります。ホッとしたのも束の間、セイジがヤクザだと知った佳子は「ヤクザをやめてほしい」とセイジに頼みます。セイジは母親を亡くした後歌舞伎町で働き出し、その後にヤクザの道に入ったこと、ミチオと一緒にいるには金が必要なことを話しました。
しかし「これからも世間に背を向けて、暗闇で生きていくつもり?」と聞く佳子。セイジは、長生き出来ないミチオに将来はなく、「自分たちには未来などない!」と言い切ります。そんなセイジを優しく抱きしめ、佳子は「行きたいところがある」と三人で海岸へ向かいました。
ムーンライトジェリーフィッシュの結末
セイジと佳子、そしてミチオで海岸へ行きます。楽しそうに砂浜を歩く佳子とミチオ。「悩みを抱えていない人などいない。明るく明日を迎えよう」と佳子から言われ、セイジは前向きに考えるようになります。その後三人で夜の街へ繰り出し、佳子は「三人で一緒に暮らそう」と約束しました。
夜になり、セイジはミチオを連れて組事務所に顔を出します。セイジは佳子に連絡をするために、いったん組事務所から離れますが、その間に事務所へ王がやって来て、セイジの仲間たちは殺され、ミチオは王に連れて行かれました。そんなことが起きているとは知らないセイジは、「やくざの世界から足を洗うことを決めた」と、佳子の留守番電話に残していました。
事務所に戻ると、仲間が射殺されミチオがいないことを知ったセイジは、急いで王のもとへ向かいます。すぐにミチオを見つけたセイジですが、罠にはめられ警官たちに取り囲まれてしまいました。
周囲を包囲され、ミチオを安全な場所へ隠し、セイジは両手をあげて一人で警察官たちの前に出て行きます。しかし銃を持ったミチオが出てきてしまい、二人とも警察に撃たれてしまいました。
その後二人は佳子が勤める病院へと運ばれ、ミチオは亡くなり、セイジは奇跡的に意識を取り戻します。佳子はセイジに「ミチオくんは大丈夫」と声をかけ、安心したセイジはそのまま目をつぶり亡くなってしまいました。佳子は三人で遊んだ海へ行き、ミチオとセイジを弔うのでした。
以上、映画「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する