森の中のレストランの紹介:2022年日本映画。森にあるレストランを舞台に、孤独なシェフと少女とのヒューマンドラマ。監督は、本作が長編デビューとなる泉原航一。主人公を演じるのは、テレビやラジオのパーソナリティーとして活躍する船ヶ山哲。森の奥のレストランに、ある日少女がやってきて…。
監督: 泉原航一 出演者:船ヶ山哲(瀬田京一)、畑芽育(小鳥沙耶)、森永悠希、奥菜恵、染谷俊之、ほか
映画「森の中のレストラン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「森の中のレストラン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「森の中のレストラン」解説
この解説記事には映画「森の中のレストラン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
森の中のレストランのネタバレあらすじ:起
森の中で首を吊って自殺をしようとした瀬田京一(船ヶ山哲)ですが、足を滑らせ失敗してしまいます。気絶していた京一は、猟師の欣二に助けられ、それから数年が経ちました。京一は、欣二から任された森の中にあるレストランで、シェフとして働いています。フランスの三ツ星レストランで腕を磨いた京一の料理を食べるため、遠方からはるばる客がやって来ます。
この店にはある噂がありました。自殺願望者が最後の晩餐ができる店として、ネットで噂になっているのです。この日、一人の男性(森永悠希)客の予約が入りました。暗い表情の男性は「僕はここに最後の晩餐で来ました」と言います。男性から焼きそばをピラフの注文が入った京一は、料理を作りながら娘や妻(奥菜恵)のことを思い出しました。家族三人で楽しく暮らしていたある日、娘はビルから飛び降りた少年の巻き添えとなり、亡くなってしまいます。
焼きそばとピラフを食べた男性客は、店から出て行く際に「止めないんですか?」と京一に尋ねます。「止めてほしいんですか?」と尋ねる京一。男性は「そうじゃない」と答えます。人を巻き添えにしてほしくはない京一は、「僕はただ、人生を終えたい人に人生を振り返る時間を与えているだけです」と話します。「最後の食事がコンビニじゃなくてよかった」と言い残し、男性は去って行きました。
後日、欣二から先日の男性客が遺体で見つかったことを知らされます。郵便局員だった男性は、ロープを持っていましたが、凍死したようです。お年寄りを騙してお金を使い込んでいた男性。「コンビニの食事が最後の晩餐にならずに済んでよかった」と言った男性の言葉を京一は思い出します。
森の中のレストランのネタバレあらすじ:承
京一が店に戻ると、村の若者が集まっていました。京一のせいで自殺者がこの森に集まってくるのだと憤る若者は、村から出て行くよう脅します。
ある日女子高生の小鳥紗耶(畑芽育)が、レストランの前で座っていました。彼女の父親は、毎日のように母親にひどい暴力を振るっています。そのことに耐えられない紗耶は、ネットで見たこの店にやって来たのです。ここへ来るまでに金を使い果たした紗耶は、お金を持っていません。それでも京一は、紗耶が食べたいと言ったバジルのスパゲッティを作ることにしました。バジルのスパゲッティは、娘の大好物でした。料理をしながら京一は娘と妻のことを考えます。
食べ終えた紗耶に「娘が生きていれば同じぐらいだ」と話しかけます。「おじさんも地獄を背負っているんだね」と話す紗耶は、楽になりたいのだと言います。店から出て行こうとする紗耶をいったんは引き止める京一。しかしこれで彼女の苦しみが終わるのであればと、無理には引き止めません。紗耶が店を出て行きます。
京一が飼っている犬・マイロが居なくなりました。紗耶のことを探しに行ったであろうマイロを探す京一と欣二。マイロを見つけた京一は、そばで倒れている紗耶を発見します。薬を服用して死のうと思った紗耶。父親は母親に暴力を振るっているだけではなく、紗耶にも手をあげていました。
家には帰りたくなさそうな紗耶に、欣二がアルバイトをしないかと持ち掛けます。紗耶がレストランで働き始めて一週間が経ちました。少しずつ店の仕事に慣れて行く紗耶ですが、夜は眠れていない様子です。欣二と狩りに出かけた紗耶は、「鴨を仕留めたの」とうれしそうに京一に話します。
いつも行水で済ませていた紗耶ですが、髪がカシカシになってしまうため、風呂に入りたいと頼みます。京一に銭湯へ連れて行ってもらった紗耶は、「おじさん優しいね。生まれて初めてこういう気分…」と感謝しました。
それから紗耶は料理に挑戦し、欣二と魚釣りに出かけるとなど、これまで経験したことがないことばかり体験して、笑顔を見せるようになります。
森の中のレストランのネタバレあらすじ:転
その頃、紗耶の両親が警察に通報していました。防犯カメラの映像から、紗耶が村へ行ったことがわかります。
京一が別れた妻と共に、娘の墓参りをします。「子どもができたので再婚することにした」と打ち明けられ驚く京一。娘のためにも子どもを産む決心を固めた前妻に、京一は「君は強いな」と言います。誰かのために生きるよう言われますが、京一は娘を失った日から一歩も前に進めていません。
その頃店に、警察と紗耶の両親が来ていました。紗耶が見つかり警察はホッとした表情ですが、紗耶は恐怖に震えています。京一が紗耶を監禁したようなネットの書き込みが拡散され、誹謗中傷の紙が店に貼られるようになります。いたずら電話も鳴りやみません。
京一は自殺しようとしますが、マイロにじっと見つめられ死ねませんでした。どうすることもできない京一の元に、村の若者がやってきます。警察に連れて行かれる紗耶は、おびえたような目をしていました。父親から虐待をされているのではないかと心配する若者が、紗耶は無事か京一に尋ねます。
欣二から教えてもらった番号にメールを送る京一。その頃父親にひどい暴力を振るわれた紗耶は、部屋で泣いていました。京一のメールを見た紗耶は、泣きながら京一に電話を掛けます。しかし電話を掛けていたことが父親にばれて、再び暴力を振るわれます。
森の中のレストランの結末
性暴力を受けた紗耶は、床に倒れたまま動けなくなります。そこへ京一がやって来ました。父親と二人で話す京一。虐待しているのではないかと聞かれた父親は笑い出します。妻と紗耶を呼び、自分たちは仲の良い家族だと無理やり言わせる父親。紗耶は、京一に帰るよう促します。その時、父親が京一に殴り掛かりました。京一が逃げるよう紗耶に言いますが、紗耶は途中で父親に捕まってしまいます。これまで娘を守れなかった母親が、夫を殺そうと必死で殴りました。
その後レストランで働く紗耶の姿があります。元気になった紗耶ですが、それでも夜は眠れないようです。京一は最後の晩餐をやめることにします。これからは料理で人を救うことにした京一。紗耶と欣二のおかげだと京一は感謝します。
京一は、娘が亡くなる原因となった自殺した少年の両親をレストランに招待します。娘を奪われた京一は、同じように息子を亡くした二人にひどいことを言いました。その時のことを謝ります。
京一と紗耶、欣二とマイロが楽しそうに森の中を散歩する姿で映画は終わります。
以上、映画「森の中のレストラン」のあらすじと結末でした。
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