赤い風車の紹介:1952年イギリス,アメリカ映画。19世紀末のフランスの画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの半生を描いた伝記映画。監督は「マルタの鷹」「アフリカの女王」のジョン・ヒューストン、主演のロートレックと父であるロートレック伯爵のニ役をホセ・ファーラーが演じています。
監督:ジョン・ヒューストン 出演者: ホセ・ファーラー(アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック/アルフォンス・ド・トゥールーズ=ロートレック伯爵)、クロード・ノリエ (アデル・ド・トゥールーズ=ロートレック伯爵夫人)、 コレット・マルシャン(マリー・シャルレ)、 シュザンヌ・フロン(ミリアム)、ザ・ザ・ガボール(ジャンヌ・アヴリル)、クリストファー・リー(ジョルジュ・スーラ)ほか
映画「赤い風車」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「赤い風車」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「赤い風車」解説
この解説記事には映画「赤い風車」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
赤い風車のネタバレあらすじ:起
パリ、モンマルトル。赤い風車の看板が象徴的なキャバレー「ムーランルージュ」では今宵も華やかなショーが行われています。陽気に歌い踊る踊り子達の姿を一心不乱にスケッチしている男がいます。パリの貧民街をこよなく愛する画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックです。アンリは由緒正しき伯爵家に生まれ、父ロートレック伯爵から溺愛され育ちました。
しかしある日、自宅の階段を踏み外し、骨折をしてしまいます。医師は骨を結合する手術を試みますが、失敗に終わり、アンリの足には障害が残ってしまいます。成長期だったアンリの身長は以後伸びることがありませんでした。父はアンリが障害を克服できなかったのは血族婚のためだと母をなじり、夫婦の関係は次第に冷えきっていきます。青年になったアンリは自宅に居場所を失い、単身パリへと出てきたのでした。
赤い風車のネタバレあらすじ:承
夜道を歩いていたアンリは警察に追われていた娼婦マリーを助けだし、彼女を家に泊めてあげます。マリーは少々デリカシーに欠ける女でしたが、アンリは彼女のあっけらかんとした明るさに惹かれます。翌朝アンリは新しいドレスをせがむマリーに大金を与えますが、家を飛び出していったままマリーは帰ってきません。
マリーの裏切りに腹を立てたアンリはカフェで時間を潰しますが、家に帰ってくるとマリーが戻ってきていました。マリーは妹が熱を出して看病をしていたと弁解し、アンリは彼女を許してあげます。こうしてアンリとマリーは同棲を始めます。
アンリはマリーをモデルにした絵を描き始めますが、癇癪持ちのマリーは事あるごとにアンリに辛くあたるようになり、二人は喧嘩を繰り返します。そしてある晩、障害を侮蔑されたアンリは彼女と別れる決心をし、マリーはアンリの前から去っていきました。母は家に引きこもるようになったアンリを心配して訪ねてきます。母は一緒に家に帰ろうと言いますが、アンリはパリを離れることはできません。貧民街の踊り子の絵を描ける画家は自分しかいないという自負を持っていました。
マリーに未練を残すアンリは彼女を探して街をさまよいます。バーで出会った男がマリーならブランシェット通りにいるはずだと教えてくれます。うらぶれた酒場で酔い潰れていたマリーはアンリを見るなり足が不自由な金づるだと暴言を吐きます。
アンリは深く絶望し、ガス自殺を試みます。しかし再び創作意欲が沸き上がってきて、思いとどまりました。出来上がった絵画を持って久しぶりにムーランルージュを訪ねると、踊り子や友人達は素晴らしく個性的な絵だと褒め称えます。アンリはその絵画をもとにリトグラフに挑戦、完成したポスターはパリの町中に貼り出され、話題を呼びます。しかし家を訪ねてきた父は一族の名前に泥を塗ってくれたとアンリを批判します。父はアンリの描く絵をまったく評価しておらず、絶縁を言い渡します。
赤い風車のネタバレあらすじ:転
1900年。アンリの画家として評価はますます上がっていき、セルビアの国王までもが彼の顧客となります。しかしアンリは酒びたりの生活から抜け出せずにいました。アンリはひいきにしている女優ガボールと出掛けた洋服店で美しい貴婦人ミリアムと出会います。ミリアムは自立した職業婦人であり、アンリは彼女の凛とした美しさに惹かれていきます。
一方ミリアムもアンリの絵の熱狂的なファンでした。一緒に食事を楽しんだ夜、アンリはミリアムの家に招かれます。そこにはアンリの描いたマリーの肖像画が飾られていました。マリーと別れてからというもの女性を信じられなかったアンリでしたが、次第にミリアムに心を開いていきます。二人はデートを重ね、親密になっていきますが、アンリは酒場通いを辞められません。
赤い風車の結末
ある晩、ミリアムは馬主のマルセルから求婚されたとアンリに打ち明けます。コンプレックスの塊であるアンリは自分を卑下し、ミリアムへ愛を言葉にすることはできませんでした。ミリアムは愛はないがマルセルとの結婚を決めたという手紙を残し、アンリのもとから去っていきます。
アンリの酒の量は日に日に増えていきます。重度のアルコール中毒を患っていました。そして泥酔したある晩、幻覚に襲われたアンリは階段を踏み外してしまい、重篤な状況に陥ります。父は病床のアンリにルーブルに絵が展示されることが決まったことを報告し、これまでのことを詫びます。
アンリの胸にはムーランルージュの喧騒がよみがえってきます。陽気に歌い踊る踊り子達の夢を見ながら、アンリはこの世を去るのでした。
以上、映画「赤い風車」のあらすじと結末でした。
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