オクトパスの神秘:海の賢者は語るの紹介:2020年南アフリカ映画。映像作家として長年働いていたクレイグは心に余裕を無くし、精神を病んでしまいます。そんなときに南アフリカの海で、ある「タコ」と出会います。興味深い生態を持ったそのタコとクレイグとの1年の交流を描いたドキュメンタリー映画。タコとの時間を過ごすことによって、クレイグは自分の人生を見つめ直していきます。第93回アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作。
監督: ピッパ・エアリック、ジェームズ・リード 出演:クレイグ・フォスター、トム・フォスター、ほか
映画「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
オクトパスの神秘:海の賢者は語るの予告編 動画
映画「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」解説
この解説記事には映画「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オクトパスの神秘:海の賢者は語るのネタバレあらすじ:起
クレイグは幼い頃、南アフリカの荒波で有名な海岸に住んでいました。海に魅力を感じていたものの、その荒波に恐怖すら覚えています。その後、映像作家として働き、長年働きずめで心に余裕が無くなってしまいます。
家族がいて、息子もおり、いい父親でいたいと考えていまいしたが、その余裕はクレイグにはありませんでした。商売道具のカメラを見るのさえも嫌になってしまうほどに心を病んでいきます。
そんなとき、ふと、その南アフリカの荒波を泳いでみることを思いたちます。仕事のときに出会ったカラハリに住む地元民の、自然と一体となって生きる姿に感化されて、とても冷たく、激しい波でしたが、酸素ボンベ、ウェットスーツもなしで潜ります。
最初はきついと感じていましたが、だんだんと体はその海に順応していきます。潜ると、そこには美しい海の森が広がっていました。しだいに、その海に入ると落ち着くようになっていきます。あまりにもきれいな自然に触れることによって、だんだんと撮影意欲が湧いてきます。
撮影を続けていると、様々な種類の貝殻と石が集まっている風変りな物体を目にします。周りで泳いでいる魚も困惑するほどに珍しい光景です。すると、その中からタコがすっと出てきて泳ぎ去っていきました。
そのタコに魅せられ興味を抱き、さらに観察してみることに。彼女(タコ)は貝だけでなく、昆布にも包んで身を隠します。そして、毎日彼女に会いにいくために潜る日々へと変わります。
オクトパスの神秘:海の賢者は語るのネタバレあらすじ:承
タコは警戒心が強い生き物なので、初日はカメラを置いて、そのタコの日常の様子を撮影してみることにします。彼女はカメラに興味を示して、吸盤を使ってペタペタと触ります。
26日目では、彼女の方から興味を示してくれるようになります。優しく手を差し伸べると、彼女は足を差し出し、お互いに触れ合います。巣穴からも出てきてくれて、彼女から信頼されていることを感じます。
彼女の生態をよく観察してみると、身を隠すために石のようになったり、海藻のようにひらひら泳いだり、体から突起が出たり、クレイグにとって新しい発見ばかりでした。タコは1年しかない寿命の中で、生き残る術を急速に学んでいきます。
52日目。彼女の方から近づいてきてくれたのに、カメラのレンズを落としてしまいます。その衝撃に驚いたそのタコは逃げてしまいます。その後、さらに彼女に接近してしまい、彼女は巣穴を飛び出してしまいます。それから、彼女は姿を見せなくなりました。
自分のミスに後悔するクレイグ。もう一度そのタコに会いたいということを胸に、彼女を追跡することにします。海に潜り、タコが食事をしたような形跡がないかなど、タコになりきって様々な手がかりを集めて追跡をします。
追跡から一週間。ようやく彼女を見るつけることができました。その後、彼女は本当の意味でクレイグを信用してくれるようになりました。
オクトパスの神秘:海の賢者は語るのネタバレあらすじ:転
クレイグは海に潜っている時以外はタコの論文や書籍を読みあさります。タコは夜行性であるということが書かれていたので、確かめるために夜の海へと潜ることにします。彼女の巣を訪れましたが、留守のようです。諦めて戻ろうとすると、浅瀬にいた彼女は昼間より積極的に動いて食料を捕獲していました。
ある時、サメに狙われている彼女を発見します。彼女の助けになりたいと思いましたが、それは自然に反することだと、ぐっとこらえます。彼女はサメを避けるために岩の間に潜りましたが、足を一本サメに食いちぎられてしまいます。かなり弱った彼女は巣に戻ろうとよろよろと泳いでいきます。運んであげたい気持ちをぐっとこらえます。
陸に上がって家に帰る間も、クレイグはそのタコのことが心配で仕方なくなってしまいます。生き物に対してこんなに感情移入するのは初めてです。翌朝、潜って彼女の巣穴に行ってみると、彼女は巣穴の中で真っ白になって静かにとどまっています。食事に行く気配もありません。
思わず貝を開いて近くに置きますが、彼女は食べようともしません。一週間後、食いちぎられた足から小さな足が生えていました。それからだんだんと回復を見せて、100日後には完ぺきな足の状態に戻っていました。クレイグは生き物の生命力の強さに驚きます。
さらに観察を続けていると、彼女の獲物の捕らえ方が面白いと感じます。頭を使いながら、失敗しても何度でも捕獲しようと挑戦します。最終的にはクレイグと彼女の間に獲物を誘導して、逃げ場を無くしてから獲物を捕らえていました。
オクトパスの神秘:海の賢者は語るの結末
304日目。再び彼女はサメに襲われます。彼女は必至で逃げますが、サメも簡単には諦めません。彼女は陸にあがって逃げたり、昆布に身を隠したりしますが、匂いでサメに見つかってしまいます。すると彼女は、周りに落ちている貝殻を身にまといじっとします。
それは、初めてクレイグとタコが出会ったときと同じ光景でした。匂いでサメにばれてしまい、食べられそうになりますが、貝が邪魔になって食べることができません。
クレイグが息継ぎのために目を離しているすきに、彼女は貝に身をまとったまま、サメの背中に乗っています。サメはタコを探していますが見つかりません。サメが諦めたころに、彼女はそっとサメから降りて逃げ切ります。
彼女が魚で遊んでいる姿を見かけます。遊ぶという行為は、社会的生物に見られる行動です。タコにもその行動が備わっていることに驚きます。そう思っていると、彼女はクレイグの胸に飛び込み、お互いに触れ合います。それが最後の触れ合いとなりました。
324日目。彼女と他のタコが交尾をしているところを目にします。それから子供を孵化させるために、彼女はすべてを注ぐことになります。何も食べずただじっとして子供を守ります。日に日に弱っていくのが目に見えてわかります。
そして子供を見届けたあと、彼女は息を引き取ります。巣から投げ出された彼女は腐肉食動物の餌となり、最終的にはサメに食べられて一生を終えます。
彼女と出会ったことで、クレイグの気持ちには変化がみられるようになりました。息子のトムともよく海に泳ぎにいくようになり、トムにもそのタコを紹介しました。
トムは歳を重ねるごとに海に興味を抱くようになり、小さな海洋博士のようです。ある日、トムと泳いでいると、小さなタコと遭遇します。時期的にも、彼女の子供かもしれない。そんな奇跡を感じるトムでした。
以上、映画「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」のあらすじと結末でした。
いい作品だが、出来すぎ。
ストーリーはいいが、カメラは誰が構えているのか いつなのかも分からない。
ドキュメンタリーとは言えまい。つくりものでしょう・・・