裸のランチの紹介:1991年イギリス, カナダ映画。害虫駆除の仕事をするウィリアム・リーは、ライター業に興味をもっています。そんな彼はなぜか妻を殺してしまいタイプライターの形をしたゴキブリから不可解な命令を受けます。彼は不信に思いながらも麻薬に溺れ、やがてはゴキブリタイプライターの言いなりになっていきます。『裸のランチ.』は、映画化が難しいと言われた作品ですが、クローネンバーグ監督が架空の組織インターゾーンでの不思議な世界を映像化しました。
監督:デヴィッド・クローネンバーグ 出演:ピーター・ウェラー(ウィリアム・リー)、ジュディ・デービス(ジョーン・フロスト&ジョーン・リー)、ロイ・シャイダー(ベンウェイ)、モニーク・メルキューレ(フェデラ)、ジュリアン・サンズ(イヴ・クローケ)、イアン・ホルム(トム)、ニコラス・キャンベル(ハンク)、マイケル・ゼルニカー(マーティン)、ロバート・シルバーマン(ハンス)、ジョセフ・スコーシアニー(キキ)、ほか
映画「裸のランチ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「裸のランチ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「裸のランチ」解説
この解説記事には映画「裸のランチ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
裸のランチのネタバレあらすじ:起・謎の薬ブラックミートとインターゾーン
1953年のニューヨーク。ウィリアム・リー(ピーター・ウェラー)は、ホテルのゴキブリ駆除などをする仕事をしています。彼は部屋にゴキブリを見つけますが殺虫剤がなくなり、ホテルのマネージャーから怒られます。
リーは文を書くのが趣味で、ライター仲間のハンス(ロバート・シルバーマン)とマーティン(マイケル・ゼルニカー)の世間話に加わり、小説を書くことを勧められます。彼は自宅に戻ると、妻ジョーン(ジュディ・デービス)の様子が変なことに気づきます。彼女は夫の殺虫剤を盗み、違法薬物を作って興奮状態になっています。
後日、リーは警察に不法薬物所持の容疑で取り調べを受けます。刑事はリーを警察署に連行し押収した粉を見せます。リーは殺虫剤の粉だと言うと、刑事は巨大なゴキブリを取り出し、殺虫剤でゴキブリを殺せるかどうか調べます。
刑事が部屋から出ると、ゴキブリが突然話し始めます。ゴキブリは「お前は俺のエージェント、妻のジョーンはインターゾーンという不法組織のメンバーだ。彼女を殺せ、そしてレポートを書け」と言います。リーはゴキブリの言うことを信じず、靴でゴキブリを殺して逃げ出します。
家ではジョーンは、殺虫剤の麻薬を吸った息でゴキブリを殺しています。リーが家に帰ると、精神状態が不安定なジョーンは彼を怒鳴ります。しかし、ジョーンはリーに麻薬を勧めると、二人はセックスを始めます。
リーは地下鉄で隣に座った男に、精神の不安定さを打ち明けます。男は精神科医のベンウェイ(ロイ・シャイダー)を紹介、リーはベンウェイの診療所を訪れます。ベンウェイは、ブラックミートというブラジルのムカデから作った薬を調合し、リーに渡します。
リーは市場で、ムカデの足の食べ物を買います。家に帰るとジョーンがハンスとセックスをしています。リーは、虫の足をハンスに勧めます。彼はブラックミートを自身に使います。リーは銃を取り出し、ジョーンにウィリアム・テルごっこをしようといいます。ジョーンはりんごの代わりにコップを頭の上に置きます。リーは彼女のコップを打つつもりが、彼女の顔を撃って殺してしまいます。
裸のランチのネタバレあらすじ:承・インターンゾーンでの不思議な世界
リーはベンウェイ医師から与えられたブラックミートを飲むと、むせてしまいます。彼は酒場で隣にいた男キキ(ジョセフ・スコーシアニー)から、マグワンプというモンスターを紹介されます。リーはブラックミートの作用で幻影を見始めます。
マグワンプはリーに、クラーク・ノヴァというタイプライターを買い、妻の殺人のレポートを書けと命令します。マグワンプはインターゾーンに行くことを要求し、チケットを渡します。
リーは町でクラーク・ノヴァと銃を買います。彼はマーティンに会い、彼はジョーン殺しは酒酔いのアクシデントだと警察に言えとアドバイスします。しかし、リーは自分で警察にレポートを書くといます。彼は、北アフリカのインターゾーンに向かいます。
リーはインターゾーンでジョーン殺害のレポートを書き、ハンス(ロバート・シルバーマン)という男に会います。彼はリーに興味をもち、ブラックミートとベントウェイのことを聞きますが、リーは彼から離れます。ハンスはブラックミートの違法ビジネスをしている様子。ハンスはリーを追いかけ、結局二人はブラックミートの工場へ行きます。
リーは、ブラックミートの中毒状態。ジョーン殺しのレポートを書いていると、クラーク・ノヴァが、リーが殺したゴキブリに変身します。リーは再びワインボトルでゴキブリを殺そうとしますが、ゴキブリは同性愛を賛美する文をタイプすることを求めます。リーが文章をタイプすると、ゴキブリは興奮します。リーは逃げ出します。
ハンスはリーに会い、再びベンウェイ医師のことを聞きますが、リーは会っていないと否定します。リーは死んだはずのジョーンに似た女性を見ます。リーは気になり彼女のことをハンスに聞くと、ハンスは「彼女はジョーン・フロスト、トムという夫がいる」と言います。ハンスはキキをリーに紹介し、キキがリーをフロスト夫妻のパーティーに連れて行くと言います。
リーはキキとパーティーに向かう途中、ジョーンに会います。しかし、ジョーンは、すぐに去ってしまいます。そこへ、トム(イアン・ホルム)が来て、彼はリーに妻の殺害のことを聞きます。リーは「殺人ではない、事故だ」と言います。トムは「自分も妻を殺したい」と言います。リーは不信感を持ち、パーティーに行かないことにします。
翌日、リーはクローケ(ジュリアン・サンズ)という男に会います。クローケはリーに魅力を感じている様子。二人は食事をします。クローケはリーにさらなる好意を抱き、自宅で酒を飲もうと誘いますが、リーは拒否します。リーは完全に麻薬中毒で宿泊先でレポートを書いていると、大きなムカデを見ます。彼は息でその虫を殺します。
裸のランチのネタバレあらすじ:転・リーの葛藤
リーは喫茶店で、ジョーンとトム・フロストに会います。トムはハンスが国外追放されたと言い、リーにブラックミートとマルティネリというタイプライターをすすめます。
リーは宿泊先で、精神的不安からブラックミートに手を出すと、悲鳴を聞きます。それは例のゴキブリのクラーク・ノヴァが、別のゴキブリの形をしたマルティネリを襲っている悲鳴でした。マルティネリは破壊されます。クラーク・ノヴァはリーにジョーン・フォレストから秘密を盗み、彼女を殺害し自分に報告しろと命令します。
リーはジョーンを訪ねます。彼はジョーンにブラックミートをすすめ、アラブ語のタイプライターで彼女とタイピングを始めます。リーはジョーンを誘惑し、二人はセックスを始めます。
しかし、そのタイプライターからモンスターが現れ、二人を襲います。そこへ、家政婦フェデラ(モニーク・メルキューレ)が訪れ、モンスターを追い出します。モンスターは下に落ち、タイプライターに戻ります。トムはそのタイプライターを発見します。トムはアラブ語のタイプライターが破壊されて怒ります。
トムは部屋に戻り、リーに会って壊されたマルティネリを修理して自分に返してくれと言います。リーはジョーンと町に出ます。二人は、肉を売っているフェデラを見つけます。ジョーンはフェデラにリーとの行為の償いをするといい、彼女はフェデラとキスをしてしまいます。
リーは一人宿泊先へ戻り、フェデラとジョーンの同性愛をタイプします。すると、クラーク・ノヴァのゴキブリが現れます。ゴキブリは「フェデラはジョーンをコントロールしている。ジョーンを殺せ」とリーに命じます。トムが突然現れ、クラーク・ノヴァを捕まえて持ち去ります。トムはリーに「マルティネリをもってこい」と言います。リーはマルティネリの残骸を袋に入れて外に出ます。
リーは町で寝ていると、マーティンとハンスに発見されます。友人は、リーの麻薬だらけの袋も見つけます。友人たちはリーを宿泊先に連れて行きます。友人たちはリーに「本を出版しろ、タイトルは『裸のランチ』だ」と勧めます。リーは、ブラックミートを飲みます。友人たちはニューヨーク行きのバスに乗り、リーに本を出版するまで、インターゾーンに残れといいます。
リーは酔っ払った様子。リーはキキに助けられます。キキはリーのマルティネリを直すと言います。キキはマルティネリの残骸を手に入れ、修理工場で直し、リーに渡します。しかし、そのマルティネリは、マグワンプの形をしたもの。マグワンプはリーに話しかけ「次の仕事はスイス人の同性愛者クローケを誘惑しろ」といいます。リーは、キキにクローケについて聞きます。
裸のランチの結末:フェデラ、ベンウェイ、ジョーンの謎
リーとキキは、クローケに会います。3人は車でクローケの家に向かいます。リーは一人で不可解なストーリーを語り始めます。3人がクローケの家に着くと、キキはオウムと遊んでいます。同性愛者のクローケはキキに好意を抱いている様子で、リーが部屋を出ると二人はセックスをはじめます。リーが部屋に戻ると、クローケはモンスターに変身しキキを殺害します。リーは宿泊先へと戻ります。
リーが部屋に入ると、マグワンプのタイプライターが話しかけます。リーはマグワンプに怒りを見せ、彼をカバンに入れてしまいます。リーはマグワンプをトムのところへ持参し渡します。トムはクラーク・ノヴァを、交換としてリーに渡します。
リーはクラーク・ノヴァと話し始めます。クラーク・ノヴァは瀕死の状態です。リーは「ジョーンはどこだ」と聞きます。クラーク・ノヴァは「ジョーンはブラックミートの麻薬工場にいる、フェデラがインターゾーン潜入の鍵」だと言い残し、死にます。
リーは麻薬工場へ向かいます。彼は麻薬工場に潜入すると、中にはモンスターが吊るされ、人間がその血を吸う異常な世界でした。彼はジョーンを見つけます。リーはジョーンに「フェデラに会わせてくれ。」と言います。彼は、ハンスが異常な姿でモンスターの血を吸っているのを目撃します。
リーは、フェデラに会いますが、フェデラは仮面を脱ぎ、自分はベンウェイだといいます。フェデラは仮面と服を脱ぎ、ベンウェイが登場します。ベンウェイは親しげにリーに話しかけます。彼はブラックミート実験にリーを選んだと言います。そしてベンウエイはリーにアネクシアという国でブラックミートを売るため、そこへ行くことを求め、何が欲しいかを聞きます。リーはジョーンが必要だといいます。
リーとジョーンはアネクシアへ向かいます。国境でリーは検問されます。警備員から職業を聞かれ、リーは作家だと答えます。警備員は作家であることを証明しろと言います。リーは、ジョーンとウィリアムテルごっこをします。銃はジョーンに命中し、彼女は死にます。警備員は、リーを作家と信用し、アネクシアへの入国を許可するのでした。
以上、映画「裸のランチ」のあらすじと結末でした。
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