ナイトメア・アリーの紹介:2021年アメリカ映画。野心に胸を膨らませた青年スタンがたどり着いたのは、怪しい見世物小屋“カーニバル”の一座。そこで出会った読心術の達人からテクニックを学んだスタンは“感電ショー”で人気者だったモリーを誘い、ショービジネス界での成功を目指して大都会へと旅に出る。やがてスタンは持前のカリスマ性を武器にトップショーマンとなり、豪華なホテルのステージで上流階級の人々から拍手喝采を浴びるようになる。しかし、心理学博士のリリス・リッターとの出会いがスタンの運命を大きく変えていく。原作はウィリアム・リンゼイ・グレシャムの『ナイトメア・アリー 悪夢小路』。
監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:ブラッドリー・クーパー(スタントン・カーライル)、ルーニー・マーラ(モリー・ケイヒル)、ケイト・ブランシェット(リリス・リッター博士)、トニ・コレット(ジーナ・クランバイン)、ウィレム・デフォー(クレム・ホートリー)、リチャード・ジェンキンス(エズラ・グリンドル)、ロン・パールマン(ブルーノ)、メアリー・スティーンバージェン(フェリシア・キンボール)、デヴィッド・ストラザーン(ピート・クルンバイン)、ホルト・マッキャラニー(アンダーソン)ほか
映画「ナイトメア・アリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ナイトメア・アリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ナイトメア・アリーの予告編 動画
映画「ナイトメア・アリー」解説
この解説記事には映画「ナイトメア・アリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ナイトメア・アリーのネタバレあらすじ:起
「紳士淑女の皆さん!世界最大のカーニバルへようこそ!」
1939年。
呼び込みに誘われ、テントに潜り込んだスタンことスタントン・カーライルは怪しげな獣人ショーを目の当たりにしました。カーニバルのマネージャー、クレムから仕事の誘いを受けたスタンは、読心術師のジーナに気に入られ彼女のアシスタントになりました。
このショーの重要なトリックは、ジーナのパートナーのピートが担っていました。かつてジーナとピートはこの“幽霊ショー”で一世を風靡しましたが、人々を騙す罪悪感からピートが酒浸りになってしまい、たびたびミスをするようになります。技を教えてほしいと頼むスタンに、ピートは自らが作った暗号が記された手帳を見せましたが、悪用されると危険だからと、スタンに決して渡そうとしませんでした。
その後スタンは、全身に電気を通すショーで人気を集めていたモリーの美しさに心を奪われ「一緒に組んでもっと大きな場所でショーをやろう」と誘いますが、モリーは相手にしませんでした。
ナイトメア・アリーのネタバレあらすじ:承
ある日のこと。スタンは病気で使い物にならなくなった獣人を、クレムが病院の前に捨てるのを手伝わされることに。その帰り道にスタンはクレムに聞きます。「どうやって獣人たちを見つけるのか?」と。クレムは特別に教えてくれました。
「見つけるのではなく、作るんだ。アル中の男を飼いならして」
それは人間の弱みを熟知した恐るべき方法でした。
ピートの酒癖は一層悪くなっていきました。彼はスタンに酒をせがみ、手渡された酒を飲むと翌朝死んでいました。酒の代わりにスタンから渡されたのはメチルアルコールだったのです。さらに乗り込んできた警察が、カーニバルの閉鎖を命じ、モリーを公然わいせつ罪で逮捕すると宣言。しかし、スタンは習得した読心術で警察を操り危機を救いました。
このことで自信をつけたスタンにモリーは感動し、彼についていくと決意しました。翌朝、ピートの手帳を手にしたスタンとモリーは旅立ちました。
それから2年後。
スタンとモリーは一流ホテルのステージで、上流階級の人々の前で読心術を披露し名声をものにしていました。ショーはだんだん詐欺まがいの降霊術へと変化し、さらに高みを目指すスタンは、時々失敗するモリーに苛立つこともありました。
ナイトメア・アリーのネタバレあらすじ:転
ある夜のショーのこと。
トリックを見破ったエレガントな女性に、モリーを介さずバッグの中身を当てるよう迫れたスタン。スタンは観察と推理でこれを切り抜け、さらに彼女の連れの紳士にもショーをしかけようとします。
判事だと言う紳士から個人的に見てほしいと頼まれたスタンは、モリーの反対を押し切って引き受けることにしました。エレガントな女性から渡された名刺には、リリス・リッター心理学博士と書かれていました。
数日後、リリスのオフィスを訪れたスタン。初めて彼女に会った日から、自分の全てを見透かされているような感覚を味わい次第に惹かれていきました。
そんなスタンにリリスは、彼女がカウンセリングで情報を得た判事から大金を手に入れようと誘います。リリスはスタン自身の“真実”との交換を望んでいました。彼女もまたスタンに惹かれカウンセリングしたいと願っていたのです。こうして契約は成立し、情報を駆使して判事から高額の謝礼を受け取りました。
やがて、スタンは判事の友人から霊視の依頼を受けました。依頼主は電気モーター製造会社を経営する大富豪エズラ・グリンドル。彼はかつてリリスの患者でしたが、簡単に騙せる相手ではありませんでした。しかもグリンドルの要求は、かつて中絶手術で亡くした恋人を出現させることでした。
追い詰められたスタンは一世一代のトリックに打って出ました。
ナイトメア・アリーの結末
スタンはグリンドルの亡くなった恋人ドリーについて調べ、モリーにドリー役を頼みます。人を騙し続けることに疲れきっていたモリーはこれを断りますが、これで最後というスタンの言葉に仕方なく同意することに。グリンドルは疑い深い男でしたが、スタンの功名な仕掛けと、ドリーを彷彿させるようなモリーの演出で、心を掴まれました。
しかし、感極まり抑えられなくなったグリンドルはモリーに駆け寄り、抱き着きました。恐怖に襲われたモリーはパニックになり、グリンドルに正体がバレてしまいました。この騒ぎに、退席させていた護衛のアンダーソンがやってきます。スタンはグリンドルを殴りおとなしくさせると、発砲してくるアンダーソンを車でひき殺してしまいました。
スタンのこの行為にモリーは激怒し、荷物をまとめ町を去っていきました。
スタンは急いでリリスのもとへ行きました。「グリンドルが来るかもしれないから逃げて」と言われ、今までの儲けた金を渡されました。しかし、それは上の1枚のみ50ドル札で、あとは全て1ドル札に差し替えられた束でした。
怒りが爆発したスタンは、リリスに怒鳴りましたが、彼女は「患者は妄想をしている」と事務的に発し、音声を隠し撮りしていたことを見せました。カモはスタンだったのです。
リリスに護衛を呼ばれたスタンは貨物列車に飛び乗り、北へ逃げました。
その後、ジーナから新しい働き口を世話されたスタンは、マグロー&カウフマンの巡回ショーでもう一度読心術でやり直そうと決めました。しかし、ある日目にした新聞で、リリスがグリンドルと結婚したことを知ってしまいます。ジーナが渡してくれた資金を全て酒に変えてしまい、闇に落ちていくスタン。
酒代欲しさにショーのオーナーであるマグローを訪ね、手相を見ると持ち掛けます。一度は断り追い返そうとするマグローでしたが、酒を欲しているスタンに気が変わり「一杯どうだ?」と酒を注ぎ始めました。
そしてマグローは言いました。
「頼みたい仕事があるんだが、やってみるか?本物の獣人が見つかるまでの仕事だが…」
その顔には不敵な笑みが浮かんでいました。
以上、映画「ナイトメア・アリー」のあらすじと結末でした。
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