ノーザン・ソウルの紹介:2014年イギリス映画。1960年〜70年代のイングランド。北部の工業地帯では、ワーキング・クラスの若者たちが10代の頃から選択の余地はなく工場労働に従事していた。単調な仕事をこなし、週末になると地元のクラブでソウル・ミュージュックに身体を委ね朝まで踊る。彼らが退屈な毎日から解き放たれる唯一の場所であり時間でもあった。題名にもなっている「ノーザン・ソウル」とは、彼らが好んだアップ・ビートなレアソウル。それは自分たちの魂を守り抜こうという生き方そのものの音楽でもあった。商業主義に走る音楽も多い中で、純粋にアンダーグラウンドとして今日まで愛され続けているノーザン・ソウル。後の音楽シーンに影響を与えつつもあまり知られることのなかった実態を描く。
監督:エイレン・コンスタンティン 出演:エリオット・ジェームズ・ラングリッジ(ジョン)、ジョシュ・ホワイトハウス(マット)、スティーブ・クーガン(ミスター・バンクス)、アントニア・トーマス(アンジェラ)、リサ・スタンスフィールド(ジョンの母親)ほか
映画「ノーザン・ソウル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ノーザン・ソウル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ノーザンソウルの予告編 動画
映画「ノーザン・ソウル」解説
この解説記事には映画「ノーザン・ソウル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ノーザンソウルのネタバレあらすじ:起
1974年、イギリス北部ランカシャーにある、バーンズワークという町。かつては栄えていたこの退屈な町で暮らす高校生のジョンは、両親と上手くやれず、学校ではいじめられる毎日でした。建物の壁にスプレーで落書きをするのが唯一のささやかな抵抗。バスで見かける看護師の黒人女性アンジェラが気になるものの、当然声などかけられず淡々と過ごしていました。そんなジョンを心配する両親に勧められ、渋々出かけたユース・クラブ。そこでジョンはこれまでに聴いたこともないようなアップビートの音楽に合わせて、華麗にダンスを披露していた青年マットと出会います。クラブにいた若者もみなマットのダンスに見とれていました。そこにやってきた不良少年たち。マットはダンスを邪魔されたあげく絡まれ、取っ組み合いの喧嘩になりました。ジョンはマットを助けたことで親しい友人になり、彼をきっかけにノーザンソウルという音楽の世界を知っていきます。
ノーザンソウルのネタバレあらすじ:承
マットは孤児でドラッグの売人である兄ポールとともに暮らしながら、将来DJになることを夢見ていました。マットも町の落書きがジョンの仕業だと知るとテロリスト呼ばわりをしつつもこの少年を気に入り、2人はアンフェタミンでキメながらカリスマDJレイ・アンダーソンのテープを夢中になり聴き明かしました。さらにマットはジョンをレコードショップへ連れて行きアメリカのレコードレーベルや、ノーザンDJについて熱く語ります。そこへアンジェラが店へと入ってきました。彼女もまたノーザンファンの1人でした。そんなジョンを見たマットは、彼に服や靴を買い、髪型も変えてあげ、身も心もノーザンスタイルへと変えていきます。2人はDJとなりたむろしている若者たちを巻き込んで、次第にノーザン伝道師となっていきました。さらに飛躍のため2人は未発見のレコードを見つける目的でアメリカへ行く資金を貯める決意をしました。
ノーザンソウルのネタバレあらすじ:転
しかし、そんな2人に少しずつ溝ができはじめます。ジョンの理解者だった祖父がなくなり、両親と口論の末家を飛び出し、学校もドロップアウト。マットと同居し共に工場勤めをはじめるもののマットの態度のせいでクラブのオーナーから出入り禁止となってしまったのです。2人でやり直すために自分たちのクラブを作ろうと計画します。未成年の2人に代わってマットの兄ポールに契約者となってもらうことになりましたが、その矢先ポールが警察に捕まり頓挫してしまいます。仕事も別々に離されてしまい、ジョンは新しい転属先で同じくノーザン魂を持ったショーンと知り合います。しかもショーンは2人の憧れのクラブ、ウィガン・カジノの常連で一気に3人の仲も深まります。しかし、ショーンの影響でマットはハードなドラッグにハマっていき、ジョンは心配な日々へと変わっていきます。やがてショーンは覆面警察の目にとまり、マットの辛口DJが引き金となり、ジョンとショーンを乗せた車はパトカーに追われたあげくトラックと衝突。ショーンは絶命してしまいました。
ノーザンソウルの結末
ショーンを気に入っていたジョンは、マットのせいだとなじります。クラブでは、ショーンを追悼するために彼の胸に彫られていた曲がかかります。ジョンは感情を抑えられずクラブから出ていくのでした。久しぶりに家に戻り、少しずつ正気を取り戻したジョンはアンジェラからの目撃情報を頼りにマットが働く工事現場へ行きます。しかしマットは言います。「失せろ」。その言葉にジョンは無言で去りました。夜通し働き、明け方に車で帰る途中でマットがぼんやり車から見たものは、ジョンと出会った頃にジョンが感動していたTobi Legendの歌詞の落書きでした。最後の歌詞でジョンを見つけるマット。「新しいレコードを聴きに来ないか」と誘うジョンに連れ立って去っていきました。
以上、ノーザン・ソウルのあらすじと結末でした。
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