踊子の紹介:1957年日本映画。永井荷風の同名小説を『母を求める子ら』等の清水宏監督が映画化。浅草の踊り子・花枝を頼って妹の千代美が上京する。妹も踊り子になり、花枝の夫・山野を含めた共同生活を始めるが、奔放で無軌道な妹は姉夫婦の生活に波乱を巻き起こす。
監督:清水宏 出演者:京マチ子(千代美)、淡島千景(花枝)、船越英二(山野)、田中春男(田村)その他
映画「踊子」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「踊子」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「踊子」解説
この解説記事には映画「踊子」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
踊子のネタバレあらすじ:妹、踊り子になる
花枝は浅草のシャンソン座の踊り子。夫の「山さん」も同じ劇場の楽士でバイオリンを弾いている。花枝は子供を欲しいと思うが、なかなか授からない。ある日花枝を頼って田舎から、バスの車掌をやめて妹千代美がやってくる。踊り子になったらどうかと妹に言う花枝。だが山さんはスターになれるのは10人に1人という現実を話す。何はともあれ劇場の振付師の田村が一目で千代美を気に入り、千代美は田村のレッスンを受けることになり、狭いアパートで兄夫婦と生活し始める。
踊り子たちの間で千代美と田村の関係は噂になるが、花枝夫婦は気づかなかった。やがて千代美が田村と過ごして帰りが遅くなった日、山さんは千代美が深夜何枚もお札を数えているのを見る。お姉さんにないしょにして、と言う千代美。翌朝花枝が劇場に行った後、千代美が山さんを誘惑し、二人は関係を結んでしまう。
その日、山さんは田村に相談をもちかけられる。田村にレッスンを受けている生徒の金が1000円なくなったという。盗むチャンスがあったのは千代美だけ。田村は山さんに千代美の盗癖に気をつけるように頼まれる。しかし、田村が千代美を舞台に出すと才能を発揮し、先輩ダンサーにあてがわれていた役を奪ってしまった。
踊子のネタバレあらすじ:父親は誰
アパートの住人が指輪を盗まれる事件が起きる。山さんが千代美の持ち物を調べて指輪を発見する。翌日遊園地で人の物を盗むなと注意する山さんに、なんと千代美は妊娠したみたいだと話す。
その後、山さんは田村から、千代美が自分の子供を妊娠したが自分は妻に頭が上がらないので何とかしてほしいと頼まれてしまう。アパートの屋上で話をしていっしょに降りてきた千代美と夫を見て花枝は二人に問いただす。ことばのない山さんを見て花枝は、千代美が夫の子供を宿したと判断する。
踊子のネタバレあらすじ:赤ちゃんが生まれる
花枝は千代美を連れて産科医を回るが、中絶には遅すぎるから産みなさいと言われる。私が憎くないの?と妹にきかれる花枝。妹は確かに憎いが山さんの子供を見てみたいと彼女は思っていた。
やがて産院で千代美は大みそかを迎える。妹を見舞った花枝は除夜の鐘の音を聞いて、夫と初詣をするために帰る。そして節分の日に千代美の娘が生まれる。その日は雪、千代美が東京に来た日も雪。女の子の名は雪子にした。
踊子のネタバレあらすじ:妹が出ていく
姉妹は助け合って雪子を育てるが、姉の方が熱心。ある日千代美が雪子を置いて出かけて帰ってこない。次の日は楽屋に花枝が雪子を連れて行って踊り子たちが大喜び。だが山さんは田村から千代美が芸者になると言ってきたと聞かされる。
産院で千代美の隣に寝ていた芸者のいる置屋を山さんは訪れる。やはり姉の承諾があった方がいいということで千代美は山さんと出かけるが、千代美に促されて連れ込み宿に入ってしまう。千代美は自分と田村、どっちと先に関係をもったのだろうかと気になる山さんだった。
踊子の結末:さよなら浅草
花枝の同僚の踊り子の一人が看護婦の勉強をすると言って退職した日、千代美が山さんとも関係をもっていたと知った田村が花枝に聞こえよがしにそのことを山さんに話す。山さんは怒って田村を殴ってしまう。
そんな時、千代美がアパートにやってくる。芸者をやめ鋳物工場主矢木に囲われていると言う。山さんと花枝は話合いの上、住み馴れた浅草を出ようと決意していた。
その年の秋、山さんの兄の実家であるお寺で花枝夫婦は保育園を経営していた。そこへ千代美が訪れて来る。千代美は姉に矢木とは別れたと言う。雪子や山さんには会わずに帰ると言う千代美は、やっと自分の頼りない生き方を後悔し始めているようだった。そんな姉妹の再会に気づかず山さんは子供たちに囲まれてオルガンを弾いていた。
以上、映画「踊子」のあらすじと結末でした。
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