月曜日のユカの紹介:1964年日本映画。上流ナイトクラブ「サンフランシスコ」で働くユカは、初老のパトロンを持ちながら同世代のボーイフレンドもいる奔放な女の子です。男を喜ばすことが人生の目標と宣言して憚らないユカは誰にでも体を許しますが誰にも、キスは許しません。
監督:中平康 出演者:ユカ(加賀まりこ)、修(中尾彬)、パパ(加藤武)、ユカのママ(北林谷栄)、船長(ウィリアム・パッソン)ほか
映画「月曜日のユカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「月曜日のユカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
月曜日のユカの予告編 動画
映画「月曜日のユカ」解説
この解説記事には映画「月曜日のユカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
月曜日のユカのネタバレあらすじ:起
外人客が多い横浜のナイトクラブ「サンフランシスコ」では、ユカと呼ばれる18歳の女の子が今日も人気を集めていました。ユカには船荷会社に勤める初老のパトロンと同世代の恋人がいますが、男を喜ばすのが生き甲斐で誰とでも寝る、サービス精神旺盛(?)の娘なのでした。彼女はパトロンをパパと呼んでいました。ユカはパパを幸福にしてあげたいと心の底から思っていました。そんなユカを悪く言う人はおらず、明るくて感じが良くて、教会にも通う良い子だと評判なのでした。彼女にはひとつ噂がありました。誰にもキスだけは絶対にさせないというのです。この噂は事実で、彼女は幼い頃大人たちがキスする現場を覗き見てしまい、あんな行為はしてはいけないと牧師さんにキツく言い聞かせられた過去があったのでした。
月曜日のユカのネタバレあらすじ:承
ある日曜日、ボーイフレンド・修と街中をデートをしていると、視線の先にパパとその妻と子供が歩いているのを見つけます。修は面白がって「後をつけよう」と提案し、嫌がるユカを無理やり付き合わせます。パパの家族はお人形屋さんに入りました。彼は娘に大きなフランス人形を買ってやっています。そのパパの顔の幸せそうなこと。ユカはショーウインドウの外で食い入るようにその顔を見つめるのでした。
結局パパの自宅までついていったユカに、修はもう帰ろうと言いますが、ユカの目はまだパパの家族に釘付けです。自宅の窓からは一家団欒の様子とこれまた幸せそうなパパの顔がみてとれるのでした。ユカは急にボーイフレンドにここで寝ようと提案します。そしてあまり乗り気でないボーイフレンドと無理やり事を始めるのでした。
月曜日のユカのネタバレあらすじ:転
その日の夜、彼女は夢の中で懺悔しました。男を喜ばす事が自分の生き甲斐だというのに、パパの反応は思ったより良くない事。それだのに、家族というものは私が見た事もないようなパパの顔をあんなにも簡単に引き出せてしまう事。そして、パパへのあてつけで庭で男としてしまったこと。
ある日、ユカはパパにお人形を買ってほしいとお願いをします。ユカはまたあの時のパパの顔を見たくて、同じシチュエーションをセッティングすることにしたのです。それを聞いた修は馬鹿馬鹿しいと一蹴します。曜日まで同じにしようとしているユカに、日曜は家族と過ごすもんだと言い聞かせます。するとユカは「じゃあ私は月曜にする」といってけろっとしているのでした。修はカンカンに怒って出て行ってしまうのでした。
待ちに待った月曜がやってきました。着飾ったユカは、いつもなにかと相談に乗ってくれ、ユカに理解のある母とともに待ち合わせ場所に着きました。これがユカの考えていた「セッティング」です。するとそこにはパパといつぞやクラブで会った大柄な外国人がならんで立っていました。パパは急に出現したユカのママの存在に焦り、困り、その日はお流れとなってしまいました。
月曜日のユカの結末
部屋でしょぼくれるユカに、ママの知恵を借りて仲直りした修が寄り添います。彼はユカに結婚しようと持ちかけるのでした。ユカにも、これからは誰とも寝ないと誓わせました。一生懸命ユカの分まで稼いで、ママの事も大切にして、アパートを二人で借りようと熱く語ります。ユカもほのかに顔が明るくなって、10万くらいは要るわね、と返します。ところが、二人の希望が満ちてきたところへパパが入ってきて、修はさっと外へでていってしまいます。パパは昼間のことを謝りながら、ユカに「これが欲しかったんだろ」とフランス人形を渡すのでした。そして、謝りつつも仕事がいかに大変かを語ります。けれど、ユカの耳には前ほどパパの声は響いてこないのでした。
パパはユカにあるお願いをします。この時ばかり、大好きだ愛してると連呼しながらしたお願いは、取引のため外人船長と寝ることでした。承諾する代わりにユカはパパに10万円を要求しました。パパが帰ると、外で話を聞いていた修が怒って戻ってきます。誰とも寝ないと約束したばかりなのにと。
翌日、修が死んだと聞かされます。横たわる修の死体に、ユカは初めて口づけをします。
約束通り船長と寝たユカは、何も知らない船長にキスをされ、半ば放心状態で船を後にします。とぼとぼと頭悼を歩くユカをパパは急いであとを追います。どこからか流れてきた音楽にユカは突然踊ろうと持ちかけ、二人はくるくるとダンスを踊ります。ダンスはどんどん激しくなり、ついにはパパが海に落っこちてしまいます。助けを求めながら沈んでゆくパパを最後まで眺めた後、ユカは何事もなかったかのようにその場を立ち去るのでした。
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