女は二度生まれるの紹介:1961年日本映画。川島雄三が大映で撮った作品の1つで、完成度の高い佳作。川島版『西鶴一代女』とも言うべき内容で、ある不見転(みずてん)芸者の暮らしぶりを男性関係を軸にしながら描いている。若尾文子がはまり役で美しい。
監督:川島雄三 出演:若尾文子(小えん)、山村聡(筒井清正)、山茶花究(矢島賢造)、フランキー堺(野崎文夫)、藤巻潤(牧純一郎)、山岡久乃(筒井圭子)、江波杏子(山脇里子)、中条静夫(田中)、上田吉二郎(猪谷先生)、高野通子(筒井敏子)、ほか
映画「女は二度生まれる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「女は二度生まれる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「女は二度生まれる」解説
この解説記事には映画「女は二度生まれる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
女は二度生まれるのネタバレあらすじ:起
都内の置屋に身を置く小えんは、芸者と名乗っていても体を売るだけのいわゆる不見転(みずてん)で、芸事の素養もありません。お座敷で酒の相手をした後、そのまま夜伽をするというのが仕事でした。
身寄りのない彼女にとってはそれが当たり前の身過ぎ世過ぎで、特に嘆くことでもありません。いまは特に筒井と矢島という2人の男が太客で、座敷でも外でも会う機会が増えていました。
ただ、小えんはそんな大金を落としてくれる男だけでなく、顧客の接待係として来た男へも好意を感じる事があります。
女は二度生まれるのネタバレあらすじ:承
そんな男の1人が野崎で、彼は寿司屋の板前でした。その素直な性格に惹かれた小えんはよく店を訪れ、損得抜きで彼と付き合おうとします。しかし野崎にとってあくまで彼女は顧客の夜の相手であり、まともに交際できる女性ではありません。
やがて野崎は信州のワサビ屋の入婿となり、店を辞めてしまいます。そしてもう1人、商売とは関係なく好きになった男がいました。それは近くの靖国神社で知り合った大学生の牧です。
彼はバイトに熱心な苦学生で、身寄りがなくて苦労した小えんは同情を寄せていました。彼も大学を卒業すると彼女の前から去っていきます。
女は二度生まれるのネタバレあらすじ:転
1957年に施行された売春防止法のために不見転稼業もやりにくくなっていました。ホステスに転業した小えんは誘われるまま筒井の2号になり、安アパートの部屋に引っ越します。
筒井は、美貌以外何の取り柄もない小えんの将来を憂慮する優しい男で、わざわざ金を出して小唄を習わせます。彼の思いやりに小えんも満足でしたが、成熟した体の方は彼だけでは満足できず、他の男を求めてしまいます。
そんな1人が映画館で偶然知り合った工員の孝平です。しかしこの情事がばれてこっぴどく叱られたため、以後は浮気癖を抑えます。
女は二度生まれるの結末
この安定した生活も、やがて終りが来ます。筒井が十二指腸潰瘍で倒れ、そのまま入院中に他界したのです。収入がなくなり、小えんはまた芸者稼業に戻ります。久しぶりに出た座敷では、会社員になった牧と再会。胸をときめかすのですが、彼が接待役として外人の客と寝るように頼んできたことで幻滅します。
さらに筒井の未亡人の嫌がらせもあって気分が落ち込みます。小えんは気分を直すため、やはり久しぶりに再会した孝平と上高地へ。ところが途中の車内で家族と一緒にいる野崎を見たことで、せいせいしていた気分もまた落ち込んできます。
目的地の駅に着いたものの、結局山へは孝平だけで行かせ、小えんは1人で帰りの電車を待つのです。
以上、映画「女は二度生まれる」のあらすじと結末でした。
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