俺は待ってるぜの紹介:1957年日本映画。裕次郎のヒット曲を元に、兄の石原慎太郎が書き下ろした脚本を、蔵原惟繕が演出。これがデビュー作となった蔵原監督はこの後『憎いあンちくしょう』や『栄光への5000キロ』といった裕次郎映画の秀作を生み、さらに『キタキツネ物語』や『南極物語』の大ヒットを飛ばす。
監督:蔵原惟繕 出演:石原裕次郎(島木譲次)、北原三枝(早枝子)、二谷英明(柴田)、藤代鮎子(るり子)、杉浦直樹(柴田の子分・テツ)、植村謙二郎(警部補)、ほか
映画「俺は待ってるぜ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「俺は待ってるぜ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「俺は待ってるぜ」解説
この解説記事には映画「俺は待ってるぜ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
俺は待ってるぜのネタバレあらすじ:起
島木譲次(石原裕次郎)は港町でカフェを経営していますが、もうすぐブラジルへ移住するつもりです。1年前に兄がそちらへ渡り、生活の目処がついたら手紙をくれる予定でした。
そんな落ち着かない気分でいる時、偶然、海べりで所在なげに佇んでいた早枝子(北原三枝)という女と知合います。彼女は歌手として働く店から逃げてきたのですが、理由は「店の男をうっかり殺したから」でした。それを聞き、自分も拳闘家時代に人を殴り殺した経験のある譲次は、彼女に同情して店で働かせます。
ところが、「殺した」というのは早枝子の勘違いで、すぐにその男が現れて彼女を連れ戻そうとします。譲次は一旦男を追っ払うものの、今度は店のオーナーの柴田(二谷英明)とその手下が店にやってきて、有無を言わさず早枝子を連れて行ってしまいます。
譲次は諦めるしかありませんでした。ただ気になったのは、手下がナイフを取り出した時にそれに付けられていたメダルです。彼はそれに見覚えがありました。
俺は待ってるぜのネタバレあらすじ:承
やがて兄に出したはずの手紙がそのまま戻ってくると、譲次は意を決して入国管理事務所へ行き、出国記録を調べてもらいます。すると、ブラジル行の船の乗船記録には兄の名前がありません。職員の話によると、荷物だけが船に載せられてブラジルへ運ばれ、引き取り手が現れないまま、日本に戻されたということです。
譲次がその兄のトランクを調べると、衣類のポケットから「キャバレーアンドロメダ るり子」という名刺が出てきました。ここはいま”地中海”と名前を変えていて、偶然にも早枝子の働いている店でした。譲次は地中海に出かけるとその”るり子”(藤代鮎子)から話を聞こうとしますが、もう在籍していません。
同僚のホステスに話を聞くと、自分の店を構えているそうです。譲次はそこへ向かう前、早枝子を席に呼んで、店長の手下の一人がもっているメダルを手に入れてほしいと頼みます。
実はそれは拳闘の新人王のメダルで、滅多にあるものではありません。譲次も昔持っていたのですが、兄にプレゼントして手放しました。ひょとしたらそれと同じものかもしれないと思い、その裏にある彫り傷を確かめたかったのです。
俺は待ってるぜのネタバレあらすじ:転
譲次はるり子に会って、兄との関わりを訊ねます。柴田の子分であるテツ(杉浦直樹)という男が兄を連れてきたそうですが、彼は喧嘩で殺されたため、もはや事情を聞く術がありません。譲次がガッカリして店に戻ると、すぐに早枝子がやってきました。
彼女は小さな紙片を差し出します。メダルを一旦手に入れた彼女はその裏の模様をそれに写し取っていたのです。模様を見た譲次は、やはりそれが自分のメダルだという事を知ります。譲次は柴田の手下を待ち伏せして脅しつけます。メダルはどうやらテツ経由で手下のものになったようでした。
警察でテツに関する事情を聞くと、1年前に彼はアンドロメダで人を殺したものの、正当防衛で不起訴になっていました。その被害者の写真を確認したところ、それは恐れていた通り、譲次の兄でした。
俺は待ってるぜの結末
兄が何故殺されたのか、その謎を知りたい譲次は次にテツを殺した武田という男を探し求めます。ちょうど同じ頃に柴田の手下たちも武田の行方を追っていました。一足先に武田を見つけた彼らは彼を袋叩きにします。
その後、海に放り込まれたところに駆けつけた譲次は武田を助け、実はテツを殺したのが柴田だということを聞き出します。おまけに譲次の兄を殺したのも、テツではなく柴田だったのです。
柴田は兄がブラジルでの生活のために200万円を持っている事を知り、イカサマサイコロで金を巻き上げた上に、飛びかかってきた彼を殴り殺したのでした。
譲次は単身地中海に乗り込むと、やはり元拳闘家だった柴田と一対一の殴り合いをおこない、彼を倒します。店を出る譲次には、早枝子が付き添っていました。
以上、映画「俺は待ってるぜ」のあらすじと結末でした。
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