ORGAN/オルガンの紹介:1996年日本映画。臓器売買を巡る抗争を過激なエログロ描写で彩るホラー作品。相棒の戸坂刑事と一緒に、人間の解体が行われているという廃工場へ向かった沼田刑事。しかし臓器売買屋を取り逃がしてしまい、その上戸坂も行方不明になってしまった。汚い手段をも行使して戸坂を探す沼田だが、その精神は次第に歪んでいく。
監督:不二稿京 出演者:不二稿京(片目のヨウコ)、長谷川公彦(佐伯)、奈佐健臣(沼田刑事)、広田玲央名(生活指導の女教師)、菅田俊(中西)ほか
映画「ORGAN/オルガン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ORGAN/オルガン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ORGAN/オルガン」解説
この解説記事には映画「ORGAN/オルガン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ORGAN/オルガンのネタバレあらすじ:臓器売買
舞台は1996年の日本、東京。臓器移植が法で認められたことにより、裏社会では臓器売買が盛んになっています。刑事の沼田は駆け出しの相棒戸坂と一緒に、以前から目をつけていた病院近くで張り込みを行っていました。ある夜、リンチを受け瀕死の少年が病院裏に放置されます。当直の医師安田は彼を車に乗せ、古びた廃工場へ向かいました。彼は臓器売買に運び屋として一枚噛んでおり、廃工場は「処理場」と呼ばれていました。処理場を取り仕切るのは片目の女ヨウコ。実際に臓器を取り出しているのはヨウコの弟佐伯です。関係者を装って処理場に潜り込んだ沼田と戸坂は、生きたまま内臓を取り出される少年の姿を目撃。そのあまりに惨い光景に戸坂は激高します。ヨウコ達に刑事だとばれた沼田と戸坂は暴行を受け、一味を取り逃がしてしまいました。佐伯から謎の注射を打たれた沼田は自由にならない体で必死に処理場から逃げ出します。その背後では、戸坂の絶叫が響いていました。そして彼はそのまま消息を絶ってしまいます。
ORGAN/オルガンのネタバレあらすじ:強引な捜査
沼田は謹慎命令を受け、捜査から外されます。しかし命令を無視した沼田は再び処理場に足を運びました。生皮を剥がれた戸坂の幻影を見て怯える沼田。そこに上司の高木と、戸坂の双子の弟慎二が現れました。慎二は兄を見捨てて逃げ出した沼田を強く憎んでいます。沼田は相棒を踏み台にしてのし上がってきた悪徳刑事だと高木は言いました。その頃、都内の私立女子校では生徒が1人行方不明になっていました。佐伯はその学校の生物教師です。彼が使っている生物準備室の奥には飼育室があり、そこでは手足を切断された戸坂が木箱に押し込められて生きていました。性的欲求と殺人衝動がリンクしている佐伯は、また1人生徒の腹を捌いて戸坂の目の前で犯します。やめろと呻く戸坂を嘲笑う佐伯は、彼に薬物を注射してその変化を観察しました。一方、沼田は金城組という土建屋の寮に潜り込んでいました。そこでヨウコと佐伯の育ての親中西に出会います。更に思いがけず安田と再会した沼田は、怯える彼を寮から連れ出しました。
ORGAN/オルガンのネタバレあらすじ:姉弟の傷と憎しみ
兄の生存を信じる慎二は、独自の捜査で金城興業にたどり着きます。しかし手がかりを掴めるかと思われた矢先、事故に見せかけて重傷を負わされてしまいました。沼田の家には恨みを持つ元相棒達が押しかけ、彼の妻を陵辱。病院を抜け出した慎二が沼田の家へ行くと、浴槽には安田が押し込まれていました。一方、佐伯は勝手な殺人を犯した罰として、ヨウコから飼育室に閉じ込められていました。佐伯は激痛と薬物の禁断症状に苦しみます。彼の体は腹を中心に腐って膿を出していました。ヨウコと佐伯は幼い頃義母から凄絶な虐待を受け、佐伯は一生癒えない醜い傷を、庇おうとしたヨウコは片目を抉られていたのです。義母が死亡してからは、中西が親代わりとなって2人を育ててくれました。ヨウコが女子生徒の遺体を処分した後、普段の生活に戻った佐伯。しかし以前から佐伯を「変態」と見下してきた生活指導の女教師に、戸坂を見つけられてしまいます。その上戸坂は中西によって連れ去られました。戸坂の監禁場所について情報を得た沼田は佐伯が勤める女子校に向かいます。一方の慎二はヨウコを追って入ったバーで、金城組のヤクザ達から集団リンチを受けました。何とか反撃して逃げ出した慎二は、安田を始末しようとしていたヨウコを探します。しかしヨウコもまた、金城組に裏切られ窮地に陥っていました。臓器売買屋の黒幕である金城組はヨウコ達を切り捨てることにしたのです。慎二は金城組の男を車で轢き殺し、ヨウコに戸坂の監禁場所まで案内させることにしました。
ORGAN/オルガンのネタバレあらすじ:血まみれの殺し合い
学校に到着した沼田は女教師の案内で生物準備室に入りますが、佐伯の姿はありません。彼は生活指導室に匿われていました。戻って来た女教師は佐伯の体をまさぐり、腐りゆく体を見て興奮します。セックスに誘われた佐伯は女教師の腹を裂いて、血まみれのまま彼女を犯しました。その場に踏み込んだ沼田は「戸坂はどこだ!」と叫び、憎しみと暴力の快感に支配された目で佐伯をいたぶります。すると虫の息だった女教師が沼田に縋りつき、もろともに窓ガラスを突き破って転落しました。生物準備室では、戸坂の姿が無いことに激高した慎二がヨウコともみ合いになっていました。ヨウコは醜く変貌した戸坂の様子を語って聞かせ、隠し持っていた銃で慎二を射殺します。そこに中西、次いで佐伯が現れました。姉弟に罪を償えと訴える中西でしたが更生の意志が無いことを知り、2人を殺害しようとします。しかし姉弟が狂ったような反撃を見せ、中西は殺害されてしまいました。
ORGAN/オルガンの結末:終わらない悪夢
翌日。何とか生還した沼田は、ボロボロの体で警察病院の地下病棟を訪れていました。ベッドには気味の悪い色でブヨブヨに膨れ上がった戸坂が寝かされています。彼は中西によって警察に届けられていました。沼田が顔を近づけると、弱々しい声で何か呟く戸坂。彼は「何故だ……俺が……何故こんな……なんでお前じゃない……」と呟き、憎悪に満ちた目で沼田を見ています。それから時が経ち、佐伯は小さな診療所に医師として勤め始めました。患者と良好な関係を築いている様子の佐伯。彼の背後のドアが意味ありげに少しだけ開いています。事件が真の解決に至らないまま、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ORGAN/オルガンのあらすじと結末でした。
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