ラスト・タンゴの紹介:2015年ドイツ,アルゼンチン映画。50年に渡ってアルゼンチン・タンゴのシーンを牽引してきた伝説のペア、マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスの半生を、二人のインタビューや再現ドラマを織り交ぜながら描いたドキュメンタリーです。
監督:ヘルマン・クラル 出演者:マリア・ニエベス、フアン・カルロス・コペス、パブロ・ベロン、)アレハンドラ・グティ、ファン・マリシア、アジェレン・アルバレス・ミニョほか
映画「ラスト・タンゴ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラスト・タンゴ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラストタンゴの予告編 動画
映画「ラスト・タンゴ」解説
この解説記事には映画「ラスト・タンゴ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラストタンゴのネタバレあらすじ:起
50年の長きに渡ってアルゼンチンのタンゴ・ダンスシーンを牽引してきた伝説のペア、マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペス。“アルゼンチン・タンゴの母”と謳われ、撮影当時80歳を迎えていたマリアは、スタジオに再現された幼少時代の家のセットに佇みながら、初めてペアを結成した日のことを振り返りました。二人が初めて出会ったのは、マリアがまだ14歳の時でした。姉に連れられて行ったダンスホールで、マリアはホールで一際輝いていた当時17歳のファンのエレガントなダンスを目の当たりにしたのがきっかけでした。マリアの中に輝く何かを見出したフアンは自ら彼女に歩み寄ってダンスに誘い、マリアもまたフアンの気を巧みに弾きながら華麗なダンスを決めていきました。
ラストタンゴのネタバレあらすじ:承
意気投合したマリアとフアンはペアを結成、当時クンビアやロックの台頭に押されつつあったタンゴ界に革命を起こそうと、当時としては斬新なコペススタイルを生み出しました。最初のうちは異端視され、中々公演のチャンスにも巡り会えないでいた二人でしたが、友人の協力を得て初公演を実現させ、やがてマリアとフアンは私生活でも惹かれ合うようになっていきました。マリアは当時を振り返り、一人の男に本気で恋をしたことは一度だけだったと語りました。その後、マリアとフアンは晴れて結婚しましたが、時は幸せでした。しかし、喧嘩ばかりの二人の結婚生活は長く続かずに離婚に至り、マリアは他の男からアプローチを受けてその気になったりもしました。結局その後、マリアは再婚することなく、子供を得ることもなく今日に至り、80歳になった今では独りでいることは空しいと心境を語りました。
ラストタンゴのネタバレあらすじ:転
マリアとフアンは4年間に渡ってカーニョ14というクラブを拠点とし、二人の催した“コペス・タンゴ・ショー”は評判を集めました。しかしその後人気は低迷、フアンは死をも考える程に追い詰められていきました。そんなフアンを救ったのがミリアムという女性で、フアンはミリアムと再婚して二人の子供を授かり、未だにフアンへの想いが残るマリアは引き続きフアンとペアを組み続け、ペアはアルゼンチンのタンゴ界を牽引する存在にまで上り詰め、ニューヨーク・タイムズ紙からは「マリアとフアンは最高のペアだ」という賞賛も得ました。しかし、好調の裏側ではマリアとフアンとの間に次第に亀裂が入り始めていました。
ラストタンゴの結末
そしてペア結成から約50年が経った1997年。フアンは日本公演の後にペアを解消すると告げました。そして最後の日本公演。踊り終えたマリアは即興でスピーチに臨みましたが、失意のあまりにトイレで吐いてしまいました。そして更に月日が流れ、今ではマリアは80歳、フアンは83歳となりましたが、未だにタンゴへの情熱は失われてはいませんでした。になっても尚、フアンは踊ることを辞めるつもりはありませんでした。未だに独身を貫くマリアとは対照的に、フアンは幸せな家庭を築きましたが、娘と一緒にタンゴを踊ってもやはりマリアには敵わないことを痛感していました。そして、今なお現役で踊り続けるマリアはこう語ります。今でもアルゼンチン・タンゴを、そしてフアンを愛していると…。
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